入国審査のレビュー・感想・評価
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外国人問題がクローズアップされる今、グッドタイミングな映画です。
もし自分の身に起きたら… 😱
久しぶりに心理的に怖いと思える(ホラー等とは別物の)作品に出会った。
自分がこれまで何回「入国審査」を受けたか正確には覚えていないが、あちこちの国で少なくとも60回程度は受けているはず。その内、米合衆国が最多で20回以上を占めている。審査官は仏頂面で機械的に作業を進める者も多いが、フレンドリーだったり、逆に意地悪だったりすることもある。いずれにせよ、審査カウンターの前に立っている自分はまな板の上の鯉の如く無力で相手の言われるがままに答えたり、指紋を取られたりする。
幸いこれまで別室に連れて行かれたことはないが、狭い部屋に閉じ込められて尋問を受けてたりしたら、自分ならきっとすぐに心が折れて、何もしていなくても「ごめんなさい!」と言ってしまいそうだ。
しかも、尋問への応答をどう判断するかは審査官の胸三寸次第となれば、これは確実に公権力を笠に着た暴力に他ならない。
エンディングで頭に??マークがともったのだが、ひょっとすると公権力に対して納得いかない理不尽さを表現しているのかも知れない。
本作で描かれているのは第一期トランプ政権下で国境に壁を作る云々と騒いでいる時代設定。第二期になってますます公権力による暴力的行為がエスカレートしている現代のアメリカに行きたいとはまったく思えなくなっていたが、鑑賞中どんどん自分の胸が締め付けられていき、さらにその思いが強くなった。
そう、普通に旅行で訪れた日本人の若い女性が売春疑惑で別室審査を受けたという話も少なくないことからも分かるように、作中でのディエゴとエレナの体験は、実は誰の身の上に起きてもおかしくない現実があるのだ。
ショートムービーかな?
恋人たちの過去を入国審査官があからさまにする。というシチュエーション、男をスノッブ、女を家庭環境から自立していない設定。
シネマ鑑賞には、いつもスクリプトを読んでから観ることことにしています。
もちろん、英語翻訳ソフトでも著作権の問題で概略の内容にはなります。
本件はAIに検索したところ、約70%がスペイン語等で英語の部分は少ないものでした。
粗なストリー;恋人たちの過去を入国審査官が質問攻めでお互い隠してしたことが、あからさまになる。
というシチュエーション。男をスノッブ、女を家庭環境から自立していない設定でストリーが進んで行く。
女性審査官が男の深層心理を鋭く掘って行き、彼の本心を尋問する。別室で女の不安定な生活力を突いて行く。審査が終わった二人の心はそれまでの二人ではない。『この後の二人の関係は修復しようがない。』
と個人的に思った。特に女性側、男性はなんとかしたいという、役者の表情がとても上手かった。
合法でもグレーゾーンはある
背負っているもの
よし、人権侵害で訴えよう
実はコメディ? よくできた佳作だとは思うが 映画より短篇小説向きでしょ
まずは、私が個人的に聞いたお話から。出張中の北京でたまたま知り合った ある日本のビジネスマンと、日本に帰国するフライトの時間が近かったかなんかの理由で、空港までのタクシーに同乗し、車内で1時間ほどおしゃべりして過ごしたことがあります。彼は海外出張に関してはかなりの猛者で、日本を拠点にしながらも世界中をあちこち飛び回り、パスポートの有効期間中に入出国のハンコを押すページが足りなくなって増ページするほどの企業戦士でした。で、その百戦錬磨の強者ビジネスマンがアメリカでの入国審査で別室に連れてゆかれて、こってり油をしぼられたとのこと。実は彼は直近ではイランを相手にした商売のプロジェクトで忙しくてイランに何回か入出国を繰り返した後、アメリカに入ろうとしたのでした。”On business” の一言では許してもらえなかったんですね。この日本人、最近やたらと我々にとっては敵対国であるイランに行ってる、おまけに入国した国もやたらと多い、怪しい、といった感じだったのでしょうか。で、入国目的であるビジネスの内容をしつこく何度も訊いてきて矛盾がないか確認するような感じだったそうです。こっちは個人、相手は国の代表で恐らくはマニュアルあり。こっちにとっては英語は外国語、相手は英語ネイティブ。まあなんとか切り抜けて入国したそうですが、なんか嫌な体験だったみたいでご同情申しあげてしまいました。彼はアメリカ以外の国ではそんな嫌な思いをしたことはないとのことでした。まあ、でも、思い起こせば、9.11 からあまりたってない頃の話だったので、そんなこともあるだろうな、多少時間がかかっても仕方がないかとも思いました。
