「入国審査で試される夫婦の疑念」入国審査 kozukaさんの映画レビュー(感想・評価)
入国審査で試される夫婦の疑念
入国審査という誰もが少し不安に思う手続きを題材に、スリリングな密室心理サスペンスとして描いた発想と手腕がすばらしい。
スペインからの移住でニューヨークの空港に降り立ったディエゴ(アルベルト・アンマン)とエレナ(ブルーナ・クッシ)の事実婚のカップルが入国審査でパスポートを見せると何か問題があるらしく別室に案内される。そこから始まるのは冷徹な審査官によるプライベートを抉り出す尋問(職務を全うしているだけなのだが)。
夫のディエゴはベネズエラ出身でその過去が移民の目的が問題になったようだ。そして尋問される中で妻に伏せていたある秘密が暴かれていく。
この映画が初監督作だというアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケス両監督は登場人物も少なく単調になりがちな密室劇をカメラアングル、サウンド、スマホ、英語・スペイン語の使い分け、あえて音楽を廃すること、編集などを駆使し、手に汗握るサスペンス劇に仕立て上げた。特に音の使い方、とりわけ夫の不安を煽るような工事音の使い方が秀逸。
移民の国アメリカが移民に厳格になる皮肉的な現況とそれでも夢を追いやってくる夫婦の愛が本当なのか手段なのか?入国審査という限られた舞台に社会性、夫婦愛を秀逸に描き込んだ本作が各国の映画祭を席巻したのも納得だ。
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