「期待度○鑑賞後の満足度◎ 人類の愚行・汚点としてナチ映画は今後も作られ続けるだろうが、本作もあの狂った時代を切り取った叙情詩としてなかなかの出来。リザとの恋愛とラストの結婚式はフィクションだろうけど。」フィリップ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待度○鑑賞後の満足度◎ 人類の愚行・汚点としてナチ映画は今後も作られ続けるだろうが、本作もあの狂った時代を切り取った叙情詩としてなかなかの出来。リザとの恋愛とラストの結婚式はフィクションだろうけど。
※2024.06.30. 2回目の鑑賞。《MOVIX堺》
1回目の鑑賞の時、前半所々寝落ちしていたため今回がフルでの鑑賞。
①クライマックスの披露宴パーティーで(ドイツ人の)全員が「ハイル・ヒトラー」の姿勢でドイツ国家を斉唱するシーンはスクリーンならではの迫力と不気味さが拮抗する。
でも、日本も先の戦争ではコイツらと手を組んでいたしなぁ、と思うと複雑な気持ちになる(ユダヤ人迫害・虐殺の実態は知らなかったにせよ)。
②フィリップの様な人は沢山いたと思う。前線に出ている軍隊上層部の夫人達をSEXで骨抜きにして夫をひいてはドイツ民族を貶めるという復讐方法を取った者という意味ではなく、家族・恋人・友人を殺され復讐を誓った・願った人達という意味で。
ただ、殆どの人達は行動にうつすうつさないに関わらず収容所に送られて殺されただろうけど。
そうならなかった人達も隠れたり逃げたりした人々が殆どで、あとはレジスタンスや暗殺に荷担したか。
フィリップの様な復讐方法を取った者も中にはいたかもしれない。
でも、本当に大事なのは、そういうことをした人がいた、これは実話だ、ということではなく、人類が持つ負の部分(人類なんて元々混血で出来ているようなものなのに純血主義なんて馬鹿馬鹿しい考えに囚われることー日本人もそういうとこ有るよねー、自分の民族が他の民族より優れているという思い込みー日本人にもそういう人いるよねー、権力欲、覇権欲、驕り、不平不満を他社のせいにする、強いものには巻かれよ等々)が不幸にも積み重なればナチスドイツのような蛮行に走るということ。
それは決して過去の話ではなく未来にも起こるかもしれないし、イスラエル・パレスチナ問題もユダヤ人迫害の歴史がその要因の一つであるように未来に禍根・問題を残す。
願わくは未来に人類が愚行・蛮行を再び起こさないように、このような映画を作り続けて映画という形で語り継いでいかなくてはならない。
③ところで、リザ役の女優さん、キレイなうえにレイチェル・ワイズに似ているけれども、レイチェル・ワイズもドイツ系なのかしら。
現代のイギリス王家もドイツ系だからイギリスには結構ドイツ系の人が多いのかもね。