この作品では単なるビジネスや観光での入国ではなく、移民が絡んできます。合法的な移民に見えても実は計画的に法の網をすり抜けて入ってこようとする人たちもいるみたいで(そのことに関する是非については我々がとやかく言うことではないと思いますが)、それを取り締まるのも入国審査官の役目というわけです。本作ではそんなグレーゾーンにあると思われる入国者に対して、入国審査官が別室に呼んで訊問して揺さぶりをかけてくる様子が描かれています。訊問の対象者はスペインから入国しようとしていた男女のカップル。そのうちの男性のほうが言われてみればなるほど怪しいなあ、でも単にいちゃもんをつけられてるだけと言えなくもないよな、あたりのグレーゾーンにいて審査官に揺さぶりをかけられます。私が最初に例をあげた日本人ビジネスマンなら、どんなに揺さぶりをかけられようとも自分の出張目的を正直に淡々と説明するだけでよかったのですが(何回も同じことを説明するのは疲れるにせよ)、彼の場合は指摘を受けたことに対して多少は心当たりがあり(たぶん)、気弱な性格(たぶん)なこともあり、かなり動揺しているように見受けられました。そんな過程で連れの女性に意図的に隠してきた(たぶん)彼のある過去がその女性の知るところとなり、女性の男性への信頼が揺らぐこととなり……
そして、尋問は終わり、カップルの間には気まずい空気が流れ…… そうこうしているうちに物語は突然の大団円を迎えます。なかなかうまいオチのつけ方で、思わず「座布団一枚」と言いたくなります。ただ映画としてはどうなんでしょう。よくできたお話なんですが、実はもっと短くできたのに引き延ばして上映時間77分の劇映画にしたような印象を持ちました。これだったら、30分くらいの入国審査にまつわるお話を3篇ほど集めてオムニバスにしたらどうかと思ってしまいました。楽しんでおきながら、わがままでどうもすいません。
このお話って、つまるところ「語りもの」のような気がしました。それこそ、最初に例を出したような、旅の同行者に「昔、こんなことがありましてね」と語り聞かせるようなお話です。この映画で入国審査を受けたカップルの女性のほうが10年後に空港の待合室でたまたま居合わせた人に、10年前にニューヨークの空港で体験した入国審査の思い出話を語るというストーリーの短篇小説はいかがでしょう。この小説では映画では描かれていない、ちょっと気になる「その後」も描かれます。
「あれがあったから、私たちは……」彼女は飛びたってゆく飛行機のほうに視線を移して続けた。「そういうことってあるのよね」
むしろ不法移民を受け入れたくなった
「入国審査」を題材にした、よくできた密室会話サスペンスを想像していたら、全然違った。
「借りたままのボールペン」「妻の糖尿病」「ずっと鳴り響く工事の音」など、あからさまな伏線にしか思えない要素が、終盤に絡み合って事態が解決するんだろうなと思っていたが、最後まで観ても本筋と関係ない。
それが逆に新鮮だった。
この映画は「入国審査」をリアルに体験させるような映画だった。
ただし、普通の「入国審査」ではなく、移民を目指す人への差別的な「入国審査」を疑似体験させる映画。
ちょうど今現在映画館で上映している『アイム・スティル・ヒア』の、軍人による取り調べシーンだけを77分に引き伸ばしたような内容に感じた。
海岸旅行と縁がない人間なので、スマホのパスワードを教えるように言われて伝えたらIT部門の人間がスマホを徹底的に調べ始めたり、性行為を週に何回しているのかを尋ねられる場面を観ていて、「海外旅行なんて絶対行きたくない」という気持ちになった。
