ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
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恋とは厄介なものだな
昔のTVサイズ。
横に長くない分、高さを感じやすいし、役者の顔がよく見える。
子役の2人が良い。友達役の子も良い。
それよりも池松壮亮!スケート上手過ぎ!!
元からやってたのか、今回のために猛練習したのか?
3人のシーンはキラキラしてて、思わず微笑んでしまった。
思春期の女の子があのように感じてしまうのは分かるし、無自覚に人を傷つける発言をしてしまうのも分かる。
これまであったドラマとかだと、街の大人達に見られて、要らぬ詮索で騒がれて、となる所をうまくまとめて、嫌なものにならずに進めてるな、と思った。
美しく幸せで残酷な傑作。
吃音をもつ少年のフィギュアスケート選手である美しい少女への純粋で一途な恋を、少女のコーチである青年を絡めて描いた傑作です。
物語前半の多幸感は本当に素晴らしく、美しい雪国の風景の中で楽しそうにしている三人や恋する少女に追い付こうとスケートリンクで必死にでも楽しそうに練習する主人公の男の子を観ていると映画を鑑賞している私自身も幸福感で一杯になりました。
凍結した自然の湖でthe zombies の「going out of my head」をBGMに戯れる三人の描写には幸せ死にするかと思いましたよ。
しかし、物語後半は一転しある出来事のせいで悲しく寂しく残酷なお話しになって行きました。やっぱり女の子の方が成熟が速いのでしょうか?あれは大人の恋心だと感じました。全く成長するって事は…。
ラストシーンの切れ味も最高です、エンドロールのハンバート・ハンバートの主題歌も素晴らしい!吃音を伝えたい事が多過ぎて大き過ぎて言葉が出ない事だと映像と歌詞で表現するなんて美し過ぎますよ。
男の子はフィギュアスケートの靴を両手に抱えて少女と再会しました、コーチの予言した通りこの二人は将来日本一のペアとなる事でしょう、これが私がこの素晴らしい映画から受け取った楽観的過ぎる私のラストシーンです。
雪景色だけど暖かい、その分切なさが際立つ
寒い雪景色なのに暖かさを感じる絵作りに、冬嫌いの自分だけどこんな冬なら好きになれそうなんて思ってたら…なかなかほっこりとは言えない、世知辛いなぁという感じの作品。
暖かさを感じるシーンが多い分、終盤は描写以上により切なさが際立つ作品だった。
「吃音症」
男の子のタクヤは吃音を持っているけど、そこはそれほど重要ではなかった気がする。
音読では人より緊張したり、吃音のせいで引っ込みがちではある感じだけど、吃音じゃなくても、音読苦手だったり大人しい子はいるだろう。
劇中だとそれほどそれが原因で仲間はずれにされているとも思わなかったけど、そういうのはあえて描かなかった感じなのかな?
家庭的にも父親も吃音っぽいので、家庭も一応は居場所がちゃんとある気がする。
「スケート靴」
単純に知識がなかっただけだけど、フィギュアスケートの靴とアイスホッケーの靴って違うんだなぁと。
そりゃそうかとは思ったけど、体重のかけ方とかそういうの意識ないとちゃんと滑れないくらいには違うものなんだなぁー
「氷の湖でのシーン」
このシーンが最高だと思えるシーンはたくさんあった気がするけど、そこでの人たちの表現なんか含め自分はコーチの荒川が気分転換?親睦を深めるため?に連れて行った氷の湖での3人のふれあいが最高だった。
さくらはペアでの競技の練習ホントは嫌だったりするのかなとも思ってたけど、あのシーンみたら(その前の室内の練習の時からすでに)なんだかとても楽しそうで、提案された時こそ煮え切らない感じの表情だったけど、
ペアで、いやあの3人での練習をすごく楽しんでるように思えた。
またコーチの荒川もなんだか暗そうな人の第一印象だったけど、子供たちとの年齢差を感じさせないような、お茶目で遊び心ある人なんだなぁと思えた。
「だれも悪くないと思うけど、離れてしまう」
上記のような最高にほっこりするシーンがある反面で、シーンとしてはほんの些細なとも思えることでそれが崩れてしまう。
ある意味タクヤは振り回されてしまったような気もするけど、タクヤは自分が原因かな…なんて考えたりもしている。
さくらの抱く感情も年齢的にまだ子どもではあることを考えると、間違っているとは言い切れないかなと。すっと受け流せる同年代の人もいるだろうけど、現代においてそれはまだ難しいのかも。
そして一番しんどいのは荒川コーチだろう。決して悪いことをしたわけではないからこそ、こちらとしてもこういう結果はとても悩ましいし悲しい気もする。
「最後タクヤはなんて言ったのかな…」
ラスト久々に再開したタクヤとさくら
タクヤが何か言おうとしているところで、終わってしまうけど、なんて言おうとしたんだろ?普通に「久しぶり」とかかな?
