ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
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失われてしまった子供時代の繊細な感性を思い出した。
69歳になってしまった私には、懐かしい感情を動きを感じた。この歳になっても心の奥に潜んでいるのだろう。
時代設定が今ではなく、1980年代だろうか。懐かしい風景と映像美だった。
運動音痴で吃音癖がある少年の初恋を描いている。アイスダンスで自信を持って行く過程は微笑ましい。普通なら、いじめの対象だ。アイスダンスのコンビ解消の原因が同性愛になっている。薄々は感じていたが、私には残念だった。
優しさと切なさの狭間
とても素敵な作品でした。
優しさと切なさがサクラとタツヤ
その狭間にいる池松壮亮
3人の孤独とそれでも生き抜く姿に
胸がいっぱいになりました。
初見ですがサクラ役の中西希亜良さん、スケートのシーンが
素晴らしかったです。
タツヤ役の越山敬達さんも、キャッチボールのシーンがとても素敵でした。
日本映画の素晴らしさを堪能した作品でした
ほのかな恋
アイスホッケーが上手くないきつ音の少年タクヤは、フィギュアスケートの練習をしていた少女さくらに惹かれていた。ある日、さくらのコーチで元フィギュアスケート選手だった荒川は、タクヤがホッケー靴のままフィギュアのステップを真似してるのを見た。タクヤがさくらに恋してるのを知り、タクヤを応援しようと、荒川は彼にフィギュア用のスケート靴を貸してあげ、練習につきあうことになった。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習を始めることになったのだが・・・さてどうなる、という話。
さくらは荒川コーチが好きだったからタクヤの相手をしてただけなのに、荒川はBLで男と仲良くしてるからコーチをやめてもらった、という事なんだろう。
で、タクヤのほのかな恋も終わり、荒川は生徒が居ないから別の場所へ移っていった、というストーリーなんだろうけど、まぁ普通かなぁ。
特に刺さる所がなかった。
さくら役の中西希亜良のスケートは経験者らしく綺麗だった。
ハンバート・ハンバートで落涙
景色や演技はどこか懐かしい、良い映画。
性的マイノリティの理解は進んできたとはいえ、子どもたちに理解を求める方法も意識も足りてないってことを実感。
池松、若葉の手だれを食う子役2人の好演。
まあ、いい映画だったなと油断したとこでハンバート・ハンバート。
落涙。
カップラーメンが食べたくなる
男とか女とか、大人とか子どもとか、そういうの関係なく、相手を好きになる気持ちや、尊敬する気持ちや、大切にする気持ちが、人を成長させるのかもしれないなと思いました。
北国の、あたたかな日差しを感じる映像、zombiesの音楽、切ないけど、優しい映画でした。
池松くんはいつもの?演技だけど、なんか、こう、脱力系で、優しくて、ちょっと悲しい演技がピカイチですね。若葉くんも、素敵でした🔰
タクヤとさくら、とってもみずみずしくて、キラキラしてた。タクヤのお友達が、とっても可愛かった^_^
キラキラ
もやのかかったような淡い映像にピアノ主体で大きな音のない穏やかな映画。
差し込む光、雪や氷の粒、純粋なタクヤとさくらがキラキラして優しい気持ちになる。
湖のシーンはロケーションがとても美しく、楽しそうな3人の関係が眩しいくらい素晴らしかった。
中盤までは予告編で期待した通りの好きな映画ではあったけど、まさかそういう展開ですか。
なんとなくうっすらそうなんだろうなとは思ったけれど、別にさくらに思わせぶりな態度だったわけでもなく、ただスケート指導をしていただけなのに、勝手に好きになって勝手に失恋したんじゃん、とも思ってしまう。さくらのどうにもならないもどかしさや苛立ちも分かるのだけど。
