「不思議な人ばかり出てくる映画」祝日 flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な人ばかり出てくる映画
伊林監督の2作目。
この監督の作風にも慣れてきた(^-^*)
とにかく間をたっぷり取る独特のテンポは健在なのだけど、今作は主人公の希穂が置かれている状況がとてつもなくヘビーなこと、またファンタジー要素が入っていることもあって、前作よりはテンポが良いように感じる。
そして希穂以外は天使、突然踊り出すカフェ店員、街中でタキシードを着ているマジシャン、喪服の脱げないアフロの中華料理屋の店主、アリを踏んだ小学生等々、"普通の人"がほぼ出てこない(笑)
なのでちょっとシュールなムードは漂っているけど、そもそも希穂と一緒に行動しているのが天使なので、全体的なトーンは調和が取れていて、話に入り込むことができた。
アフロ店主とのシーンは長く、ある意味クライマックスなのだけど、ここは良かった。アフロの独白と表情に引き込まれた。
まさに「ヘンテコな世界」が希穂に活きる意思を与えたのだけど、その主題を抑えた演技や演出にフラットなシナリオで言葉少なに語るあたり、押しつけがましくなくて好み。
前作の「幻の蛍」は、監督が息子の友人という繋がりで義理で観に行ったら期待値よりは良かった、と思ったのだけど、今作ではこの監督が撮る映画をもう何作か観たいな、と思った。
もう何作かチャンスがあれば、この監督、化けるかも。
今後に期待してます。
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