ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
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清らかな作品⛸️🌕
フィギュアスケートが好きなので、その場面がたっぷりあったのが嬉しかったです✨✨
「月の光」がよく合う作品だと思いました。
さくらにしたら、コーチが不潔に見えるのは仕方ない。誰にも彼女を責められないし、もちろん、コーチも、責められてよいはずありません。
それぞれの人生が交錯して、またすれ違っていく展開が自然で、とても現実的な映画だと思います。
タクヤとさくらを演じた二人が、本当にどこにでもいそうな子たちになりきっていて好感を抱きました。
池松さんの声がシブい✨✨スケート未経験だったので半年練習なさったそうですが、とても上手いので驚きました。
そこで切るの⁉️と思いましたが、エンドロールの歌を聞いて納得です。
ただ…豚まんを食べながら運転するのは、やめた方がいいかなと思いました😅
映像の質感、役者陣の演技
正直、ストーリーはドハマリってほどではなかった。脚本だけなら星3~3.5くらい。
設定や世界観は好きなんだけど、ストーリーは少しまとまりがなく散漫な印象を受けた。説明を極限まで省いたのは分かるのだが、突拍子もない印象を受ける言動がいくつかあった。
ただ、とにかく映像が美しい。終始夢の中にいるようだった。
個人的には映画の雪といえば『私の男』の映像が一番衝撃的で何年経っても忘れられないんですが、あの命あるもの全てを根こそぎ奪おうとするような暴力的なまでに激しく息苦しく冷たい雪、あれとは全く別の、優しい優しい雪景色だった。
スケートリンクのシーンも本当に美しい。淡く儚い光に満ちた氷の世界。
『ぼくのお日さま』というタイトルがぴったり合う映像だと思った。
あとは何より、キャスティングがあまりにも素晴らしかった。
子役(と呼んでいい年代かは分からないけど)のふたり。こんな顔つきも体つきも完璧な子ふたり、どこから見つけてきたん??と思わずにはいられない、立っているだけで説得力のあるキャスト。
サクラちゃんは、幼い頃からずーっとフィギュアスケート一筋にストイックにやってきたことを感じさせる、綺麗な姿勢と、しっかりした体幹、無駄なく引き締まった体型。そしてスケートもジャンプも見事だった!この子は役者さんなの?選手なの?役者さんだとして1からスケート練習したんだとしたらとてつもなく頑張ったんだろうし、選手だとしたらあまりにも女優さん的な魅力・オーラと透明感があって驚く。
中学生、大人の入口に立った年頃。そうそう、このくらいの女の子って確かにこういう、大人に対して常にちょっと気まずそうな態度とるよね〜と思った。演技うまい。
一方タクヤくんは、小学生、まだ身体ができあがっておらず、しかも運動はそんなに得意じゃなくてちょっと鈍臭い、そういうタイプの子そのものの体つきで、これもキャスティングすばらしい。あとひたすら可愛い。喋る口調もまだちょっと幼く、笑顔はあどけなく。仲の良い友達とじゃれてるときとかまさに小学生男児!って感じ。
まだ大人の入口に立ってない子ども子どもしてる感じだからこそスケートにハマったらとことんハマって。先生に対しても、サクラちゃんみたいにちょっと線を引いてる感じなく、一気に懐に入ってなつき、無邪気にはしゃぐ。ちょっと無愛想だったサクラちゃんの心まで溶かすくらいの天真爛漫さ。
それと若葉竜也さん。『愛がなんだ』は正直ストーリーも他のキャラクターもうろ覚えだけど、若葉さんだけ衝撃的に印象的ですぐに顔と名前を覚えました。以降出演作はほぼ全て視聴しています。
今回の役柄は、それほど顔がはっきり映るシーンもセリフも多くないんだけど、役としての説得力がありすぎてびっくりしました。若葉さんはもはや、演ずるに当たってセリフはおろか表情すらいらないんだな、佇まいや仕草、存在感のみで演じることができるんだなと感服しました。