しかし、アレで察してしまうさくらもなかなか。
みんな帰った後の試験会場にポツンと立つタクヤの一言がおじさんには泣けてくる、変声期前であろう声だから余計に。
アイスダンス始めてからタクヤは自信もついただろうし、成長が見えるラストの表情が良かった。
予告編にもあった、1曲終わった後に友達が拍手をするシーン。冷やかすでもなく笑顔でパチパチ、すごく好き。
タクヤ役の子、キレイな顔立ちだなぁと思ったらスタダなのか、納得。
羨ましいくらい無垢で綺麗
少し前テアトルで見かけたポスターと、エチケットムービーで三人が演じてたのが楽しそうで何となく観ました。
そしてこれが素晴らしかった。
前情報がまるで無かったので作品に放り込まれたよう。
まず映像が澄み切っていてきれい、素朴なようですごい緻密な絵作りでした。
それと何といっても、光の入れ方が本当に美しいです。
主演の三人。そのうちの少年・少女タクヤとサクラがとても澄み切っていて、この光が一杯の世界にすごい溶け込んでいるんですよ。
二人が一緒にリンクを滑るシーンは、羨ましいくらい無垢で綺麗でした。
そしてそれをもう一人の主演、池松壮亮が二人をしっかりと支えていました。
そして彼を作品の真ん中に置いているのでしっかりしてるんですよ。
また劇中に流れる選曲が素晴らしい。ゾンビーズを始めどれも作品にとてもフィットしてるんですよ。
物語は些細な出会いを経て一つになったような三人の心。それは彼らの成長と共に段々とそれぞれの向きを変えていく。
冒頭から気になっていた車やカーステ・ラジカセにガラケーなどの少し古いアイテムに「男子スケーターなんて少なかったから」など、まだ「理解のない時代」って事なんでしょうね。
ラスト、偶然の再会からの鮮やかな切り方もため息が出ました。見事です。
そしてエンドロールで流れた、ハンバートハンバートの歌。
彼らの楽曲とタイトルが同じだと思ってたら、そのままでしたよ。
そしてここでこんなの流れたら、それはもう涙が止まらないでしょう。
あと静かで隣にいるような音の劇伴、あれもハンバートハンバート(佐藤)だったんですね。驚きました。
ふらりと観に立ち寄ったのですがこれはやられました。
本当、素晴らしかったです。
「伝える」ということの美しさを徹底して表現
「伝える」ということの美しさを徹底して表現した作品だと感じた。
言葉が出づらい主人公。その辛さ、苦しさを観客に追体験させることはなく。そのことを徹底的に肯定する姿勢が感じられた。
「伝える」ということは「言葉」だけが手段ではなく、あらゆる伝えた方があるし、全てが美しいことだということを映像の力によった感じさせられた。
余計なセリフは無く、美術や街の情景で十分に伝わるということ。
90分程度の上映時間だが、薄さは無く、すてきな余韻、メッセージが心の中に染み込む作品だった。
2024年視聴映画で一番でした
綺麗なものへ惹かれるまっすぐな気持ちは大人もこどもも同じで、生き物であれば光に吸い寄せられるもので。
『原始、女性は実に太陽であった。』と書いた平塚らいてう女史はその後に『今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような蒼白い顔の月である』と続けて女性の開放に尽力したといいます。本編における元プロフィギュアスケーター・荒川コーチのふとした時に見せる顔は、それこそ病人のような月光の人と感じました。美しく氷上で舞うさくらにも、彼女にまっすぐに惹かれ成長していくタクヤも、荒川にとってはまぶしい太陽そのものであったのでしょう。
本作は車やポスト、携帯電話の形状などから20年以上前の時代として描いていましたが、終盤での荒川への風当たりなどは現代においては描きづらい内容かなと。ただ見えないだけで確かにある『異なるものへの嫌悪』すらもまっすぐに描ける最後の時代でもある、そんな絶妙さがお見事でした。