職員が性生活に関する質問をする場面で、伊藤詩織さんが性暴力にあって警察に行ったら処女かどうかを尋ねられた話を思い出した。
スペイン人は移民として認めるがベネズエラ人は認めない。
このままだとベネズエラ人の夫ディエゴが移民してきてしまうので、それを阻止すべく、移民ビザを持っている妻エレナと別れさせようと、アメリカの職員たちが奮闘する話。
そのために行われる、心を踏みにじるような尋問の数々。
観ていて職員たちのことが蹴りたくなった。
ネットで調べたら尋問とは「口頭で問いただすこと」とのこと。
職員たちが夫婦にやっていることは尋問というより洗脳に近いと感じた。
近年のトランプ大統領が行なっている大規模な移民排斥のニュースを見るたびに酷いと思いつつも不法移民ならしょうがないのかな、と思っていたが、この映画を観てその考え方を改めようと思った。
人を騙すことはダメなことだが、彼らの中には「不法移民となるか、いつ命を落としてもおかしくない環境に居続けるか」の二択しかない人もいるわけで、そういう人が不法移民になるのも仕方ないのでは、と思った。
例えるなら、ネグレクトの親に育てられている子供がまともに食事を出してもらえず、空腹のあまり食料を万引きしてしまった場合に、罪を犯していたとしてもその子供を責めるのは違う気がした。
職員側(さらにいえば移民難民に反発するような多くの人)の理屈としては「貧困で移民難民になりたがる人間は悪さをするに決まってる」ともしかしたら考えているかもしれない。
この映画に出てくるベネズエラ人の夫ディエゴは弱い人間だとは思うが、悪い人間には見えなかった。
職員が急遽いなくなり、部屋で一人きりになったディエゴの取る行動はダメすぎではある(ずっと重苦しい雰囲気が続くこの映画で唯一の笑える場面)。
しかし、彼はベネズエラからスペインに渡った後、一生懸命勉強し、真面目に働き、だからこそそんな彼を見ていたエレナは、国籍の違いを乗り越え、親の反対を押し切り、事実婚を結んだわけで、その時点で悪人には思えない。
世の中に蔓延する、国籍で人間性を決めたがる病魔にはうんざり。
最初は威勢の強かったエレナが、職員たちの尋問によって、震えながら涙が止まらなくなるまで精神的に追い詰められていく。
しかし、職員たちの最終的な要求に対し、エレナがどう応じたかは、この映画ではカットされている。
最後の場面で「入国審査」といえばお馴染みのあのセリフが出てくることで、エレナが職員たちに対してどう応じ、ディエゴに対して本当はどう思っているかがわかる演出になっていて、上手いし感動的だった。
一瞬そのセリフの真意が理解できず呆気にとられる夫婦の表情もたまらないものがあった。
入国審査で試される夫婦の疑念
入国審査という誰もが少し不安に思う手続きを題材に、スリリングな密室心理サスペンスとして描いた発想と手腕がすばらしい。
スペインからの移住でニューヨークの空港に降り立ったディエゴ(アルベルト・アンマン)とエレナ(ブルーナ・クッシ)の事実婚のカップルが入国審査でパスポートを見せると何か問題があるらしく別室に案内される。そこから始まるのは冷徹な審査官によるプライベートを抉り出す尋問(職務を全うしているだけなのだが)。
夫のディエゴはベネズエラ出身でその過去が移民の目的が問題になったようだ。そして尋問される中で妻に伏せていたある秘密が暴かれていく。
この映画が初監督作だというアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケス両監督は登場人物も少なく単調になりがちな密室劇をカメラアングル、サウンド、スマホ、英語・スペイン語の使い分け、あえて音楽を廃すること、編集などを駆使し、手に汗握るサスペンス劇に仕立て上げた。特に音の使い方、とりわけ夫の不安を煽るような工事音の使い方が秀逸。
移民の国アメリカが移民に厳格になる皮肉的な現況とそれでも夢を追いやってくる夫婦の愛が本当なのか手段なのか?入国審査という限られた舞台に社会性、夫婦愛を秀逸に描き込んだ本作が各国の映画祭を席巻したのも納得だ。
ん?え?あ?で?〇?✕?
ようこそ、アメリカへ!
