「気づきを与えてもらいました」渇愛の果て、 しんさんの映画レビュー(感想・評価)
気づきを与えてもらいました
新宿K'sシネマにて初日に鑑賞。
ある夫婦の出産を巡り、当人たち・家族・友人・医療従事者それぞれが思い悩み、葛藤する群像劇。
主人公の女性に寄り添うだけでなく、彼女の夫とふたりを取り巻くそれぞれの人達の思いにしっかりフォーカスすることで、容易に答えの出せない問いを、人々がそれぞれのやり方で「何をすべきか」を探る物語に、「ひとつの正解を与えない」厚みのある作品になっていると思います。魅力あるキャラクターたちが時折みせるユーモラスな面も楽しいし、綿密な取材を重ねて、時に残酷な現実にもまっすぐに向き合い、ストレートに観客のこころに響く作品だと思います。
そして自分にとっては「知る」ことの大切さを改めて気付かされた作品でもありました。自分の知らないことはこの世界にはたくさんあるし、「知る」ことで自分の生きる上での選択肢もおのずと増えるし、相手にとって「ほんとうに良いこととは何か」を考えるきっかけにもなる。この作品を観たらきっと、そう思えるようになると思います。
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