あとはやはり池松壮亮さん。追っているというほどでもないですが出演されてると観たくなる俳優さん。この方は大衆向けのドラマや娯楽映画的な演技もお上手なのに、こういう作家性の高い芸術映画でもそれに合わせた演技ができるんですよね。すごいよなあ…役者としての嗅覚というか、作品の展望を嗅ぎ取る能力が突出してるんだと思う。今後どんな作品に出ていかれるのか楽しみ。
月光仮面
ハンバートハンバートの同名タイトルポップスから着想を得た作品だという。吃音の“ぼく”が語るモノローグ型式の歌詞は、北海道のとある町でスケートに打ち込む少女サクラに一目惚れした吃音少年タクヤの心象とピタリ一致する。是枝裕和をこよなく尊敬しているという奥山監督だけに、思春期の子供の単純な初恋物語なのか、というとそうともいいきれない奥深さを感じるのである。
サクラやタクヤを演じた俳優に、フィギュアスケートの経験者をキャスティングしたという奥山監督。サクラの方はともかく、とくにタクヤ役の少年がいまいちなのだ。荒川コーチ(池松壮亮)のプライベートレッスンを受けてだんだんと上達していくという設定ながら、スピンも満足にできないヘタッピなスケーティングがまったく様になっていないのである。下手くそなドモリの演技とともに、(是枝のように)役づくりにもちっと時間をかけるべきだったのだろう。
この映画の劇伴として、ドビュッシーの『月の光』が印象的な使われ方をしている。サクラがシングルで演じる時の課題曲として用いられるのだが、本作が映画祭でお呼ばれした地カンヌと、フランス人音楽家ドビュッシーの深い関わりをご存知の方は、思わずニヤリとされたことだろう。さらに、タイトルの“お日さま”とこの“月の光”が、対比的に演出されていることに我々は気づかなければならない。
ゲイばれしてサクラのコーチを解任された荒川がパートナーに「うらやましかったんだよ」と告白するシーンに是非ともご注目いただきたい。自分が吃音であることを隠そうともせず“好き”な気持ちをまっすぐに体現していたタクヤ=お日さまに対し、ゲイであることをひた隠しにして北海道の田舎町でスケートコーチを細々と続けている荒川=月の光。かつて野村克也が長嶋茂雄を羨んだように、お日さまのように裏表のないタクヤの恋路を思わず応援したくなったのではないだろうか。
自主制作映画『僕はイエス様が嫌い』が、もしもサン・セバスティアンで受賞しなければ破産していたかもしれなかった奥山大史は、その後広告代理店就職という保険を人生にかけるのである。大企業に就職したエリートでさえも副業をしなければ生活すらままならない現代日本で、映画監督とて例外ではないと個人的には思うのだが、奥山監督の場合“2足の草鞋”を履いていることに、ある種の後ろめたさを覚えている気がする。
アイスホッケーとフィギュアスケート、ゲイパートナーとスケートコーチ、サラリーマンと映画監督....どちらに決めようかウジウジと悩む男たちを尻目に、太陽の日差しをあびながら“月の光”を氷上で凛々しく演じきるサクラにはまったくブレがない。しかしねぇ、あの大谷翔平だって壊れやすい投手稼業にバッターとしての2刀流保険をかけていたからこそ現在の活躍があるわけで、そんなに悩む必要はないと思いますよ、ねえ監督。
人生はスケートの如く
東京テアトル×池松壮亮の信頼度たるやいなや...。あまりにいい。幸せ空間すぎる。「ルックバック」が大きな話題を呼び、2024年を代表する傑作だといわれている中、自分はこの作品を今年の顔として推したい。今後、宝物のように自分の中ですごく大切な映画になっていく気がする。鑑賞時より、鑑賞後にたくさんの思いが湧き出てくるような、尾を引くタイプの大傑作。
