「復讐のジゴロ」フィリップ regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
復讐のジゴロ
ナチスに家族と恋人を殺されたポーランド系ユダヤ人青年フィリップの復讐劇。といってもターゲットは将校ではなくその妻達。夫と離れ離れになって生じた心の隙間に入ってNTRしていき、事後に素性を明かす。金品は貢がせない代わりにその心とプライドをズタズタにしていく、正に“復讐のジゴロ”。
本作の肝はナチス政権下におけるドイツ人女性の立場にある。政権を嫌って自由奔放にドイツ人以外の男と交わる者や、フィリップの素性を知ってでも恋人であろうとする者など、彼女達なりの自国への反発が描かれる。
原作が60年も発禁処分になっていたというのを宣伝文句にしているが、女を手籠めにしてきた男がおぼこい女性と出会って…というお話は手を変え品を変えていろいろあるので、正直インパクトは感じず。ただ、憂を含んだフィリップ役の俳優は、容姿は似てないけど若きハンニバル・レクターを演じた故ギャスパー・ウリエルを思わせた。
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