「厳しい。」ゼーガペインSTA jimmyさんの映画レビュー(感想・評価)
厳しい。
TVアニメ放映当時からのファンです。前半の総集編は懐かしく、とても良いものでした。音楽もいい。リトルグッバイが流れたときは泣いちゃいそうになりました。しかし、長い。途中から、「え、この映画90分だよね?こんなに総集編やって本編どうするの?」という不安が心をよぎります。
そして、その心配は的中。後半の本編に入るも内容に一切ついていけない。エヴァンゲリオンと使徒みたいな敵が出てきたと思ったらまさかの肉弾戦。一体何を見せられているのかわからないまま敵キャラがこれでもかと出てきます。しかもなんかキャラクターがなんか昔のアニメのテンプレキャラといった感じで薄っぺらい。キョウだけでなく観客も困惑させようという演出だとしたら成功しているとはいいがたいです。いつの間にかキョウはなんか順応しちゃってるしね。
幻体のキョウがアルティール内の残滓という設定は面白かったです。でも…よく考えると、そもそも意識をコピーできないという設定だからこそ幻体のロストは死につながるというか、幻体でも生きているのだ、という話だったと思うんですが、そんな簡単に人格分離していいんでしょうか。リザレクションシステムで実体化したときに記憶思い出してますよね?記憶のダウンロード(?)みたいなのってなんでしたっけ…。それができるならいくらでもコピー作っておけばよかったのでは…。
オルタモーダの行動原理に関しては後で説明が入ります。でも…なんだろう、で?という感じ。キャラクターの掘り下げが少なすぎるんですよね。なんか勝手に来た人が勝手に暴れて、そうですか。という感じで。どういう気持ちで見ればいいのかわからない。鏡写しの宇宙という設定もなあ。まあ面白くはあるんですが、いきなりそこまで宇宙規模に話をぶっ飛ばされても唐突すぎて困ります。あと最後は結局何だったんでしょうか。
シズノに関してはまあいろいろ思うところはありますが…、きっつい言い方をするとアニメファンの妄想を具現化したような映像に思えちゃいました。いつまでもループする無限の命を捨てて有限だけれど変わりゆく未来を選んだはずなのにそっちはいつまでも成長できないんですかねえ。
というわけでまとめると、上映時間が限られているとはいえ登場人物の行動原理や心情が理解しがたい。また、SF設定も非常に甘い。アニメ本編に思い出補正がかかってたのかなあと思って一気見してみましたが、アニメは今見ても心情の描写は丁寧だし設定は破綻がほぼないんですけどねえ。どうもオルタモーダとかもパチスロからの流用らしく、そっちをやってればもう少しわかったんでしょうか。総集編と音楽はよかったので星1です。