日本が舞台なのに、日本とは思えない圧巻の美しさと、その美しさ故に最高にマッチする洋楽。この映画を見ていると「PERFECT DAYS」同様、日常の些細なことに喜びを感じ、混沌とし生きずらい世の中だけど、この世界はまだまだ知らないことばかりで、素晴らしく美しいもので溢れていると、自信を持って言えるようになる。
極限まで削ぎ落とされているセリフ。おかげで、何気ない日常会話を含む言葉の全てが、深くこころに残ってしまう。それはまさに、楽しいことも悲しいこともどんな小さな言葉でも刺さってしまう、多感な時期を迎えた主人公・タクヤのように。この映画は『"ぼくの"お日さま』の名の通り、タクヤ目線で描かれていくため、日常がすごくキラキラと輝いて見える。
彼の目に映る、いつもの場所の新しい世界。印象深い言葉ばかりの本作の中でも、新しい世界に踏み入れることを決意したタクヤに対して、これまでと変わらず向き合い続ける友人のコウセイの優しいひとことに、じわ〜っと目頭が熱くなる。こんな友達がいるから、タクヤは飛び立てるんだろうな...。
霜の降りたような寒々しい窓辺に、じんわりと暖かいお日さまが差し込んでくる。人生の煌めきというのはいつも突然で、すごく愛おしい。真冬に使う厚い毛布みたいに、全身を包み込んでくれる情景と人の温もりが、本作最大の魅力。タクヤの真っ直ぐな目を見ていると、忘れていた子ども時代、失われた少年心を取り戻すことが出来る。心が豊かになっていくのが、沸き立つように全身に伝わってくる。この子のような純粋さとひたむきさは、いくつになっても持っておきたい。子どもに教わる、人生の教訓。外は凍えるほど冷えきっているからこそ、お日さまの光はより一層暖かい。
新鋭・奥山大史監督。商業映画デビュー作品して、この完成度は恐ろしいまである。見る前と見た後。90分で得られた幸福は何にも変え難い。大どんでん返しとか映画的な展開があるわけじゃないのに、たまらなく大好きなこの映画。少し大袈裟かもしれないが、映画を愛し続けて良かったと、そう思ってしまうほど。
整氷車を追いかけるあの構図は、間違いなく今年ベストの名シーンであり、スケート場ではなく、それ以外の場所で練習を積み重ねる子どもたちの様子もまた、忘れられない愛おしさがあった。お日さまの光によって照らされる、月の淡い光。極寒の中で繰り広げられる温もりいっぱいのアイススケートは、そんな月の光のように優しくて尊く、儚いものだった。
暖かくも儚いフィギアスケートを題材にした邦楽。 本年度ベスト!!
中途半端に終わってしまった感はあったけど自分好みの作品だった。
スケートのコーチ。荒川を演じた池松壮亮さんの演技やスケートの技術が素晴らしい!
加えてタクヤとさくら役の2人の子供達の演技も素晴らしかった。
そして3人共スケートがとても上手い!
野球もアイスホッケーもイマヒトツなタクヤ。
スケートリンクでフィギュアスケートの練習をするさくらに刺激を受け、荒川が2人にアイスダンスを教えて行く感じのストーリー。
リンクに窓から暖かい日差しが差し込むシーンの映像が美しく印象に残る。
タクヤが最初はスケートが上手く無いんだけど、さくらとのアイスダンスが素晴らしかった!
最初の下手くそな滑りは演技だったんだ(笑)
3人でカップラーメンすすりながらステップの練習するシーンが最高!!
アイスクリームのシーンから事態が一変。
前振りはあったものの、そう言う展開になるとは思わず、寂しくなる。
終盤、道でタクヤとさくらが出会うシーンが良い。
その先の展開がどうなるのか気になる。
さくらを演じた中西希亜良さん。
初めての女優業との事だけど素晴らしい演技と美しいフィギアスケートが良かった。
荒川がコーチしているシーンは本物のコーチが指導している感じでなかなかリアル。
ラストの歌の歌詞も心に残る。
タイトルの「ぼくのお日さま」の意味。
さくらのお日さまは荒川(過去形)。
タクヤのお日さまはさくら(進行形)。
荒川のお日さまは○○○かな?(過去形)
池松壮亮さん。
雑誌の写真のフィギアスケートの姿が本物っぽかったです( ´∀`)
ある視点ってなに?
