入国審査のレビュー・感想・評価
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エンタメ要素ナシ
本作は、入国審査を舞台にしたワンシチュエーション作品ということで、限られた空間と会話劇からどんな展開が生まれるのかと期待して鑑賞しました。しかしながら、実際にはただ高圧的な尋問が続くだけで、物語としてのひねりや意外性、オチといった要素がほとんどなく、正直肩透かしを食らった印象です。テーマ自体は面白いのに、演出や構成が単調で非常にもったいなく感じました。
また、少し個人的な意見になりますが、最近ではマナーを守らない外国人観光客の増加が問題視されることも多く、見る側としては「これくらいやってもいいのでは?」と感じる場面もありました。作品の出来とは別に、現実の社会問題にも通じるテーマとして、考えさせられるものはありました。
根掘り葉掘り
すごいしつこく聞かれるんだなあ。
ずっと尋問の場面が続くので、ちょっと飽きたというか見てるこっちも疲弊したが、上映時間が短いため耐えられた。タイトルそのまま最初から最後まで入国審査の映画。
でもあのぐらい厳しくないとダメなんでしょうね、アメリカなら特に、とは思う。
海外旅行に久しく行ってないが、確かにNYの空港は緊張した覚えがある。
他国への入国が、そんなスルッと簡単にはいかないよーという各方面への警鐘にはなる、か?
人のバックグラウンドが徐々に明らかになり、人間関係に変化をもたらすという点では面白かったです。
実際、どれぐらいの人が第二審査にひっかかっているのだろう。。。
原題:UPON ENTRY
実際に
入国審査はこんな感じなのですかね?こうなるとプライベートも何もないですね。トランプ政権下だと入国は厳しそうですもんね。別々で審査(尋問)されれば疑心暗鬼を生みますね。この二人はいずれ破局でしょうか。
問題は入国審査自体には無い‼️純粋な愛を信じるかどうかが分岐点‼️❓
まず、前提として、この映画の枠組みとなる移民認定の入国審査審査としては、この映画の入国審査の尋問には、違法性もなければ、適正かつ適切であり、必要な内容である、この事を誤解してる人が多い、2人の問題点は疑うに十分、監督の視点がどうあれ、このことは承知いただきたい。彼は移民認定に彼女を利用している、前の婚約者や彼の今までの経緯からそれは如実に現れている、断じて人権侵害では無い、専門家なら自明の事実。なら最後に認められたのは何故か。彼の愛は白黒断じられないから、疑わしきは権利優先、愛はある、その可能性があればそう判断する、それが行政機関のあるべき道。余談だが、純粋な愛が存在するか、打算は無いか、容姿はもちろん、資産、家柄、など、全て無視した愛があるだろうか、そう断言出来る人がいるだろうか、真のテーマはそこにある。しつこいですが、この入国審査に人権侵害は微かにもありません、私が保証します。だから、愛をテーマに、観てください、是非。
2時間に匹敵する77分
映画というと2時間というのが当たり前になっていて、なかには尺をふくらませたような退屈な作品も多いです。本作は77分。ムダを排除した監督はじめ制作者側に拍手です。
入管でのキビシイ尋問。されている二人も、我々観客も意図がよくわからない。なんでそんなこと聞くの?けれど、だんだん見えてくる。そうか、入管は偽装○○を疑ってるのか!偽装○○をすることによって、アメリカへの合法移民がしやすいと。なあるほど。ひどいプライベートなことまで聞きほじってくる。実体験が元らしいですけど、実際にそういうやつらがいっぱいいるんでしょうね。
内装工事かなんかの音が神経をいらだたせる。描写が秀逸です。
尋問によって思わぬ隠し事が知れてしまって、二人の仲も危機に。
疲れ切った果ての最後の一言が実にキイてます。
難を言えば、約1時間ずっとの問答場面はつかれる。中途にちょっとした別のエピソードを入れたらよかった。他のカップルが逆上して暴れるとか。
冒頭のペン
前の男性に借りたペンを返せていないのが気になった。貸した男性、2人が出てくるの待ってただろうに〜!