作中、スケートをする間は2人や3人の世界を明確に表現していましたが、そこから一歩引いた場面場面では『この社会での当たり前』が多数描かれています。
劇場が明るくなったあとに、自分にも当たり前の先にあって、胸の奥にあるような、記憶の中の心を焦がすほどのお日さまのような人を思い出して涙が出てしまいました。伝えたい気持ちが伝わるといいなあ。
少年よ。人生いろいろあるけれど大丈夫。お天道様はついて回るからね。
おそらく小樽がモデルの港町。冬から春まで短い季節を切り取っている。思いつくまま3点ほど。
まず1つ目は登場人物。主要な人物はほぼ3人でフィギュアスケートのコーチの荒川と、彼に教わるさくらとタクヤ。
でもこの物語の主役はやはりタクヤであって、この映画は本質的にはタクヤ少年の一冬の経験を取り上げたものだといえるだろう。荒川とさくらは彼の忘れがたいエピソードを彩る脇役ということになるのだと思う。
2つ目は映像上の光の処理。常に太陽の光が満ちている。全編のうちかなりの尺を占めるスケートリンクは、常に、窓から入ってくる淡く、でも輝かしく、どこか懐かしい太陽光で満たされている。さくらのプログラム用の曲である「月の光」と連動もしているのだろう、でもこれはあくまで昼の光である。そして3人が、凍った湖で練習し、そのあと戯れるシーン。北海道の冬の太陽なのでそんなに強くはない。でも空は晴れて3人の姿を順光で、逆光で、明るく照らし出す。バック曲はTHE ZOMBIESの「Going out my head」。幸福感に満ちたシーンである。
3つ目は、全編で徹底される言葉の少なさ、静謐さ。荒川にとっては(彼を慕うタクヤにとっても)厳しい状況となってしまうのだが誰も声を荒だてず、静かに運命は進んでいく。
つまり、この映画は、タクヤが人生の早い段階で経験した成し遂げたこと、うまくいかなかったこと、受け入れなくてはならないこと、を優しい陽の光のもとで静かに静かに描いたものだと言えるだろう。
タクヤくん、最後になってもやっぱり言葉はうまくでてこなかったね。でもさくらにはもう一度会うことができたじゃないか。大丈夫。おひさまは常について回るんだから。
「杞憂」とはこのこと
奥山大史監督、聞き覚えがあるような?ないような??調べてみると、あ、『僕はイエス様が嫌い』の監督か。。U-NEXTで配信されていたのを気づいていながら、宗教物かな?と思って敬遠していたのですが、本作を観る前に鑑賞してみましたところ個人的には好みではなく。。と言うことで、本作次第では私にとって「微妙な立場」に立つ(「ナニサマ発言」ですが、個人の指標のため悪しからず)可能性を踏まえつつ劇場へ。TOHOシネマズシャンテの初日は思いのほか客入りまばら。私はポイントを使って鑑賞です。
まず始まってすぐ気が付くのが、『僕はイエス様が嫌い』同様にアスペクト比がいわゆるスタンダードサイズと言われる「1.33:1」。こだわりなのでしょうね。取り敢えず、シャンテは幕で調整したりはしないので左右は黒枠です。そして始まって間もなく、劇中の空に白くヒラヒラと何かが舞い、少年タクヤ(越山敬達)が一言「初雪だ」。ま、CGですよね。と言うことで、観ている私としては、この調子でまた「小さい神様」とかみたいのはやめてねと祈るばかりですが、、、先に言っておきます。大丈夫です。ちゃんと気温や体温が伝わってくるような作品に仕上がっています。
そして、観終われば第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出された意味も理解できる脚本です。なお、特にその点では“学生”であるタクヤとさくら(中西希亜良)の目線と時間軸で考え、90分という短めの尺が物語り全体の印象にもいい影響となっている気がします。そして、この二人が兎に角キラキラしてるんですわ。素敵すぎる。中西希亜良さんは英語、フランス語も出来るとのことなので今後の活躍の幅が無限大。迷わずチェックイン必須ですね。