2024年映画館鑑賞88作品目
9月13日(金)フォーラム仙台
会員デイ1200円
監督と脚本は『僕はイエス様が嫌い』の奥山大史
舞台は北海道
三ツ風町と二坂市
教室にあった「みつかぜ」のあいうえお作文好き
ロケ地は北海道各地
赤井川村に余市町に札幌市
屋内スケートリンクは札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
あとなぜか岩手県一関市の千厩アイスアリーナ←けっこう地元に近いのでとても嬉しい
粗筋
野球ができない冬季はアイスホッケーのクラブに入り練習に打ち込む小6のタクヤ
東京から引っ越してきた中1のさくらはフィギュアスケーター
彼女の演技に目を奪われうっとりするタクヤ
ついには彼女の真似をしてフィギュアを始めるタクヤ
それを見ていたさくらのコーチの荒川はタクヤにフィギュアスケート専用のスケート靴を貸し無償でタクヤにも指導し始めた
みるみる上達していくタクヤ
挙げ句の果てにはさくらの多少の反対を押し切り2人にペアを組ませアイスダンスの大会を目指すことになった
結局アイスダンスを受け入れたさくらは器が大きいな大人だなと感心した
しかしコーチがゲイだと知ると「気持ち悪い」と言い放ちアイスダンスの大会をボイコットしタクヤを悲しませる身勝手ぶり
スオミじゃないけど人間とはやはり多面的だなと
ヤフコメ民じゃあるまいし自分はさくらを叩かないけどね
だって中1だよ
それを本気でキレる40代のオッサンってまともじゃないよ
ラストシーンはあんな形で終わるがそれはとても映画的
一人で観るより複数で観るのが良い
映画館の隣の喫茶店で感想を言い合ったりラストのタクヤが何を言おうしたのか大喜利的なもので盛り上がるのも良い
エンディングテーマもかなり秀逸
配役
吃音気味の小6でホッケーをしていた多田拓也に越山敬達
フィギュアスケートの選手を目指す三上さくらに中西希亜良
元フィギュアスケートの選手でさくらのコーチの荒川永士に池松壮亮
荒川のパートナーでガソリンスタンドを継いだ五十嵐海に若葉竜也
さくらの母の三上真歩に山田真歩
タクヤの親友のコウセイに潤浩
ホッケーのコーチに篠原篤
小学校の教師に田村健太郎
さくらの親友のナツコに佐々木告
タクヤの父に大迫一平
タクヤの母に兵藤公美
タクヤの兄に坂本愛登
多田家の犬にもなか
事前情報なしの鑑賞をオススメします。
"奥山大史"監督作品は見た事がないはずなのに、何か知ってる名前。。
と、ずっと考えていたら思い出しました!
去年(もう去年だ!)公開した、
宮崎駿監督"君たちはどう生きるか"の主題歌。
米津玄師さんの"地球儀"のMV撮った人だった!!
本作もそうだが(本作は脚本も手がけている)このMVも、監督・撮影・編集まで1人でこなしている!
自然光の入れ方が特徴的だと思う。
きっと、光りと影の表現にこだわって作ったんだな〜と想像出来る。
幻想的で、あの場の空気感、匂い、温度まで感じられるような映像で、それは本作にも通じる所があり、更にグレードアップしていました。
(見始めは、白っちゃけてるな四角いなって思ったけれど、この表現で良かったのかも)
若い才能!!が眩し過ぎる!!
本作の奥山監督はじめ、ちょっと前だと、個人的に注目している加藤拓也監督(ほつれる)
最近だと、山中瑶子監督(ナミビア)
二十代の若い才能ある監督が、商業作品映画を発表してくれる事が、映画ファンとしてはとても嬉しいです。
今後の日本の映画界をリードしていくであろう監督達の作品を、この若さで撮った作品を、リアタイで観られる事が嬉しいです。
将来、子が映画に興味を持った時、
「◯◯監督の初期作はリアタイで劇場で観たよぉ〜」って自慢になるかな?なんて、思っちゃいました。
さてさて、
予告で何度か目にしていた本作。
ベール(ヴェール?w)がかかった様な、
絵画の様な美しい景色。
どのシーンも額に入れて飾れそう。
幻想的な光が差し込むスケートリンクで滑る少年少女。
タイトルからして優しそうな作品だと思っていました。
池松君の芝居は好き。スケートは詳しくない。子役も知らない。
フライヤーももらっていたけれど、いつも通り読んでいませんでした。
だけどそれが良かった。事前情報なしでの鑑賞がベストですね。
ほほう。。そう来たか。
まさかのソレはう〜んとなったが、ガラケーだったり、カセットテープだったり、時代設定が現在より少し前なのかな。
そうすると、"多様性"について今ほど語られる事がなかった時代、周囲の理解も今より進んでいなかったからな。
さくら(中西希亜良ちゃん)の動揺も本来なら大人(母親)がしっかりと説明し、何も問題ないと教えるべきだが、まだ、時代(日本)と人間が追いついていなかったからな。。
母親も嫌悪感丸出しで悲しくなりました
( ; ; )
(山田真歩ちゃんが中学生のお母さん役をやるようになったかぁ〜と思った)
彼女の刺した棘が悲しい変化をもたらしてしまうのだけれど、、
何故だろう。
彼女を責める気持ちにもならなかった。
タクヤ(越山敬達君:すごい名前ですね)も
荒川(池松君)も彼女を責めない。
