劇場公開日 2024年9月13日

ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価

全174件中、81~100件目を表示

2.5美しい作品

2024年9月20日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

幸せ

良き作品でした。予告からもわかる通り本当に美しい作品で、初めての商業向け映画とは思えないほど、時間が流れていきました。アクション映画にあるようなハラハラドキドキする展開は無いので、そのような映画が好きな方にはおすすめ出来ません。ですが、人の心を丁寧に描いており、絵画を見ている感情になりました。思い通りには行かないリアル感が心に刺さりました。

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ナギサ

4.0記憶に残る良作

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

奥山大史が監督・脚本・撮影・編集を手がけ、池松壮亮を主演に迎えて撮りあげた商業映画デビュー作との事です。
監督の優しさが作品全体ににじみ出ていて、雪国の自然な風景も登場人物も魅力があり貴重な時間を経験できた作品でした。
記憶に残る作品とはこういう事なのだろうと感じます。
2人のアイススケートのシーンが美しく、心地よいカメラワークも魅力的でしたが、
淡い雰囲気だけの作品ではなく,脆く壊れやすい人の感情もきちんと描いていて好感を持ちました。
何気ない余韻が残るラストも素直に感動しました。おススメ度は満点です。上映中にぜひ映画館でご覧ください。

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Yoji

4.0どれがお日さま?

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

こーいう感覚的な作品が外国受けするのでした。
言葉が無いほうが傷つかないのかも。

映画館が空調壊れてるだかで、どでかい扇風機回してくれてあったけど、暑くてね。
でもこの冬のお話に引き込まれて我慢できたのでした。

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色即是空

4.0吃音は必要条件だったのか?

2024年9月19日
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先ずは映像の縦横比
アスペクト比も画質もアナログ放送時のブラウン管TV
これで何十年かは時代を遡る

池松のスケート本物っぽい 経験者なのだろうか

タクヤが一心に見惚れていたのはさくらだったのか、フィギュアだったのか、双方だったのか判然とはしない
思春期とはそんなものかも

ドビュッシー「月の光」...偶然、昨年から aoが日本語歌詞を当てている「月のひかり」にずっと浸かっていたのでシミジミし続けていた

Days of Heaven…特に凍った湖でのシーン 他人の幸福そうな様子を眺めていて それだけでじわじわ涙が滲み続けていた これだけで鑑賞料金以上に値いする不思議な体験だった

逆にモヤモヤするのは
さくらにはコーチ荒川を慕う気持ちがある だけど荒川と親しさを増すタクヤに嫉妬する様子はない なのに
偶然見かけた荒川の男色を確信的に疑い一方的に断罪して背を向けた(確認不十分)
仄かな恋心を踏み躙られ?怒りに任せ、スノッブな母親にぶちまけて
そして3人の良好に思われた関係をさくらの一存で壊してしまった
そのことを彼女自身が生涯後悔しそうもないという終わり方
荒川もご当地からもパートナーからもあっさりフェードアウトしてゆくのみ

フィギュアを離れていたタクヤはコーチから貰ったフィギュア靴を傍らに、さくらと出くわす
二人はペアを再開するかも、って?
当時だったらあり得る成り行きなのか?
とてもモヤモヤする

エンディングクレジットにテーマ曲の歌詞もアイスダンス軌道で文字化されており タクヤが吃っていたことを改めて!思い返した

タクヤの吃音に対する劣等感?はさほど深刻には見えなかった
果たしてこのエピソード(吃音)はこの物語の必要条件だったのだろうか? 取って付けた感が否めない

『竜とそばかすの姫』に於ける美女と野獣リスペクトのように、あらかじめテーマ曲ありきで、こじつけられてしまったのでは

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守井 象

4.0まいりました

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

小6〜中1の頃、同級生女子達がどんどん先に大人になっていって置いてきぼりを食ったようなあの感じがよみがえって、甘酸っぱいを通り越してヒリヒリする。
ラストシーンで不覚にも…