「総括」
タイトルの僕のお日さまだけど、メインの3人にとってそれぞれがそれぞれのお日さまだったなぁと思う。ある種の3角関係みたいな。きっとそれはとても良いバランスの三角だったんだろうな。
またお日さまをタイトルに入れてあるのに劇中で使用されるのは月光なのも意味ありげな気がする。
ポスターや予告から受ける暖かさは十分に感じ取れる作品なのだけど、
終盤の世知辛さはそんな温かさがあったからこそ、感じ肌寒さのようだった。
劇中では春になるのにね。
あの頃のこと
おいしい肉まん
草野球も草アイスホッケーも苦手な吃音ボーイが、フィギュアスケートガールとアイスダンスを学ぶことになる話。
ホッケーの試合後フィギュアスケートの練習をするさくらに心奪われて、そしてステップのマネごとをしていたところをコーチに声をかけられて巻き起こっていくストーリー。
恋心ってことだけれど、フィギュアに興味が湧いただけ…ってことはないよね?
そしてフィギュアガールにと共に滑りはじめ、コーチを含む3人の交流が始まって行くけれど、爽やかでとても良いですね!
コーチの私生活を見たさくらの心境よ変化は、大人の男の自分からみたら寧ろ自分には関係ないし、そういう目を向けられないから安心なんじゃ?と思ったけれど、中学生にはそうはいかないのか…。
せっかく良い感じの作品だったのに、母親が騒ぎ立てたりとか、やっぱりアイスダンスは納得いかないとかがあるならまだしも、なんだか釈然としない展開だし、そのまま終わってしまってモヤッとした。
画質と内容が相俟って─
なんであんなビデオ映像みたいな白っちゃけた画質なんだろう・・・画角もスタンダードな感じだし予算削減の弊害・・・そもそも低予算の作品なのかもしれませんが・・・など勝手に決めつけて文句たらたらに見始めましたが、終わってみれば、すごーく優しーいく作品に包み込まれて浸りきっていた自分が─・・・なんか作品の変な終わり方でようやく我に返ったという─・・・
トータル的な雰囲気で作品が完成されていた印象で、非常に良かったです。じんわり笑えるし、ジンワリくるし、じんわり癒やされるし、意外とというか評価どおりの秀作でした。
牧歌的なロケーションで静かに時が流れる感じ、内容もジワジワ盛り上がっていく感じで、すんなりと行かず色々と考えさせられる─ほんのちょっとだけ─、でこの作品タイトル、めっちゃ融合しまくった感じがして、今更ながらにニンマリとしている次第です。不自然に絡み合うナチュラル感?まぁ矛盾したら表現かもしれませんが、きめ細かさを感じる演出もまた素晴らしいです。音楽とか、季節とか、電車や自然や動物、家族とか友達とか音響とか、キャッチボールとか─とにかく素晴らしかったです。
セリフが少ないので想像力を働かせて
女の子のスポーツを男の子にやらせて楽しいですか
なんだか、いい。
監督初の、商業映画とのこと。
吃音がある少年は、スケートリンクで見かけたフィギュアスケートの少女に美しさというか魅力を感じ、自分もフィギュアを真似てみる。それを見た少女のコーチは、彼にフィギュアの基礎を教え、さらに少年と少女をアイスダンスへの挑戦にいざなう、という話。
をを、書いてみるとまるでスポーツ映画。ただ、実際は、何も起きない。「これ、商業映画なのだろうか?」と心配になっちゃうくらい、何も起きない。
では、何もないつまらない映画なのか? これが不思議なことに、エンドロールで主題歌を聞きながらの時間、俺はこの上なく幸せに包まれていた。観ている間ずっと「何も起きないなあ」と感じていた俺が。
いや、これは観てみなければわからない感覚だったな、と、観た俺を褒めたいかな。
「僕はイエス様が嫌い」も、心の震え度合いを上手くレビューできなかったなあ、なんか控えめなレビューになっちゃったなあ、と思ったのだが、今回もその点はやはり変わらない。
監督は "映像の人" なのかな? 俺の言葉の中に、この映画の素敵さを上手く伝える言葉が、足りなすぎる。
ぜひ観てみてください。そして感じてみてください。
おまけ1
四角い映画でした。スタンダードサイズって言うのかな。
おまけ2
MVも手がけている監督なんだそうですね。米津さん(玄師)の「地球儀」のMV撮った人と聞きました。(ゆきさん、教えてくれてありがとうございました!)
言われてみれば、「映像の人」という感じは、よくわかります。「映像で語る人」と言った方がいいのかな。ともすればMVを手がけて、映画に来た人には、絵はきれいなんだけど、お話がなあ、と感じる人も少なくないと俺は勝手に思っているのですが、監督は前作「僕はイエス様が嫌い」に続いて、俺の心を捉えてくれました!