その後に審査官から「誰かに借りたものあるか」って聞かれた時「無いです」って答えてて…
おいおいおい〜ペン借りたやろ。その中に麻薬入ってたらどないすんねん〜
映画というより、入国審査の手順動画最悪パターンをみた気分でした。
タイトルなし(ネタバレ)
米国への入国で引っかかったスペインから来たカップル(アルベルト・アンマン、ブルーナ・クッシ)。
移民ビザを手にしていたのは女性の方。
事実婚のカップルだが、入国審査官(ローラ・ゴメス )は「偽装結婚」ではないかとの疑念を抱いた・・・
といったところからはじまる物語。
ま、入国審査官が「偽装結婚」ではないかとの疑念を抱いたのは審査がはじまってからかなり経ってからなのですが。
ある種、法廷物の変型といえるでしょう。
真実を探ろう、引き出そうとする審査官の質問で、隠されていた事実が浮かび上がってくる・・・という構造。
一般的な観光旅行では、まず遭遇しないでしょう。
あるとしたら、禁輸品の密輸。
知らないうちに、禁輸品を運搬していることになったり、とかでしょう。
なので、ハラハラするが、身に沁みるところまでは行かない。
そういう観客向けの演出として、審査フロアの改装工事を持ち込んでいる。
審査室外から聞こえる雑音騒音が苛立ちを増幅させるように。
なかなか上手い。
結末としては「意外な結末」かなぁ。
というより、「この後、このカップル、どうなるのだろう」という不安感を増長する結末。
悪くないシチュエーションドラマ。
試される2人の関係
主人公は2人のカップル。スペイン(カタルーニャ)のバルセロナから米国に移住を希望しています。普通に入国審査を通るかと思いきや別室に連れて行かれ、極めて個人的なことまでも尋問される羽目に・・・
一見、不条理劇風にも思えますが・・
カップルの女性は永住権を懸賞に当たったかのように獲得したダンサー。男性は元々ベネズエラ国籍であり、都市計画について学ぶも就職活動が上手く行かず、その女性と正規に婚約していない「事実婚」状態にあります。更には両人とも住居や職業は定まらず、資産も豊富ではない。
こういったことで入国管理から疑念がかけられてしまったようです。
特に、正規に結婚しておらず、男性の過去に婚約歴があって破綻していていたことが新たに判明したことで、永住を目的とした偽装カップルであるとも疑われることに。
観光旅行、一時的な商用、駐在、とは異なり、移住となればその審査は厳しくなり、社会的信用も深く問われることは当然でしょう。にも関わらず、主人公であるカップルは移住の目的や計画や展望があやふやであり、行き当たりばったり的な感じを受けました。特に男性が過去に婚約して移住を試みるも直前に破棄したり、現在敢えて結婚を選ばなかったりしたことが不利に働いたとも言えます。
特に大きな疑いは無いも、彼らの関係や繋がりは本当に確かなのか?ということで、プライベートに踏み込んでまで双方の真意を探るも、最終的に双方の真意に相違や偽りが無いと判断された、と信じたいものです。
ちなみに鑑賞中、SNS配信を積極的に行っている若い女性が一人で観光でハワイに行ったら服の多さや滞在先の曖昧さで娼婦を疑われて入国拒否されたり、ネット配信で利益を得ている(ビジネス)なのに目的を観光と申告したことで虚偽申告を疑われてしまった、というニュースをひたすら思い出させられました。
米国のように移民問題に苛まれている国にしてみれば、外国人、特に永住を望む者は必ずしも歓迎されるわけではないのも事実です。
それでも世界的に信用度は高いために、観光目的の入国審査の際、自動化されるなど手続きがスムーズであることを経験すると、日本人としてのありがたみや誇りをつくづく痛感するものです。
いいよ審査官、もっとやれ
ムーディーなオープニングから音楽ブツ切りでのタイトルの出し方が不穏で好き。
ディエゴの方はあからさまにオドオドなのに対し、エレナは強気。やましい事が無くとも極力フレンドリーに、心象良くしようとするもんだと思ってたけど、イミグレであんなケンカ腰な人も珍しいんじゃないか。
審査官が質問責めでジワジワと追い詰め、新事実が明らかになるたびに、おいディエゴよ...と。