10/6 付記
劇中誰も泣かないのだな。
ラストのあの表情でまたしても心の汗が…

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ひろちゃんのカレシ

4.0美しく、温かく、ほろ苦く

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

吃音をもつ、野球もアイスホッケーも苦手な少年タクヤ、フィギュアスケートに打ち込むサクラ、夢を諦めたコーチの荒川、北海道の大自然に囲まれた静かな田舎町を舞台に、3人が心をひとつにアイスダンスに打ち込む。

そして、季節が冬から春へと移り変わるの中、それぞれの視点で物語は進む。温かさを感じつつもほろ苦い展開。

人の感情の美しさや儚さを、それぞれの演技、自然、光の美しさを巧みに映像で表現、やさしくも厳しさのあるストーリー。

観る者の心をピュアにする映画。ドビュッシーの「月の光」が流れるたび、自然と涙がこみ上げた。

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Toru

3.5せっかく

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

タクヤ君が、自分で上手くやれると思えるアイスダンスだったのに、大人の事情?で続けられないなんて、可哀想でした。でも、最後のシーンでさくらちゃんと出会った感じが、これからの二人の発展を期待します。

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ごっとん

5.0あたたかな時間

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

タクヤと先生とのやり取りが常に微笑ましく、それを見守るようなサクラが凛々しく、全ての場面の情景があたたかく美しく、登場人物に羨ましさを感じながら鑑賞しました。
そして、人を成長させるのは、「誰かのために」という動機なんだなと3人の姿が実感させてくれました。3人がお日さまのもとで過ごす景色では、気付くと涙ぐんでいる自分がいました。

そんな終盤までのあたたかさは、ある一瞬の、ごく一部の景色が引き起こした、思い過ごしとも取れるサクラの感情をきっかけに一変します。そこには誰の心にも悪意のようなものは存在しなかったはずですが。
人と人とのつながりは、池にはられた氷のように実に脆いものなのだと、季節のように淡々と移ろっていくものなのだと、だから一瞬一瞬を大切にしないといけないのだと優しく教えられた気がしました。あの雪が溶けるまでの数か月を3人も大切に思い返すんでしょう。

切ない展開ではありましたが、終始あったかい気持で鑑賞しました。締めくくりでは、いつかきっとサクラも、先生の指導やあの数か月が自分にとって糧になっているのだと、先生は自分にとっても「お日さま」のような存在だったのだと気付いてくれると期待させてもらいました。

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Eiji

5.0言葉では伝わらない気持ちが観てる側にジーンと伝わってくる

2024年9月18日
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タクヤ(きつ音の)、サクラ、荒川の3者3様のドラマが、言葉では無く、伝えきれない想いがヒシヒシと観てる側にジーンと伝わる映画です。ストーリーも味わい深く、3者3人がそれぞれの役を見事に演技してます✨背景、情景もキラキラしてて、シチュエーションも素晴らしい❗️監督さん、見事です❗️❗️

きつ音を持っていなかったとしても、人間は言葉で上手く表す事が出来ない部分があると思います。言葉では表すことが出来ない気持ち、人間の心の声をこの映画は、見事にわたし達に伝えてくれます。

是非、みなさん映画館で観てみてください。良かったですよ。

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つん

5.0切なくも美しい

2024年9月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

切なくも美しいとても素敵な映画でした。
少年少女の真っ直ぐさがキラキラ眩しい。タクヤとさくらの自然な演技が素晴らしかったです。

映像や音楽や演出のセンスがすごい好み。
無駄なシーンやセリフがない脚本がすごい好み。
ラストシーンとエンドロールのセンスもすごい好み。
奥山大史監督、大注目です!