絵で語りかけてくれたんだろうな。絵のタイプは違うけど、岩井監督(俊二)のいる象限に位置している監督なんだろうな…
おまけ3
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を思いだしながら、「吃音を扱った映画にハズレなし!」と勝手な思いを馳せました。
おまけ4
朝の通勤電車で「ぼくのお日さま」聞いてたら、最後の方で涙が出そうになった。危ない、危ない。(実際は、ちょっと出た)
やさしい映画
女の子見てたよね。見てます。
役所さんのコメント通りの映画でした。 追記
「清潔で美しい映画でした。」
3人でアイスダンスの練習を始めたら涙が出てしまった。悲しい涙でも嬉しい涙でもない、自然と涙が溢れてきた。
そして、多幸感につつまれた湖のシーンが観られただけでいい。
全く予想していなかったから、そっちへいくのか、その設定いるのかなとも思ったけど、まぁあれじゃ女の子ヤキモチ妬いちゃうよね。
こういう終わり方か、と思った途端にあの主題歌!
反則だ。泣いちゃうよ。
誰も死ななくても、誘拐されなくても、爆弾爆発しなくても、チェンソー出さなくても、過去や未来に行ったりしなくても、映画って面白い。
追記
「明日に向かって撃て」のバート・バカラックの主題歌にのせてポール・ニューマンとキャサリン・ロスが自転車に乗るシーンや、「小さな恋のメロディ」のトレーシー・ハイドとマーク・レスターが学校を抜け出して遊園地でデートするシーンと同じように、多幸感あふれるあの湖のシーンだけでも、宝物として記憶に残る作品になりました。
中西希亜良ちゃんは
映画の良さがいっぱい詰まっています。
もうあと20分くらいあっても良かったかも。
今年330本目(合計1,422本目/今月(2024年9月度)16本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
私が東京テアトルさんの株式を持っている(=株主優待券で映画が見られる)ので、ある程度は東京テアトルさん配給の映画には甘いのかもしれませんね。とはいえ、基本的に大ハズレを引くことは少なく極端にヘンテコな作品が少ないのでおススメはできますね(全体的傾向)。
本作品については、一つは北国の雪国を舞台にいわゆる「北国ならではのスポーツ」を扱った事情、さらに同性愛関係、あるいは吃音関係と色々と語る論点がありますが、惜しいのが90分という短さで、問題提起ははっきりしているものの、どれもが中途半端な部分がどうしても否めず、そこがかなり惜しいかなといったところです。この点、インディーズ映画系であれば40~60分の短編・準短編という作品も明確にありますが、東京テアトルさん配給の映画といえば超大手と比べると知名度は落ちるとしても、それほど「説明不足」というほど短くすることもなく、ちょっとその点が惜しかったかなという気がします。
ただこのことは各自で結論は考えてねというフランス映画のような問題提起型で余韻を残すタイプに思えるし(実際、この映画はフランス映画祭りに出されるとのことなので、その意味でのフランス映画という観点でも合うのでしょうね)、その「各自で考えてね」の部分についても明確に論点がはっきりして「投げっぱなしでもない」点は良かったです。
および、海外作品はもちろん、日本映画でもオープニング・エンディング、あるいは作内音楽の歌詞等が明確に字幕に出ることは案外少ないものの(歌詞に明確な意味があるものは除く。また、海外作品でも英語以外のマイナー言語ではつくことも)、この映画では明確にエンディングロールでテーマ曲の全歌詞が出ます。この点はとても良かったところです。「吃音に悩む少年」の部分との関係だと思いますが、明確に歌詞からも映画の述べたいところの推測も可能であり(日本語として聞き取るのは、背景音楽などが流れる「映画」では、日本映画であっても案外厳しいことが多い)、この点は配慮があってよかったです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/もうあと20分くらいあっても良かったかも…)
映画で述べたいところであろう趣旨は色々あり、それらも明確な形で問題提起されているのでそこまでの減点幅ではないですが、もう少し「あと一歩の踏み込み」に相当する、あと10~20分くらいあっても良かったかな、といったところです。
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(減点なし/参考/ミニシアターでの鑑賞について)
いつもと違う映画館(シネリーブル神戸)で見ましたが、この映画は北国の氷上のスポーツを扱うなどする関係で、「白い」画面が多いです。ミニシアターだと法律の規定との関係でいわゆる非常灯が(相対的に)まぶしく感じることがありますが、この映画はまさにそれで、白銀の世界が見えにくい部分が多々あったのが気になりました(この点気にされる方は、非常灯などの影響を受けにくい大手の映画館か、ミニシアターでも真ん中の席などが良いかもしれません)。
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