ディエゴのやり口はありがちかなぁとは思うし、アメリカや日本のような、比較的自由な先進国では普通にあることだよなぁ。
留学中にアメリカ人と結婚した友人によると、結婚した後でも何度か面接はあるらしい。
結末は意外だったけれど、不要なサイドストーリーなどを削ぎ落とし、77分に収めたのはダレることがなくて良かった。
パンフ購入推奨
海外は観光ビザでしか行ったことがないため、楽勝で通過できるイメージしか無かった。
移民ビザだとあんなに厳しいんだな。まあ、米国内で不良移民になったら困るということだろう。
鑑賞中、カタルーニャ云々は全然ピンときてなかったが、政治信条の問題なのね。
パンフ読んで初めて分かりました。
一番印象的だったのは、男性審査官の「英語で話せ。」だった。
移民としてくるからには、英語ぐらい出来ないとだめだということ。同質性が試されている。
(ここで、女性審査官は顔のわりにすごい優しかった、ということが明らかに。)
一貫して米国で生きる覚悟が試されている尋問だった。
二人の関係は超複雑になって前途多難だけど
「合衆国へようこそ」→エンドロールの曲で「おめでとう!」は脳汁出た。
被害者視点での緊張感。描かれない国家の論理
公開1週間の週末に鑑賞。映画.comでの評価はあまり高くないので、空いてるかなと思ったら、有楽町の映画館はほぼ満席。賛否両論の映画なのかなと予想して見始めた。
観終わって、自分の中でも賛否両者が残る、どう捉えたらいいのか、モヤモヤする映画でもあった。
本作の監督はベネズエラ出身で、現在はスペイン在住。自身がスペイン入国審査で体験した出来事を発想の起点に、本作を作り上げたという。
主人公の38歳のベネズエラ人男性に、監督自身が投影されているのだろう。政情不安定な祖国を離れ、現在はスペイン在住だが国籍は取得できていない。
パートナーは34歳のスペイン人女性で、彼とは契約を交わした事実婚。この二人が移住先に選んだアメリカの空港で入国審査を受ける場面が、映画のほぼ全てである。
観終わった直後は、正直モヤモヤした。非人道的な扱いを受ける恐怖と理不尽さを訴える作品だと感じたものの、自分の経験や想像の範囲を大きく超える新たな発見がないと感じた。なんとなく監督が未熟に感じて、感想は書かなくてもいいかと思ったほどだ。だが一晩経って、なぜ引っかかったのか、少し整理できた気がする。書いてみたい。
入国審査は、多くの人にとって他国の権力と直接対峙する数少ない場だ。何も悪いことはしていなくても緊張する。自国とは異なる倫理やルールに晒され、何が“悪いこと”なのかが曖昧になるからだ。
入国審査の独特の緊張感は、自分も何度か味わった。何も悪いことをしていないのに、呼吸が浅くなる。あの感覚を思い出しながら観ていた。
過去の海外旅行では、多くの場合は職業的無関心。温かくサポートしてもらったこともある。逆に、理不尽で、あるいは差別的に感じる扱いを受けたこともあった。それを強く思い出した。
作中の二人は、国境を超える緊張に温度差がある。ベネズエラ人の彼は入国審査を前に恐怖を感じ始める。
スペイン人の彼女は無頓着だ。「私は世界のどこでも人道的に扱われて当然」という確信があるからだ。だが、その当然は裏切られる。
やがて彼女は、彼が過去に婚約していた相手の存在を知らされる。そして入国審査官たちは、それを手掛かりに「国籍取得やビザ目的で彼女を利用しているのではないか」と追及する。
彼の「君には僕のことはわからない。君には帰る場所があるけれど、僕にはない」というような、終盤のセリフ率直な彼の本音だ。祖国は帰る場所ではなくなり、スペインからさらにアメリカへと活路を探すのが彼の生き方。
しかしその言葉は彼女に、「利用されていたのでは」という疑念を決定的にする。二人は釈放されるが、残るのは「もう無理…」という感覚。「アメリカへようこそ」という皮肉な幕引きに宙吊りにされた気持ちになった。
改めて考えると、本作はきわめて現代的な物語だ。どの出自の人も等しく人間的に扱われるべきというリベラルな価値観は、いま揺らいでいる。