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光陽

4.5多幸感

2024年9月18日
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いくつになっても美少女にはときめくのだなあ、、
北海道では冬でも犬は外なんだなあ、、
子供とこんなふうに接することができたらなあ、、

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てりら

4.0エンドクレジットがいい

Mさん
2024年9月18日
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荒川(スケートの先生)が車の中でかけてた曲がよかった。何という曲だろう。

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M

4.0癒やされる。

2024年9月18日
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鑑賞方法:映画館

やわらかで癒やされる作品。
シンプルでセリフは少ないけど、実は構成がかなりしっかりしている。
登場人物の誰も悪意がないけど、悲しい結末が訪れるという高度なテーマがあると思う。
何気ないようですべてが緻密に計算してあるから描けるんだな。

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ドラゴンミズホ

2.5主題歌は良かった

2024年9月18日
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鑑賞方法:映画館

スクリーンが4:3の時点で独特なこだわりがあると思った。
実際には同性愛の要素はいらないと思った。
別の要素で紆余曲折あるようにしてほしかった。
何が面白いのか私には全く理解出来なかった。
簡単な映画だと思った。
エンディングの主題歌はめちゃくちゃ良かった。

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チャーリー

5.0この瞬間が永遠に続けばよいのに。 圧倒的な多幸感とほろ苦さ、表情を...

2024年9月18日
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この瞬間が永遠に続けばよいのに。

圧倒的な多幸感とほろ苦さ、表情をガラリと変える光の演出がこれまた素晴らしい。エンドロール&そこで流れるハンバートハンバートの曲もまた•••。

今年観た映画の中で、トップクラスに好きな作品だった。

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こち

4.0詩的に美しい画面

2024年9月18日
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映画を紹介するあちこちのサイトに「池松壮亮を主演に」とあるが、さくら役の中西希亜良と、タクヤ役の越山敬達の少女・少年の2人が主人公だったと思います。

全体的に物語を見せる意図は少なく、夏に出会って、冬のひとときに輝く子ども二人の姿を詩的に映し出すのが目的だったように思えました。

感情や状況を光で意識させる演出・照明・撮影が生み出した画面の美しさは素晴らしい。
正直、この美しさや、スケートリンクでの楽しさに軸を置き、40分前後の中編になっていたら傑作だったかもしれません。
起伏の少ない状態で長めの尺を作り出したために、中盤に単調なタルみを感じて、起きているのがかなりキツい瞬間もありましたが、絵は本当に完成度が高かったと思いました。

後半、物語の動きは出るのですが、好き嫌いが分かれる展開だと思います。
私は、スッキリせず、悲しい気分になりました。

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コージィ日本犬

1.5怒りに任せて投稿

2024年9月18日
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9月、まだ夏の暑さが続く中、画面に映るのは壮大な雪景色。
なんか変な気分。

雰囲気は良い感じなんだけど、かなり終盤になるまで特に大きな葛藤もなく、話が順調に進んでいくだけ。
悪い映画ではないが、退屈さを感じつつ鑑賞。

終盤、ショッキングな事態が発生。
この場面を観て思い出したのは、元総理大臣秘書官・荒井勝喜氏の「同性婚、見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ」という発言。
この映画がその発言を肯定するような内容であることに気付いてからは、観ながら心の中で怒り爆発。
違うというなら劇中、それと同じような発言をした人物は痛い目を見るなり反省するなりの描写があってもよいはずだが、そんな描写は一切無し。
フィギュアスケートを実直に頑張る少年を傷つけて終わり。
LGBTQの人は、周りに迷惑がかかるから表社会に出てくるなってことですか?
最低すぎる…

吃音設定も必要性を感じず、意味不明だった。

怒りついでにもう一つ苦言。
フィギュアスケートで足を広げて股を見せる技は、調べたら「ファンスパイラル」という名前らしいが、この映画の中で女子中学生がフィギュアスケートの練習中、この「ファンスパイラル」をするシーンがやたら多く出てくるのが気になってしまった。
「性的目的による女性アスリート盗撮」が社会問題になってる今の時代に、配慮に欠けたつくりだと思う。
股を見せなくてもストーリーの進行上、何も問題無かったはず。
もしかしたら監督はそういうのを見るのが好きなのかもしれないが、監督の立場を利用してそういう画を撮ることこそ「気持ち悪い」と思う。

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おきらく

4.0愛情を求めることを忘れている自分には

2024年9月18日
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光のなかに踊る彼等しか見えていない
そしてそういう映画のように思える
発語できない私や若い彼等も人生の時間を生きている

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すぅ

5.0少ない要素だが濃密。

2024年9月18日
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カンヌの「ある視点」で選ばれてるからただの子供友情物じゃないな、、、と思っていたが、今現在の問題や生きづらさがきちんと提示された良作です。