哀しいし残酷だし残念なんだけど、、
車内の荒川と五十嵐(若葉君)の様子を目撃し、ある種の嫌悪感を抱くさくら。
自分の指導中にも関わらず、荒川がタクヤに向ける視線にも疑問を抱いていたのだろう。
ボタンの掛け違い、哀しい誤解。
さくらの、あの年代が持っている、
"特有の潔癖さ"が姿を現す。
あの言葉は残酷なのだけど、少女の動揺や嫌悪感、まだ分からない世界に触れた時の気持ちは理解してあげたかった。
3人で練習したかけがえのない時間、上達していく喜び。
それは紛れもない事実でそこに存在していた。
それだけで、尊く美しかった。
凍った湖で戯れる3人を観ているだけで泣けてきた。
どんな言葉を並べても表現出来ないような作品だし、自分の、どの感情が刺激されているのかもわからない。
この歳になっても、まだ言葉では例えられない感情があるものかと驚いた。
「PERFECT DAYS」鑑賞後に感じたような余韻が残る。
語れば語るほど遠くなりそうな作品なのだけど、誰かと感想を語り合いたくなる作品。
3人の宝物の様な時間を分けてもらった気分。
冒頭の初雪が降り始めたグラウンドに映し出されるタイトルから、もう決まっていた。
役者の演技も主題歌も全て完璧。
大きな事件も起きないしセリフも少ない。
終始静かに流れる時間。
それなのに、こんなにも心を揺さぶられるとは!
ラストの解釈も人それぞれだろう。
だけど、それで良いのだと言い切れる。
こんな表現の仕方で
"小さな恋の物語"を見せられるとは!
とても良い映画でした。
鑑賞動機:たまにはピュアピュアほっこりなお話で、心洗われて見よう10割
単なる要素の一つかなと思っていたらガッツリストーリーに関わってきて、ちょっとたじろぐ。いや思春期の潔癖さもあるのだろうけど、ただタクヤは…いいの? この歯痒さとやるせなさに心が波立った。現在ではない…よねこれ。
一方でスケート場面の光の加減の美しさやカメラも一緒に滑ってるっぽい場面は心穏やかに観ていられた。
タクヤの友達(コウセイ)は本当にいい子だ。
ふわぁ~と
心地良いもどかしさに包まれております
やっぱり、さくらは、荒川がほんのり好きだったのかな
だから、少しイジワルしちゃったのかな
そんな繊細な少年少女の心の機微を笑顔で眺めておりました
映像も演出も脚本も、すべてがキレイな作品
光りの加減、景色、音楽、
タクヤ、さくら、コウセイたち子どもの笑顔、
荒川と五十嵐のやりとり、
すべてが優しくて、ホンワリとした時間の中で流れていく…
それは、ちょっとした心のボタンの掛け違いで続かなかったけれど…
決して後ろ向きな気分になることなく、
雪が溶けて春が訪れるような温かく前向きな気分にさせてくれました
その視線の先に居る者
北海道の少年スポーツの事情はこうなっていたのか。
たぶん物語りの舞台は小樽だろう。
夏場は野球。冬になれば積もった雪でグラウンドが使えないので
同じメンツでアイスホッケー。
でも、これじゃあ用具代が高額で、
よほどの金持ち世帯でないとムリな気がするのだが。
『タクヤ(越山敬達)』は吃音を同級生にからかわれ、
野球もセンターの背番号を貰っていながら、
練習中もぼ~っとしている。
アイスホッケーでもゴールキーパーを押し付けられ、
そこでも動きが鈍く、易々とゴールを次々に許してしまう。
打ち込めるものが無い、なんとも中途半端な日常。
そんな彼が、練習後に向けた視線の先に居たのは。
『さくら(中西希亜良)』は『タクヤ』よりも年長で
フィギュアスケートに熱中。技量もかなりのもの。
謝礼を払いコーチをアサインし指導を受けるが、
的確な指示に不満はないものの、
時としてコーチが自分を見てないのが不満のタネ。
『荒川(池松壮亮)』は嘗ては一流選手だったようだが、
今は現役を引退し、スケートリンクの管理をしながら
『さくら』のコーチも務める。
が、暫く前から、視界に気になる影の存在が。
『タクヤ』が『さくら』の真似をし、
アイスホッケーのシューズでフィギュアスケートに挑み転び続ける。
『荒川』は専用のシューズを貸し与え、時間を見ながら指導、
ある程度サマになったタイミングで
二人にアイスダンスへの挑戦を提案する。
最初の三人の視線は見事に三角関係。
それが二人がアイスダンスの練習を重ねるうちに
ベクトルに変化が生じる。
全てが上手く回り出したと思った矢先、
『荒川』が同性の恋人とじゃれあうのを目撃した『さくら』は
少女らしい潔癖さと視線の意味を曲解し、以降の指導を拒絶する。
三人の関係の線は、ぷっつりと千切れてしまったようにも見えた。
デビュー作の〔僕はイエス様が嫌い(2018年)〕でもそうだったように
『奥山大史』が撮ると寒々しい雪でさえ、
何故かふわりと暖かいものに感じてしまう。
差し込む柔らかい光線の具合も同様で、
凍てついた季節も、何時かはほころびる日が来ることを予感させる。
本作ではラストシーンでとりわけ明快に
それが示唆される。
思わず胸がきゅんとするような
希望に満ちた結末が。
心の雫がワッとあふれだすエンドロール
*
観に行きたい観に行きたいと
ずっと楽しみにしていた作品でした
結果…本当に観てよかった!
