「米国の入国審査の厳しさを感じる映画」入国審査 Toruさんの映画レビュー(感想・評価)
米国の入国審査の厳しさを感じる映画
監督自身がスペインに移住した際の体験にインスピレーションを受けて作ったというこの映画は、17日間という短期間の撮影、65万ドルという低予算で制作されたという。
ストーリーは、スペインからアメリカに移民するビザを手に入国するカップル。比較的スムーズに進んでいる窓口に当たりひと安心するも、別室に連れていかれる羽目に。
その後、長い待ち時間を経て個室に移動。審査官から執拗な取り調べを受ける。そのさまを淡々と描き続ける作品。役者たちの演技にメリハリがあり、最後まで引き込まれる。
3年前自分がニューヨークに行った際の入国審査、ESTA保持者の列で、自分の前に並んでいた日本人渡航者が、かなりの確率で別室に連れていかれたのを目の当たりにしていただけに、昨今のアメリカの入国審査の厳しさが、緊迫感とリアリティをもって迫ってくる。
入国審査に対する恐怖、その深層心理に訴えるサスペンスを77分にうまくまとめてあり楽しめたが、もう少し長めの尺で、もうひと捻りあると更に面白い気がした。
短期間で低予算でも引き込まれる作品を作れるという証。
コメントする