米国ではトランプ政権下で国境の壁や入国制限が強化され、ドイツではメルケル政権下の難民大量受け入れが社会を二分し、その後の選挙では極右政党の台頭を招いた。日本でも移民や国境管理の議論は敏感な争点になりつつある。
そうした現実から見れば、主人公カップルは無邪気にも映る。特に彼女は、国境の存在が薄いEU圏で育ち、「どこに行っても自分は自分らしく生きられる」という確信を持っている。しかし国家には国民を守る義務がある。そこには選別がある。その論理が最も露骨に表れる場所の一つが入国審査だ。
本作のもう一つの特徴は、描写の非対称性だ。
主人公の内面や背景は描かれるが、入国審査官たちは徹底して「人間性のない、役割の仮面」を被った存在として描かれる。彼らが何を背負い、どんな論理や倫理で動いているのかは全く描かれない。この非対称性が、観終わった後のモヤモヤの正体だったのかもしれない。
結果として本作は、理不尽さと被害者視点の緊張感を極限まで高める一方で、制度や権力の複雑さを省き、単線的な感情を残す作品になっている。
そこに掘り下げの浅さや未熟さを感じるか、意図的な作劇かと受け止めるかで評価は分かれると思った。
嫌な妙な後味
リアルな嫌な緊張感が半端なく、威圧的で不躾過ぎる尋問官に詰められる不安感に加え、どこまで夫を信用してよいのか段々と不安になってゆく展開も面白く、最後まで引き込まれました。
俳優陣も感情的になり過ぎない説得力のある演技で、緊張感や困惑が良く伝わります。
冒頭の仲睦まじい様子からラストシーンまで、ワンシチュエーションのサスペンスでコンパクトにうまくまとまっていたと思いますし、スパッと終わるラストの感じも個人的には良かったです。
疑うだけ疑って信頼関係壊してからウエルカムって言われても……。
結局無実扱いなのに不利益だけ被って、制度的にどうなんだと。
夫婦関係についても、結婚というのは多かれ少なかれ利害や打算のあるものだと思いますし、そこと愛情のバランスなのではと。
夫の打算を否定はできないけれど、愛情も全否定はできないような気がしますが、この状況で関係回復できるのか。
物理的にはハッピーエンドだが心理的にはバッドエンドというような、嫌な妙な後味が残るラストでした。
最後のオチが素晴らしい。
アメリカに移民として入国してきた夫婦だが、入国審査でスムーズに通れずに、別室に呼び出されてしまう。
個人的な経験では“観光”目的だった事もあり、イミグレーションはすんなり通れるイメージしかないんだけど、移民とかだとこういうこともあるのかなぁ。
それにしても酷い圧迫面接で、犯罪者の取り調べかと思わせるような厳しい審問が続くが、その中で夫の方に色々と隠していたことが徐々に暴かれていくのはなかなかスリリングだった。
2人の人間関係にヒビが入ってしまうような事実が取り調べによって明らかになってしまった最後の最後にあの残酷なオチ。
「これで入国審査は完了です。ようこそアメリカへ」
途中で少しもたつくところもあったけど、個人的には面白かった。
カップルに見て欲しい映画。
「バービー」じゃないが、見た後のお互いの感想次第ではその後の関係をどうするかの試金石になりそうな映画である。
9.11直後、アメリカはすべてのビザ審査を停止し、以降入国審査もかなり厳しくなった。その余波はアメリカだけでなく他の国々のビザ審査にまで及んだ。そのせいで留学や移住が延期、キャンセルになり、
人生が狂わされた人々も多い。
別室に連れて行かれ、審査官に入国の目的、家族や職業、どこに住むのか、他の国じゃだめなのか…など質問されるのはまだわかるが、携帯パソコンを没収され体中を検査され、水や薬も自由に飲めず、何故こんな人権侵害すれすれの扱いを受けなければならないのかと憤るカップル。
実際に海外で就労ビザを申請したことがある身としては移民審査官の質問に胃を痛めそうになりながら見た。
家族や職業などだけならまだしも、途中からカップルの片方がベッドのどっち側に寝るとか、過去の交際相手など、二人のプライベートにまでずけずけ踏み込まれ、しまいにお互いの知らなかった不都合な事実まで明らかになって二人の雰囲気は最悪に。
