「心の雫がワッとあふれだすエンドロール」ぼくのお日さま 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
心の雫がワッとあふれだすエンドロール
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観に行きたい観に行きたいと
ずっと楽しみにしていた作品でした
結果…本当に観てよかった!
個人的に今年のベスト5に入りそうです
そしてそして
パンフレット買って大正解!
登場人物の深い部分を知れます
馴れ初めも知れます
ぼくのお日さま読んで泣けます
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ぽかぽかとした陽だまりが
いつもスケートリンクを
ふんわりと照らしていました
美しくて繊細な白い世界が広がっています
雪の日の清らかな空気感です
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スケートの楽しさを
タクヤと一緒に感じるような時間に
なんだかわくわくしました
初めてのことを覚えるって
ぜんぶ新鮮でぜんぶ楽しいなって
子ども時代のわくわくを感じました
何度か笑えるシーンもあって
心がぽわっとあたたかくなりました
ペアでの練習のときの
「タクヤ〜!」のガヤだったり
プロ時代の荒川の写真を真似て
茶化す五十嵐だったり…
3人で課外練習をするシーンは
ずっとずっと心にしまっておきたい
綺麗で大事な宝物になりました
永遠ではない儚い永遠です
タクヤとコウセイのシーンも好きでした
屋上の雪が綿にみえました
ふたりの雰囲気がふわふわしているから
そんなふうにみえたのかもしれません
登場人物の一人ひとりが
とにかく愛おしくてたまらないです
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サクラが「気持ち悪い」と言い放ったのは
ほんのり淡く荒川を好きだったから
余計そう感じてしまったのかもしれません
マイノリティの捉え方は
子どもとか大人とかは関係ありません
相手の人のことをどう思っているかで
変わってくるものだと思います
目撃してしまった…のあのシーンは
雪がとても重々しく感じられて
まるで泥のようでした…
荒川はコーチにつく生徒がいなくなって
あの街を離れていってしまうけど
五十嵐とは遠距離でもいいから
繋がっていてほしいと願うばかり…
「分からない」という曖昧な言葉を信じたい
しかし、パンフを読むとこの願いは
雪解けのように儚く消えてしまいそうです
荒川も五十嵐も好きな人を好きでいて
ただ普通にふたりの幸せの暮らしを
営んでいただけなのに
その幸せが別の幸せを壊した
どっちもは難しい どっちかはダメ
だったら両方置いていく
そんな荒川の選択が切なくてたまらないです
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春になってタクヤがサクラに伝えた言葉
「ありがとう」かな…なんだろう…
ふたりのダンスがまたあそこから
始まっていけばいいなと思いました
ハンバードハンバードの
『ぼくのお日さま』を聴いていたら
いろいろな感情がこみ上げてきて
ぽろぽろと涙が頬を転がっていきました
エンドロールも本編
エンドロールこそ本編
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池松壮亮さんはいい意味で
脱力感のある演技が上手ですね
演技なのかそうじゃないのか
よく分からないところが
神の仕業だと思っています
越山敬遠くんは天狗の台所から
注目している俳優さんです
これからもっと伸びていくのは
間違いないと思っています
インタビューの受け答えが
しっかりしていて素晴らしい
今後も出演作に注目していきたいです
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