こんな終わり方か…と思った。
そして、Congratulations♪と歌が流れ始めて、これはブラック・ユーモアだったのだと理解した。
アレハンドロ・ロハス、フアン・セバスチャン・バスケスという二人が共同脚本・共同監督のスペイン映画。このコンビは、これが長編デビュー作とのこと。
自主制作のような低予算・短期間で制作されているのだが、なかなか大胆な映画だ。(安普請であることは明白)
本国では配信用コンテンツだったらしい。
ある男と女がタクシーの後部座席にいる。男がパスポートを忘れたかもしれないと、タクシーを停車させる。夫婦らしきこの男と女は、二人でアメリカに移住しようとバルセロナを発つのだが、バルセロナのパートはこのタクシーの中だけが舞台で、既に男の挙動に違和感がある。
道中、旅客機の中だけが舞台。ここでも男の挙動を追うが、何かが起きそうで起きない。
そしてニューヨークに着く。ここからは空港内だけ、というよりほとんど入国審査の取調室と待合所が舞台。
徹底した節約ぶり。当然だが、ニューヨーク・ロケなど行われていない…と思う。
何が引っかかったのか、男と女は入国審査官に個室で尋問されることになる。審査官は男と女の2人。ほぼこの4人だけの密室会話劇が展開する。
…そういえば、2組の夫婦による密室会話劇『対峙』(’21)というアメリカ映画は傑作だった。
高圧的な審査官が繰り返す質問で男と女の背景が段々と見えてくるのは、前述の『対峙』も巧みなセリフ構成だったのと同様に、脚本が巧みだ。
男と女は事実婚の関係で、それぞれの国籍は違うのだった。
ビザの取得やグリーンカードの申請についての質問から、入国審査に無関係に思える内容、さらには男の過去にまで質問が至り、神経を逆なでして追い詰めていく。
本当に何もやましいことがないなら、こんな理不尽で恐ろしいことはない。
たが、必ずしも清廉潔白とは言えないのではないか、と見えてくるのだから、観ている側にとっても怖い。
男と女は途中で分断されて、1人づつ個別に尋問を受ける。
ここからがさらに怖い。
女が横にいる場であえて男に質問し、今度はお互いが見えない場で質問するという、狡猾な尋問で揺さぶり続けられる、男…と女。
最初に違和感があった男の挙動。ニューヨークの入国ゲートの列では過剰なほど不安げな様子だ。
列の前に並んでいた男も何かありそうだったり、別室に移動させられたその待合所で同じように待たされている人々が妙に無気力に見えたり、天井の何かの工事が行われていてその騒音が遠くにかすかに聞こえたり、なんとなく不安を煽る演出が随所にあって…怖い。
男=ディエゴ役のアルベルト・アンマンはアルゼンチンに生まれ、軍事独裁政権を逃れてスペインに渡ったという。
女=エレナ役のブルーナ・クッシはスペイン・バルセロナに生まれ育ち、モダンダンスンの経験があるという。
この二人の役者の背景が、役のキャラクターにそのまま反映しているようだ。
さてさて、この取り調べを受けたことで変化が起きた二人にとって、極めて事務的に係員から告げられた審査結果が、吉と出るか凶と出るかは映画の先のまた先にならないと判らない。本当に怖いジョークだ。
斬新ですね
こっちも緊張
やられたーーー!
77分の小気味よい長さの作品。
しかし、この長さに関係なく大変濃密な会話劇を
見せてくれます。
ほとんどワンシチュエーションの舞台で繰り広げられる
入国審査というイベントを通した人間模様と、
「一体真実は何処にあるんだ?」
と、どんどんどんどん引き込まれていきます。
最初の目的が時間が経つにつれ変わっていく様が
見事です。でもって、そもそもその目的が形骸化して
結局もたらされる結果に大いなるサスペンス要素と
エンターテイメント性を感じることができる一本です。
派手じゃない、予算も少ない(ハズ)、けどね
こんなに面白い作品が作れるんですよ!の見本のような
作品でした。
どうぞ!ランチ前にディナー前に、時間がポンと空いてしまった
昼下がりにご覧いただきたいです!
見事なエンディングです。
この人何?を考え続けたい人におすすめ
事件が起きるわけではないが
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