「吉沢亮の役者魂というか振り幅に驚く」ババンババンバンバンパイア kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
吉沢亮の役者魂というか振り幅に驚く
原作マンガは途中まで読んだことがある。マンガならではの設定とくだらなさでなかなか面白かった。これを実写映画化するってなかなかの勇気だと思う。しかも主演が吉沢亮。イケメンのバンパイアだから納得のキャスティングではあるが、こんなコメディ映画のオファーを受けるのかと驚いた。
銭湯に住み込みで働くバンパイアが狙うのは、銭湯を営む家族の一人息子。彼が童貞のまま18歳を迎えるのを心待ちにしている。しかも吉沢亮が演じるこのバンパイアが織田信長についていたあの森蘭丸という設定。板垣李光人演じる李仁の言動にいちいちキュンキュンする仕草や、原菜乃華演じる葵と蘭丸の会話のズレ方なんかが面白かった。
ただ、大声出して笑えるレベルではない(個人的感想だけど)。吉沢亮の過剰すぎる演技が少しだけ冷めてしまったのが一因。ここらへんはマンガを実写映画化する難しさだ。それに反して予想外に楽しかったのはアクション。メンディや満島真之介、眞栄田郷敦だちと戦うシーンが意外といい。しかも戦いの決着があまりシリアスではないところもよかった。コメディ映画なんだし、こんな感じでいい。
とてつもなくくだらない話なのに、吉沢亮のあの目力と真剣な表情でコミカルな演技をすることで笑わせるこの手法。なかなか悪くない。それにしても吉沢亮の俳優としての振り幅よ。「キングダム」や「国宝」があっての本作。役者魂を感じる一作だった。意外とヒットしてるようだし(事実私が観た回は、そろそろ上映が終了する時期だというのに満席)、話の決着もついていないから続編は十分あり得る。
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