実にシンプルで情報量もエイリアンに比べると(比べてはいけない)少ない訳だが、どの絵も濃密で美しく、風景だけのカットはほぼ無いのに北国の美しい自然が突き刺さる。少ない要素に観る者が誘導され人物の深部を堪能する感じだろうか、、、だからって濃い演技は一つもなく全てが実に自然だ。

ネタバレになるからあんまり書けないが、子供の一言で私も傷ついた事がある。子供は経験値高くないけど、生物の原型に近いからこそその言葉は鋭い。

先生はどこに行くんだろう?
何か前向きな方向を少し感じた。映画の終わり方も気が利いている。こんなに余白が多いのに、ある意味スキの無い映画だと思う。
でもタイトルはコレでいいのだろうか?
越山、中西主役の2人を池松の静かで確かな演技が支えている。スケートシーンは本当に美しいよ。

余談だが舞台が実家の近くで、色々美しく撮れていて嬉しかったなぁ。

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masayasama

4.5なんか羨ましかったんだよ、真っすぐでさ。

2024年9月18日
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まず、エンドロールについて触れなければ始まらない。エンディングでハンバートハンバートのメロディが流れてきて、あ、これ「ぼくのお日さま」だとすぐに気付いた。映画のタイトルと同じじゃないかと。そして歌詞が画面に。〽ぼくは言葉がうまく言えない。はじめの音でつっかえてしまう~。そうだ、この歌の主人公も吃音だ、そう思ったとき、ぼろっと涙がこぼれた。もしかしたら歌にあわせてシナリオを書いたのだろうか。だとしたら見事だ。しかも、吃音を苦にしながらも青春を謳歌している。その姿に、ついぽろっと涙が誘われた。

この映画は、スクリーンのサイズがほぼ四角(あのサイズをなんと呼ぶのか詳しくないが)。だから人物の上部が広く空いていて、空が高く見えた。それがなんとも解放感があった。おまけに淡い映像。それはこの映画の設定がおそらく20年か30年くらい前だからなのだろう。まるで、ポラロイド写真のようだ。だから、なおさらノスタルジックな気分にさせられるんだろう。

おまけにカメラがいい。やさしいまなざしのようだ。光を取り込む映像も、スケーティングする二人に寄り添うようなカメラワークも、とても愛情がこもって見えた。そのスケーティングといえば、子役(という歳でもないないか?)の二人はオーディションでその経験済みの役者を選べばいいだろうけど、池松も以前スケートの経験者なのだろうか?と思わせるほど、滑りもスムーズだしポーズもきれいだった。不自然さを感じさせないほどに、様になっていた。
なにより、湖で屋外練習をする三人の幸せな姿が、微笑ましく、羨ましく、美しかった。春になって雪が解けたらあんな大きい湖だったとは思わなかったが、そこがまた雪に閉ざされた冬の慎ましやかな出来事と思わせる効果があった。

そして少年の恋物語かと思わせておいて、同性愛をぶっこんでいる。池松(荒川)と若葉竜也(役名知らず)の距離感が親密で、ダブルベッドに枕が並んで見えた時には確信となった。だけど、サクラの洞察力はすごいな。アイスを食い戯れる二人で、それに気づくのだものな。それは、荒川に恋心を抱いていたからなのかな。「気持ち悪っ」の捨てセリフには、裏切られた感情がこもっているように思えた。でも、母親はおそらく辞めたい理由を、荒川からのセクハラとかと思っているのだろうけど。荒川は、そうした世間で生きてきたし、これからも生きていく。たぶん、この時代は今ほど同性愛に理解がない時代だ。土地から離れられない恋人の地元で生きていく覚悟をもってやってきたのに、なにかしらの理由で、その土地を離れていく。また、新しい理解者を見つけるのか、孤独に生きていくのか。それに慣れていると言わんばかりの、船上から港を眺める荒川の寂しげな姿に、胸が苦しくなった。

そうだ、この監督は「僕はイエス様が嫌い」の監督か。たしかに、通じるものがあった。

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栗太郎