とはいえ、審査官の気持ちもわかる。ビザ目的の結婚(事実婚含む)は多いし、移住目的で入国する移民が多いからだ。海外に数年住んでいたが、移民を目指してた現地邦人の間でも、現地の人とカップルになるのが一番早いとか、仕事よりパートナー(彼氏or彼女)を見つけろとか、3万ドル積めばアジア系の現地人が偽装結婚でビザサポートしてくれる、とかよく言われたものだ。(本当かどうかは知らんが)
職業や給与、スキルと違って、愛は客観的に証明不可能だ。しかしビザを持つパートナーの証明さえ出来ればスキルも英語力も給与も必要ない。合法的にその国に住める。
そのため、移住目的の人間にとって、ビザを持っているパートナーは喉から手が出るほど欲しい存在なのだ、特にこの映画のディエゴのように、悲惨な母国からなんとかして脱出したい人にとっては。文字通り、ビザに人生がかかっているのだから。
本当のカップルでも、ビザ審査中は「パートナーが今朝履いていた下着の色」まで移民審査官に聞かれることもあると聞いて、「ビザ審査中は毎日下着をお互い黒に揃えよう!」と決めてビザ審査にのぞんでいる現地の移民カップルもいた。傍から見れば馬鹿みたいな質問だが本人たちは至って真剣にならざるを得ない。もちろん本人たちの証言だけでなく、生活費が引き落とされている共同の銀行口座の証明書、二人がデートや旅行で撮った写真、共通の友人の推薦レターなどの証拠書類を山ほど用意しなくてはならない。愛は証明できないがパートナーの証明は必要なのだ。
ちなみに別居しているなど共同生活の実態がない場合、例え籍を入れていてもカップルとはみなされない。日本の、籍さえ入れていれば単身赴任でも家庭内別居でも夫婦のベッドが別でも形の上では夫婦と見なされる制度とは違うのだ。この審査において、パートナーとしての生活実態がないとみなされる夫婦は山のように日本にいるだろう。良くも悪くも。(ちなみに南半球の某国では、別居2年以上経って夫婦としての生活実態がないと証明しないと正式に離婚も出来ない。良くも悪くも紙一枚で結婚も離婚もできる日本はある意味楽かもしれない)
より悲惨なのは、カップルの片方にとっては真実の愛だったが片方はビザ目的だったという場合。その場合、ビザや永住権が取れた瞬間に別れを切り出されて、故郷に本当の婚約者がいたというひどいケースもある。国によっては別れるときに財産を半分こしなければいけないので別れたパートナーに財産を半分持って行かれることになる。
そうなるよりは審査官に尋問で見抜いてもらうほうが傷が浅いとも言える。
だからこそ審査官も真剣だ。プライベートに踏み込んだ質問もして「相手はビザ目的ではないのか」「本当に相手を愛しているのか」「信用できるのか」と揺さぶりをかける。
まあこれも愛の試練と言ったところだろうか。パートナービザを申請したことのない自分としては他人事だったが、国際結婚や移住、パートナービザの申請を目指しているカップルは是非見て胃を痛めて欲しい。
あっけないラスト、そしてエンディングの歌といい、何とも皮肉が効いている。二人に爽快感はない。この二人がどうなるのかすら描かれない。
個人的には、抽選でグリーンカードが当たって、数時間尋問されただけでアメリカのビザが取れるなら正直羨ましい。何ヶ月も何年も何十年もかけてそれでも永住権もらえない移民が世の中には山ほど居るのだから。移民チャレンジしてた自分としては数日尋問されても良いので(アメリカではないが)永住権が欲しかった。セックスの頻度も答えるし審査官の前でサンバでもリンボーダンスでもいくらでも踊ってやろう。望む国の永住権がもらえるならそれくらいお安い御用だ。
どんなに努力しても、どんなにスキルがあっても、どんなにその国を愛していても、冒頭に述べたよう9.11で人生狂わされた移民が多く居たように、タイミング次第で得られないことがあるのがビザなのだ。
行き過ぎた正義は人を残酷にする
ちょっと前に英語もろくにできないのにイギリス旅行行った身としては他人事とは思えない内容。
作中の夫婦はコミュニケーションできるからまだいいけど自分が尋問される立場なら代理人呼んで天を仰ぐだけだど思う。
(ちなみにイギリスは無人でパスできるやつでした)
作中に戻って、移民審査なのに過去の女性遍歴やらセックスの回数やら根掘り葉掘り聞くのも実際にそうなのだろうか?