一方、池松壮亮さん、若葉竜也さん、お二人して相変わらず良すぎます。まぁ、自然。二人の掛け合いはもはや役でやっているようには見えません。他にも山田真歩さんや、いつも遠目ではありますが流石の存在感の篠原篤さんなど粒ぞろいなキャスティングは、やはり商業映画としての力が入っていて見応えがあります。何なら、次回は是非、大人の映画をじっくりの内容、それなりの尺で観てみたい奥山監督。勿論、こちらもチェックイン済みです。
と言うことで、「杞憂」とはこのこと。しっかり堪能できました。光の演出がされた美しいスケートシーンを味わいたければ、是非、劇場での鑑賞をお勧めします。
思春期も美しい
エンドロールの途中から泣けてきた。
思春期の淡い想いや照れ、吃音のこと。男性同士の愛情への理解。今もあるのかなぁ、あるんだろうなぁと思った思春期女子の潔癖感。
雪の白さや、柔らかなお日さまの光が素晴らしい。暖かなお日さまが全て溶かして春が来る。繰り返し繰り返し。
この作品の池松壮亮さんは、とても姿勢が良く美しい。そして若葉竜也さんは相変わらず優しく強い。
普段は少年少女が主役級の作品をチョイスすることは無いのだが、今回は池松、若葉の両俳優が観たかった。
でもタクヤ役の越山敬達さんは可愛いかったな~。素敵な俳優さんだし、とても気持ちの良い余韻を残す俳優さんだ。
そして、とにかく私が好きだったのは、タクヤくんの友達。あの強く優しい友達。ずっとずっと、あのまま大人になって欲しい友達。
もう少し、続きを観たかった作品。素晴らしい!
素晴らしかった。
昨年観た怪物もそうだったが、荒川の視点、タクヤの視点、さくらの視点が分かりやすかった。
ちょっと痛みもあるけれど、荒川、タクヤ、さくらがフィギュアスケートを通じてタクヤのさくらの恋の応援も兼ねてスケートの指導をし、まさかさくらとアイスダンスをするとは思わなかった。タクヤとさくらもアイスダンスをするたびに呼吸がぴったり合ってさあ、これからと言うときにまさか荒川が?
さくらもタクヤも思春期特有の心情がスクリーンから伝わった。
作品全体を観ているとよくあるストーリーだなと思いがっかりしかけた矢先に、エンデイングのまさかのタクヤとさくらの再会は次どうなるだろうとワクワクさせてくれた内容だった。もう少し、この三人を観ていたかった。荒川役の池松壮亮よりもタクヤ、さくらを演じた子役の二人の演技が素晴らしかった。
考察しがいがある作品であるのは間違いない。
2024年年間ベスト邦画候補でもあり間違いなく5位まで入る。
ナミビアの砂漠と同点の評価をしたい。
せつないけれど貴く美しいひと冬の物語
ぼくのお日さま、
池松壮亮の自然な演技もとてもよかったのだけれど
とにかく撮影時14歳の越山敬達くんと
12歳の中西希亜良ちゃんの
2人が本当にスバらしくて(*´▽`*)
2人の初々しさを貴く感じる作品でした❤
「月の光」が流れる室内スケートリンク場での
2人の練習場面での光と影が織りなす美しさ。
自然リンクで弾ける3人の笑顔や、
「事件」のあとのキャッチボールなどなど
全編を通じて、心に刻まれる場面が
本当にたくさんあります。
そして北海道の自然の風景の美しさも!
今年後半は、ここまで、
そこそこ面白い作品はあったけれど
この作品がダントツ1番ですね。
犬が可愛い映画は名作!
瑞々しくて透明感があって光の描写がとても美しくて、なんてことないシーンでも涙が溢れてくる素敵な作品。
エンドロールを見ながら、登場人物たちのこれからの優しい未来を願っていました。
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