「森に潜む不穏な陰」ザ・ウォッチャーズ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
森に潜む不穏な陰
M・ナイト・シャマラン監督がプロデュースし、その娘イシャナ・ナイト・シャマランが、初監督作品としてメガホンを撮ったサスペンス・ホラー。冒頭、不穏な森から必死に逃れようとする一人の男とその男を得体の『知れない何か』が追い詰めるシーンから映し出される。のっけから、ハラハラ、ゾワゾワさせる緊迫感と悲壮感を植え付けてくる、シャマラン・ワールドに引きずり込まれた。
『得体の知れない何か』は父のシャマラン監督も得意とするところ。そのDNAをしっかりと娘も引き継ぎ、その『得体の知れない何か』を『森の監視者』として描いた作品。ある意味、最近の父の作品より、個人的には、ストーリーの展開を楽しめた。但し、やっぱりラストがどうもご都合主義で、しっくりこないでエンドロールを迎えるのも、父のプロデュースの影響なのか…とも勘ぐってしまう。(笑)
15年前の交通事故で母を亡くしたミナは、そのトラウマからなかなか抜け出せないでいた。ある日ミナは、鳥籠の一羽の鳥をある場所に届けに行く仕事の途中、森の中で迷い、車も故障してしまう。助けを求めて森を彷徨っていると、車が消えてしまい、何かが追ってくる気配を感じる。そんな時突然、ガラスに囲まれた鳥籠と呼ばれている小屋が現れ、その中にミナは避難した。
そこには、老婆のマデリンと若い女性シアラと10代のダニエルが居た。彼らは、毎夜訪れる『得体の知れない何か』に監視され、怯えながら何か月も鳥籠で暮らしていた。そして、そこには破ると、『得体の知れない何か』に殺されてしまうルールがあった。何とか脱出を図ろうとするミナだったが、次第にその鳥籠が作った人物や作られた目的、経緯が明らかになる中で『得体の知れない何か』の、驚愕な正体も見えてくるのだが…。
主役には、どこかで観た覚えがあると感じていたら、なんと『宇宙戦争』でトム・クルーズの子供役や『トワイライト』シリーズでも出演していてた、ダコタ・ファニングが演じていて、随分、成長した姿に驚かされた。