人権侵害であっても職務に忠実であるという正義の名の下で相手は重婚(しかけ)ていた政情不安定国籍の移民希望者であれば何しちゃってもオッケーな感じなのも強者の傲りみたいなのも胸糞展開。
そしてオチも落語のサゲみたいなカットアウト。
エンドロール後にその後談的なものもなく後味の悪さとモヤモヤのまま終了。
離婚したら入国管理官のせいだと言ってもバチは当たらないと思う。
氷河期世代前後の方なら共感いただけるかと思うけど就活で圧迫面接された後に内定もらったみたいな。
誰が行くもんかと思ってしまう。
そんなお話でした
Passport
移住のために受ける入国審査でのトラブルを描いたという視点が気になりましたし、上映時間のコンパクトさも良さげだなと思い鑑賞。
尋問、尋問、尋問、といった感じで息が詰まるような77分でした。
自分はまだ海外に行った事がないのでこういう事が実際に起こっているのかなと思うとゾッとしますし、圧をかけられるのが苦手なのでとにかく気分がズーンとするのも特徴的でした。
初っ端からちょっとした違和感を感じさせつつ、なんやかんやで入国審査までたどり着く事実婚のパートナーの2人が検査で引っかかって個室まで連れて行かれての入国審査がスタート、ここまででも警備員やスタッフの圧が感じられるのですが、個室に入ってからはもう圧迫面接じゃないですか…ってくらい詰められるのでまぁ〜心臓に悪かったです。
飛行機に乗っているところから微妙に行動をしていたりするんですがほとんどは関係なく、密室で起きる外的要因なトラブルも特段関係無いので、映画的盛り上がりのためのアクションはちとイマイチだったかなと思いました。
これまでのパスポート含め、なぜ移住をしたいのかあたりまでを聞くのはそりゃ当然だよなと思いつつも、どんどん質問はエスカレートしていき、それでいてプライベートにもズカズカ踏み込んでは荒らしまくっていくので中々にタチが悪いです。
あんな事そんな事まで聞いて2人がギスギスしていったり、なんか踊らせてみたり、実体験でこんなもん経験したら移住するどころか旅行するのも嫌になってしまうよ…ってくらいキツいものがありました。
ラストはあっさりと、だけど強烈なまでに理不尽な終わり方。
これを狙いすましたかのようなラストだったので肩透かし感はありましたが、何気ない質問の連続で関係性がギクシャクしたまま入国とかいやらしすぎるわ〜となりました。
エンドロールにあっという間に突入していくので呆気に取られたのもまた事実です。
ワンシチュエーションものとしては短い上映時間のはずなのに体感がとてつもないくらい長く感じましたし、アンビリーバボーを見ているかのような淡々とした感じは好みが分かれそうですし、実際あんまし好きでは無かったんですが、一種の擬似体験と思うと良い経験になったかなと思いました。
いつかはアメリカに行ってみたいもんですが、別に大した隠し事は無いのでサクッと入国させてくれることを願います。
鑑賞日 8/4
鑑賞時間 16:05〜17:25
期待を爽快に裏切る佳作
スペインからアメリカへの移住を試みたカップルが、アメリカの空港で入国審査に引っかかり、思わぬ窮地に追い込まれる様子を描いた77分の佳作。コンパクトながらも密度の濃いストーリーで、観る者の予想を良い意味で裏切ってくれる一作でした。
登場するのは、スペイン人女性のエレナと、スペインに在住するベネズエラ人男性のディエゴ。特に、スペイン在住ながらも中南米出身というディエゴの背景が、ストーリー上の重要なポイントとなりました。
舞台は第1次トランプ政権下。現在の第2次政権と比べればまだマシだったようにも思えますが、当時もメキシコ国境の壁建設やイスラム教徒排斥など、排外的な政策が世界を唖然とさせていました。そのため、予告編やチラシの雰囲気から、トランプ政権の理不尽さを告発し、人権の大切さを訴える社会派作品なのかと期待させる作品でした。
実際、エレナとディエゴが別室に呼び出され、尋問を受けるシーンは、まるで自分の身にも起こり得るかのような恐怖を感じさせます。しかし物語が進むにつれ、この作品の本質はトランプ批判ではなく、「秘密を抱えた男の心理と、その綻び」を描いたコメディであることが見えてきます。この意外性こそが、本作最大の魅力でした。
