「Welcome to the United States!」入国審査 Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
Welcome to the United States!
7月が誕生月だったのでSMTから1回限り1,100円で見られる誕生月クーポンが来ていたのをすっかり忘れていた。有効期限は2ヶ月で8月29日まで。土日は使えないという事だ。他劇場からも誕生日クーポンが来ていたが、こちらは期限が誕生日から2週間だったので使わずじまい。
8月29日(金)
本日から上映5週目に入り1日1回上映になっている「入国審査」を誕生日クーポンを使用して新宿ピカデリーで。
グリーンカードの抽選で移民ビザを取得したエレナは、事実婚の相手ディエゴと移住するためにバルセロナからアメリカにやって来る。
ニューヨークの空港で入国審査を受けるが、二人は二次審査の別室へ連行され、女性審査官から尋問を受ける。何故入国出来ないのか?何の説明も無いままに質問される。「貴方が入国出来るかは私の裁量なのだ」と彼女は言う。質問に答えない訳にはいかない。
最初は女性一人だったが、男性審査官も加わり二人となる。理不尽と思われる尋問は何時間も続く。時には個別に。携帯電話の使用も許されず、トランジットの便の時間も過ぎる。
尋問が続く中でエレナが知らなかったディエゴの過去が明らかになって行く。
バルセロナを出発する時からパスポートを忘れそうになっていたディエゴ。飛行機のトイレで入国審査での応答の練習をしていたディエゴ。ディエゴは審査に必要な書類を失くし、審査前にエレナは書類を書くが隣のカタルーニャ語を喋る男性からボールペンを借りる。順番が来てボールペンは借りたままになる。(誰と会った?という質問もあったから)これが後で問題になるのかと思ったら、そこは何も無かった。
ディエゴとエレナ、入国審査に入る前とは明らかに二人の間の空気は変わった。
そして、…。
高圧的な態度の審査官も彼らの仕事をこなしているだけなのだ。ベネズエラ国籍のディエゴが何故スペイン国籍取得を目前にアメリカに移住して来たのか?
アメリカの永住権を与えて良い人間なのかを冷静に判断しているだけなのだ。暴力を振るう訳でもない。
入国審査ってこんなだったっけ?と思ったら、私は米国本土へ入国した事が無かった。
新婚旅行で行ったオーストラリアも、観光旅行で行ったシンガポールも、仕事関係で行った中国、香港等も別室に連れて行かれた事などない。
本作には音楽が無い。隣室の物音や話し声、廊下の工事の音等ばかりである。空港で二次審査の別室へ移動する際に廊下で照明の工事をしているのをさりげなく見せる。これが後の伏線にもなっている。
そして、ラスト。この後の二人の関係はどうなるのだろう。
わずか17日間で撮影された低予算の映画だが、金を掛けなくても、限定された空間の中でも面白い映画は出来るという良い見本だと思った。
おまけ
昔の村田英雄絡みのギャグで「Sex?(性別)」って聞かれたから「週2回って答えたよ」っていうのがあったのを思い出した(本当は「そんな事まで聞かれるの?」だったらしい)。
日本では技能ビザで入国し、延長を重ねて10年経過すると永住出来るらしい。誰の裁量なのか。
おまけ2
友人が1974年に羽田からハワイに行った時、当時入国審査はアメリカ国籍でも白人と黒人は審査ゲートが別で、日本人は黒人ゲートに並ばされて入国審査を受けたそうです。
共感ありがとうございます。
村田英雄さすがです!コシノ3姉妹の母物語『ゴッドマザー』で大地真央が”最近してないから“0”って書いた”は館内爆笑でした。
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