「【観ていて温かい気持ちになって行く中盤までの展開と、その後のシビアな現実。けれどもヤッパリこの作品は温かい気持ちで観終えるんだよなあ。今作は若き男女の成長と幾つかの別れを描いた逸品だと思います。】」ぼくのお日さま NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【観ていて温かい気持ちになって行く中盤までの展開と、その後のシビアな現実。けれどもヤッパリこの作品は温かい気持ちで観終えるんだよなあ。今作は若き男女の成長と幾つかの別れを描いた逸品だと思います。】
■アイスホッケーのキーパーをしているタクヤ(越山敬達)は、吃音のある男の子。ある日、同じスケートリンクでフィギュアスケートの練習をするサクラ(中西希亜良)の姿に惹かれて行く。
そして、タクヤは一生懸命にホッケー靴を履いたまま、フィギュアスケートの練習をするのだが、転んでばかり。
そんなタクヤの姿を見たサクラのコーチをしている元プロのフィギュアスケート選手だった荒川(池松壮亮)は彼にスケート靴を貸してあげ、コーチをしてあげるようになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・“ぼくのお日さま”の意味は、色々と考えられると思うけれども、私はタクヤに親切にフィギュアスケートを教えてくれる荒川であり、タクヤがその流麗なスケートをする姿をぼーっと見ていたサクラであり、タクヤの事を温かく見守る家族や親友の男の子であると思ったな。
あとは、ゲイである荒川にとっては、純粋で、純朴なタクヤではないかなとも思ったな。
映像から言えば、スケートリンクに柔らかく窓から差し込んで来る太陽の光かな。
・中盤までは、荒川の指導を素直に聞くサクラがタクヤとアイスダンスのペアになり、楽しそうに練習する姿や、三人が野外の凍った湖で練習した後に、雪上で遊ぶ姿がとても良かったなあ。
・けれども、サクラが荒川が楽しそうにタクヤと接する姿や、荒川のパートナーの男(若葉竜也:この人が出演する映画は、殆ど良いね。)と楽しそうに車の中で戯れる姿を見て、少しづつ不機嫌になって行って、母(山田真歩)の言葉もあり、アイスダンスの昇級試験を無断で休むところから、トーンが変わって来るんだよね。
それは、サクラが女性として成長したという事であるのかもしれないし、ゲイに対する偏見かも知れない。
しかし、奥山監督は第一作の「僕はイエス様が嫌い」と同様に、その辺りの解釈を観客に委ねている気がするんだよね。
<荒川はパートナーと別れ、思い出の湖畔でタクヤとキャッチボールをして、別の地に旅立つ。
そして、タクヤとサクラは少し成長して、見通しの良い一本道で久しぶりに出会うのである。
二人は、そのまま柔和な表情のまま、歩いて近づき、吃音のタクヤが何かを言い掛けて、暗転するのだけれども、私はタクヤはサクラに対して肯定的な事を言ったのだと思ったな。
でなければ、アンナに優しい表情で近付かないでしょう。
今作は、観ていて、温かい気持ちになって行く作品であり、その理由は何といってもタクヤを演じた越山敬達君の柔和な表情と、サクラを演じた中西希亜良さんのポニーテールの似合う姿ではないかなと思ったな。
勿論、池松壮亮さんと若葉竜也さんの安定した演技がそれを支えているのは、間違いないんだけどね。>
>温かい気持ちになって行く作品であり、その理由は何といってもタクヤを演じた越山敬達君の柔和な表情と、サクラを演じた中西希亜良さんのポニーテールの似合う姿
大いに共感です。
膝が壊れるほど打ってうなずきました!