特に見事だったのは、恐怖を煽る伏線の張り方。空港に向かうタクシーの中で「パスポートがない」と慌てるディエゴ(実際は持っていた)を皮切りに、機内の化粧室で怪しげな液体を飲んだり、入国審査の列で税関申告書を失くしたことに気付き、順番待ちをしていた男性にペンを借りて記入したりと、どこか引っかかる行動を重ねていくディエゴ。その一つひとつが観客をイラつかせつつ、何か恐ろしい事態の前触れではないかと不安を掻き立てます。
「この2人は本当に移住できるのか」、「ディエゴは何か犯罪に関与しているのでは」、逆に「犯罪に巻き込まれるのではないか」と、観客の想像が広がる中、尋問時に登場する警察犬や、「他人から預かったものはないか」という質問を受ける2人。ところがそれらはすべて肩透かしに終わります。
そして物語は予想外の方向へ。なんと、入管側の調査の結果、ディエゴがエレナのほかにも別の女性と付き合っており、しかも婚約までしていたことが判明。次々と嘘を重ねて取り繕おうとするディエゴの姿は滑稽で、人間の浅はかさや哀れさが笑いに昇華されていきます。傷ついたエレナが、自分はビザ取得のために利用されたのではないかと動揺する様子も切実で、共感を誘いました。ディエゴの真意がどこにあったのかは最後まで明かされないものの、その「頭隠して尻隠さず」な行動こそが、本作のコメディとしての核心だったように思います。
さらに、本筋以外でもユーモアが散りばめられており、特に空港事務所での設備工事という“舞台装置”が秀逸。尋問の最中に響いてくる工事音が次第に大きくなり、最終的に停電にまで至る展開には、思わず吹き出してしまいました。
そして迎えるエンディング。エレナは無事に入国許可され、ディエゴは強制送還かと思いきや、まさかの2人同時入国許可。この期に及んで「2人揃ってアメリカに入れるって、一番気まずいやつじゃん…」と心の中でツッコミながら、劇場を後にしました。
そんな訳で、サスペンスと思いきや、コメディだったという見事な仕掛けに敬意を表し、本作の評価は★4.2とします。
期待してたのに拍子抜け
通常の観光等ならこんな事は常時あり得ないだろうが彼等は移民だから厳しい審査を受けた再現ドラマ的な話?
結末はどうなるかと思ったが別にテロリストや何ら怪しくもない一般人でラスト合格ですとシラケ
尊厳が踏み躙られる
入国審査の後、理由も説明されずに別室に移動させられ、携帯の使用も飲食も許されない。想定時間もわからない。次の便の乗り継ぎができるかもわからないし、約束したいた相手に連絡も取れない。
この時点で空港スタッフの不誠実さを感じましたが、その後の尋問がさらにひどい。
嘘をついたら大きな罪だ、という前置きの後に畳みかるようにプライベートな内容を質問される、、、。
国の危険因子を排除するという目的はわかりますが、権力を振りかざして尊厳を踏み躙っていい理由になるのでしょうか。
最終的に2人は密売人でもテロリストでもなかったですし、エレナなんて一切の非がなかったじゃないですか…。
正義という大義名分にかこつけて、そのための犠牲だから仕方がないと片付けられたくないなあと思います。
でも検査官も国のために心を鬼にせざるをえないのかな〜。
そういうの平気な人が任命されるのか、慣れていくのかわかりませんが、人を疑い尋問にかける側の心にも相当なダメージいくんじゃないでしょうか。
オイラも米国の2次審査室経験しました
テレビの再現VTRを見ているような作品です。
日本人には少しピンとこない移民問題?に関連してアメリカに入国できるかどうか?という話。
実際オイラも米国入稿時に2次審査室なるまさに映画の中そのものの陰湿な部屋に回されたことがあります。オイラの場合は5分程度で呼ばれ「なにしに米国に来たのか?」と聞かれた程度ですぐ解放されましたけど、あの雰囲気はなかなかのものです。
確かに面白い題材ではあるものの確かに拡大公開にはならない作品ですな。
最後どうなるかと思いましたが、あんなに侮辱されてたのに「ようこそ米国へ」ですか。
全54件中、21~40件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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