個人的に今年のベスト5に入りそうです
そしてそして
パンフレット買って大正解!
登場人物の深い部分を知れます
馴れ初めも知れます
ぼくのお日さま読んで泣けます
*
ぽかぽかとした陽だまりが
いつもスケートリンクを
ふんわりと照らしていました
美しくて繊細な白い世界が広がっています
雪の日の清らかな空気感です
*
スケートの楽しさを
タクヤと一緒に感じるような時間に
なんだかわくわくしました
初めてのことを覚えるって
ぜんぶ新鮮でぜんぶ楽しいなって
子ども時代のわくわくを感じました
何度か笑えるシーンもあって
心がぽわっとあたたかくなりました
ペアでの練習のときの
「タクヤ〜!」のガヤだったり
プロ時代の荒川の写真を真似て
茶化す五十嵐だったり…
3人で課外練習をするシーンは
ずっとずっと心にしまっておきたい
綺麗で大事な宝物になりました
永遠ではない儚い永遠です
タクヤとコウセイのシーンも好きでした
屋上の雪が綿にみえました
ふたりの雰囲気がふわふわしているから
そんなふうにみえたのかもしれません
登場人物の一人ひとりが
とにかく愛おしくてたまらないです
*
サクラが「気持ち悪い」と言い放ったのは
ほんのり淡く荒川を好きだったから
余計そう感じてしまったのかもしれません
マイノリティの捉え方は
子どもとか大人とかは関係ありません
相手の人のことをどう思っているかで
変わってくるものだと思います
目撃してしまった…のあのシーンは
雪がとても重々しく感じられて
まるで泥のようでした…
荒川はコーチにつく生徒がいなくなって
あの街を離れていってしまうけど
五十嵐とは遠距離でもいいから
繋がっていてほしいと願うばかり…
「分からない」という曖昧な言葉を信じたい
しかし、パンフを読むとこの願いは
雪解けのように儚く消えてしまいそうです
荒川も五十嵐も好きな人を好きでいて
ただ普通にふたりの幸せの暮らしを
営んでいただけなのに
その幸せが別の幸せを壊した
どっちもは難しい どっちかはダメ
だったら両方置いていく
そんな荒川の選択が切なくてたまらないです
*
春になってタクヤがサクラに伝えた言葉
「ありがとう」かな…なんだろう…
ふたりのダンスがまたあそこから
始まっていけばいいなと思いました
ハンバードハンバードの
『ぼくのお日さま』を聴いていたら
いろいろな感情がこみ上げてきて
ぽろぽろと涙が頬を転がっていきました
エンドロールも本編
エンドロールこそ本編
*
池松壮亮さんはいい意味で
脱力感のある演技が上手ですね
演技なのかそうじゃないのか
よく分からないところが
神の仕業だと思っています
越山敬遠くんは天狗の台所から
注目している俳優さんです
これからもっと伸びていくのは
間違いないと思っています
インタビューの受け答えが
しっかりしていて素晴らしい
今後も出演作に注目していきたいです
*
映像や演技は素敵だけどラストは嫌い
なんで、吃音の主人公なのに言葉が出るまで待たずに終わらせたの?
二人が再会したところで終わってたら、遅くても主人公が声を出す前に、開口したタイミングで終わってたら全然印象が違った。
明らかに声出てたよね?話そうとしてたのに言葉が出る前に切ったよね?そのタイミングだと『あの後なんて言ったのかな〜』みたいな感想にならないよ。なんで待たないんだよって思うよ。
主人公がコーチに靴を貸してもらうシーンで、やっと「ありがとう」が出たときにはコーチは去ってて。靴をもらうシーンではちゃんと「ありがとう」が伝わって。『あー良かった』って思ったのに。
女の子の扱いも結構ひどい。突然、スケート始めたばっかりの主人公と組まされて。明らかに女の子の力を伸ばすためじゃなくて、主人公の都合優先ってわかるもん。コーチが主人公の恋を応援してあげたかったから??そりゃモヤッとして当然だよ。せめて正当に怒らせてあげてよ。なんでコーチがゲイだったから差別されて拒否られた、みたいになってんの。あの子がコーチにもお母さんにも、私はあんたたちの夢を叶える道具じゃないよって、怒るシーンがあったらマシだったのに。
主人公の行動も理解不能で。なんでホッケーに戻ってんの?フィギュアスケートには興味なくて、ただ女の子に近づきたかっただけ?誰かに憧れて新しいことを始めるって、きっとよくあることで。そのうちにそれ自体が好きになって、大切になるものだと思ってた。そういうふうに見えてたから、なかなかショックだった。
時代がピンとこなかったのはあって、20〜30年前のゲイやフィギュアスケートに対する偏見をもっと描いてくれたら違ったかもしれない。もう昔すぎて覚えてないから。
懐かしくてあたたかい。大人に沢山みてほしいな
初めのシーンから
なんとなく古めかしい、いや、懐かしく感じる画像。。わざと、そうしているんだろうな、と思いながら。
主人公であろう、タクヤくんは
ヒーローでも、なんでもない、ちょっと吃音の小学生。ぼやーとしているところ、あー、クラスに1人はいそうな、普通の男の子。
その彼が
冬になると、アイスホッケーを習うわけなんですが、
そこで、1人の可憐にフィギュアスケートをする
女の子にときめいちゃうんですな。
池松壮亮くん演じるフィギュアスケートの先生は
はた、と男の子の様子に気が付き、
声をかけて、フィギュアスケートを
教え始める。。。
静かなテンポで3人が近づき信頼が生まれ、
ほんとにココロが穏やかにながめられて(鑑賞ですな)おばさんは、いつのまにやら、
じんわり、なみだ。。。
急展開もまた、静かに起こる。。
だって、思春期だもの。
難しいよね。
パンフレット購入して、読み返したら、
人物設定が!!そーか。いろいろ、納得した。
個人的にストン、とおちました。
子役て、すごいな。
今年、わたしの中では「カラオケ行こ!」
と、接戦していますだ。
す‼️❓す‼️❓好きだ‼️❓
途中まで、池松くんが主役だと感じていた。
でも、彼がゲイで、少女に嫌われてから、違うことに気がついた。
吃音の彼と少女が出逢う、ボーイミーツガール、純愛物語なのだ、それに気づいて、あゝ、最高点の映画だと感じた。
池松くんも若葉竜也も、タバコとアイスの共有だけではゲイだとは気づかない、仲の良い兄弟くらいに感じてた、さすがの自然な演技の二人。
でも、少年少女、少女は可憐で、少年は素直で、スケートは血の滲む努力をしたんだろう、池松を含めて、それを感じさせないくらい、演技が上手いレベルじゃなくて、そのものがそこにいるように感じた。
余談だが、アインシュタインやトムクルーズは幼い頃、失語症だそうだ。
障害は個性、パラの特集で、本人や周りが、そう言っていたのを思い出した。
それを思い出させてくれて、なお、感動の純愛物語を見せてくれた、映画も捨てたもんじゃ無い、ありがとうございます😭
軒並み高評価の中、恐縮ですが(^^ゞ
寝落ちしなかったスオミを2.5としている手前上、半分以上寝落ちしていた作品を2.5以上付けるわけにはいかんのです😅
ストーリーは全然覚えていません🤣
というか、エンドロールの音楽が流れてハッと目が覚めるくらい熟睡できました(笑)
スケートの場面が美しい
タクヤとさくらのスケート場面が美しい。夏は野球、冬はアイスホッケーの生活の中、さくらのスケート姿に魅せられてスケートを始めるタクヤ。コーチへの信頼と憧れの入り混じった気持ちの中、タクヤとペアを組むことになるさくら。彼と暮らす場所を探し、この街にやってきた荒川。三人は小さな閉塞感の中で懸命に暮らしている。
特に大きな出来事はなく、三人は小さなきっかけで繋がり、小さなきっかけですれ違うが、タクヤとさくらの再会で、希望を感じさせて終わる。
カップ麺をすすり合う場面で描く、小さな触れ合いと幸せを感じる作品。
美しさのあとの鑑賞後の胸のざわつき
子どもたちの繊細でピュアな心の描き方、屋内に差し込む「美しすぎる」光。素晴らしかった。
最初は美しすぎると感じるも、そこにまけない演技とスケートと画作りにより、うっとりするとともに、神々しさも感じる。
スタンダードで人物が中央に立つ画はどの作品でも好き。
そして、湖での3人のスケートは近年稀に見る、心に残るシーンだった。
無邪気な子どもたちに触発されて、のびのびとする荒川役の池松壮亮もいいね。
このまま美しく終わってほしいとおもっていたが、そこで終わらないのも映画としてよかった。
ともすれ、池松壮亮に目が行きがちだけども、
「ぼくのお日さま」、それは人に与えられたものではなく、タクヤが自立して自分で掴んでこそ意味がある。波乱の中でのもやもや、ざわつきとともに、終了。
そして、主題歌で心情を描く。これ以上ない終わり方ではないだろうか。
月の光とお日さまの光
吃音症で言葉を上手く伝えられないタクヤ
感情を表に出すことが少ないさくら
かつて一流のプロスケーターだった荒川先生
3人の感情の交わりを描いた群像劇。
吃音症や同性愛をテーマにした映画はこれまでも沢山あっただろうが、この映画ではそれらの「特徴」に過剰なスポットライトを当てることはない。あくまで3人の心のやり取りを描いている点が、作品としての美しさと澱みのなさを作り出しているように感じる。
3人とも言葉数が多い人物では無いが、スケートという言語を通じて互いに必死になって感情をやり取りしているように見えた。それぞれの目線と動き、スケート靴で氷を砕いて滑る音、リンクに残る軌跡、それらから言葉以上のものが伝わってきた。
映像としても非常に綺麗で、劇中のキーになる曲である「月の光」とタイトルの「お日さま」という対になる2つのモチーフを表現する光の使い方が印象的だった。
そして、「ぼくのお日さま」というタイトルから、お日さまとは、タクヤにとってのさくらのことだと思うかもしれない。しかし、果たしてそれだけだろうか。さくらにとってもまた、タクヤや荒川先生がお日さまであったかもしれないし、荒川先生にとってもタクヤとさくらがお日さまであったかもしれない。
3人ともが互いに光を与え合うように、スケート靴を履いて舞う光景が魅力的だった。
だが、お日さまはいつまでも空を照らしてくれる訳では無い。月の光が差す時に3人がどのような選択をするのか。
派手さはないけどジーンときた
「コーチ」と言う立場だけでなく「大人の男性」として荒川を意識し始めていたさくら。その荒川の「氷上では決して見ることのない笑顔」を見てしまってショックだったんだろうなぁ。初恋だったんだろうな。
ちょっと運動神経の鈍さが見え隠れするタクヤが練習を重ねて、綺麗に背筋を伸ばして滑ることができようになった時、「おっ、やるじゃん」と思わずニヤリとしてしまった。
エンドロールに流れるハンバートハンバートの曲が作品全体を締めてくれたような感じで、最後の最後まで楽しめた作品だった。
光の射す中で・・・‼️
ある雪国を舞台に、吃音の少年タクヤが、スケートを一生懸命に練習するさくらに一目惚れ。さくらのコーチである荒川の計らいで、タクヤとさくらはペアのアイスダンスの練習をすることに。メキメキと上達していく二人だったが、ある日、荒川がゲイであることを知ったさくらは・・・‼️三人のひと冬の出来事を、スケッチ風にほのぼのと綴った好編です‼️光が射し込むアイスリンクや、氷が張った池の上でスケートの練習をする二人のシーンが美しく、さくら役の中西希亜良ちゃんの透明感がホントにスゴい‼️将来が楽しみな女優さんですね‼️冬が終わり、荒川は町を去り、さくらは一人でスケートの練習、タクヤは野球部へ‼️苦いラストかと思いきや、道端で偶然再会したタクヤとさくらの表情には笑顔が‼️ペアの再結成かもですね‼️
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