蛇の道のレビュー・感想・評価
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柴咲コウの目力
とりあえず旧作を観ていても、観ていなくても楽しめるはず、とまずは書いておこう。
哀川翔と香川照之の演じた旧作(1998)における、哀川翔の立場なのが、柴咲コウらしい。
ほぼ、柴咲コウ映画。
彼女の目力を見るための作品。
犯行・計画の稚拙さとか、拉致した連中があっさり白状するご都合さとか、いろいろ問題はありますが、その辺がどうでもよくなる柴咲コウ。
フランス(というか海外)にした理由は、最後の最後でわかりました。
西島秀俊が演じる吉村は、なんのために出てきたキャラかわかりにくかったです。
おそらく「自分の手で始末する」意味を見せるものであり、柴咲コウ演じる小夜子がすべてを成し遂げた後の姿を暗示するんでしょうね、と推測。
旧作の続編『蜘蛛の瞳』相当の先取りというか。
あ〜それでか
ラストのサヨコの一言がメッチヤ恐ろしかった作品。 本年度ベスト級。
オリジナル版は多分、過去に鑑賞してるけど全く記憶に無い(汗)
本作観賞後も思い出せなかった(笑)
本作は柴咲コウさんの為に作られた作品だった感じ!
彼女の演技に加えフランス語や英語で喋る姿が凄かった!
(吹き替えじゃないよね?)
出だしから主導権を握る精神科医のサヨコ。
惨殺された娘の父親、アルベールの復習劇を手助けする感じ。
サヨコが何故そこまでするのか?
怪しい展開でサヨコが何かを企んでいることが推測されるけど全く予想が出来ない。
精神科医の立場を利用した展開と予想するも、そうでは無い感じだった。
アルベールが終始サヨコに操られている感じに違和感。
かなり回り道をした感じがしたけど、精神科医のサヨコのサイコパス感を表現していた感じ。
多くの拷問グッズが出てきてグロいシーンが来るかと思いきや肩透かしを喰らった感じだけど安心する(笑)
本当の復習劇のナルホド感は、途中から予想出来たので満足度は低め。
西島秀俊さんは何の為に出演していたのか?
良く解りませんでした( ´∀`)
期待度△鑑賞後の満足度◎ 怖い、怖い ! こんな怖い映画、久しぶりに観た。子供の頃に楳図かずおの『へび少女』や『おろち』を読んだ時くらい怖い。これに比べると最近のホラーは屁みたい。
①ラストの青木崇高の表情は正に“蛇にみこまれた蛙”状態でしたね。伏線は西島秀俊のエピソードか。
ラストの柴咲コウの眼も、『へび少女』の「眼」を参考に練習したのかも、と思うくらい蛇の眼でした。
②私も心療内科に通っているので他人事と思われないわ。
③『スパイの妻』はあまり感心しなかったが、本作は面白かった。
今やフランスを代表する俳優と言えるマチュー・アマルリックがこんな役で出るなんて黒沢清をリスペクトしてるのかな。
④柴崎コウの部屋のロボット掃除機の動きも何となく蛇の動きを連想させて薄気味悪かったですね。
映画に若さとか荒々しさとか粗削り感が精巧さだったり考えに考え尽くさ...
映画に若さとか荒々しさとか粗削り感が精巧さだったり考えに考え尽くされた作品を上回るわけがないというのが自分の映画観で(人それぞれの価値観で良いと思います)、そういう意味でいうと正当なリメイクだと思った。
リメイク前の無機質な香川照之も良かったけど、柴咲コウの死んだ目がすごい。フランスとの合作により『どこから見つけてきたの??』という完璧なセット、柴咲コウのラストシーンに向かっていく複数テレビの反芻シーンの面白かったらなかった。
基本的に新しもの好きなので、技術も高まっている今作のほうが好き。
ポン・ジュノで言うと(映画を映画で例えるな)、「パラサイト 半地下の家族」「母なる証明」が好きな人はリメイク版が好きで、「殺人の追憶」「グエムル-漢江の怪物-」が好きな人はその逆ではないかというド偏見。
終わりなき復讐譚
1998年制作の自身の監督・脚本作品のセルフリメイク。
その時の舞台は日本、
主役は『哀川翔』『香川照之』の二人だったよう。
今時の人は蛇が通った跡を、
見たことなどそうはあるまい。
自分は昔の人間で、
しかも田舎育ちだからそこそこ目にしている。
太い一本の線が縦に伸び、
鱗の跡が波紋のように横線を描く。
一目で蛇が通ったと判る痕跡。
本作の舞台はフランス。
幼い娘が惨殺遺体で発見され、
父親の『アルベール(ダミアン・ボナール)』は犯人への報復を誓う。
自身の治療のために訪れていた病院で
精神科医の『小夜子(柴咲コウ)』と知り合い、
彼女の助けを借りながら一人また一人と
容疑者を割り出す。
とは言え、やはり素人コンビの稚拙さ。
相手が体力の持ち主であれば
時として圧倒され、窮地に追い込まれる。
が、そうしたピンチも乗り越え、
二人は真の黒幕に近付きつつあるようにも見えるが
その後には死体がいくつも重なる。
しかし、傍から見ていて、どうにも腑に落ちない違和感が。
報復の主体である『アルベール』は全体的におよび腰で、
アシストの立場である『小夜子』の方が積極的にコトを運ぶ。
それは容疑者に対する尋問の場でも明らかで、
亡くなった娘の在りし日の姿をビデオで見せ、
死体検案書を淡々と読み上げるばかり。
こんなあっさりした手法で、
(実際に殺人を犯していたとしても)ホントに自白するか?と
思ってしまう程度の生ぬるさ。
一方の『小夜子』はパートナーの『アルベール』を時として出し抜き、
したたかなネゴシエーターぶりを見せる。
弱気ぶりを叱咤する場面すら見られ、
彼女のモチベーションの高さは、いったいなぜなのか。
とりわけ『小夜子』が、
先を見通したような振る舞いをすることの不可解さ。
この違和感の正体は、
終幕のエピソードで明らかに。
『黒沢清』は、なかなかに手練れの脚本を紡いだもの。
悪の彼岸と此岸の曖昧さを再認識することになる。
もっとも、全ての真相が明らかになっても、
鑑賞者の側は通常の復讐譚で得られるカタルシスを
微塵も感じない。
それどころか、「蛇の眼」に見つめられたような
ざらっとした不快感だけが残る始末。
『柴咲コウ』の演技の賜物は、
既に狂気に囚われた者の表情を
余すところなく体現する。
鑑賞動機:あらすじ6割、黒澤監督3割、柴咲コウがフランス語喋ってる1割。
オリジナル版は存在も知らなかったけど、あらすじでちょろちょろ禍々しさが感じられたので。
声ですぐ西島秀俊とわかるけど、中々顔を見せないし、やりとり自体もうっすらと不穏な空気が立ち込めるもの。何かあるのか…。うわあ。
拉致の手口としては杜撰極まりないけど、もう少し上手くいってもおかしくない状況にして欲しかった。
とはいえ、ほとんど表情を変えない柴咲コウが、何かするたびに身構えてしまう。意図や動機が見えてくるまで不気味だった。最後にまた…。あれ、そうなの? それとも単なる言葉尻を曲解しているだけなの? 日本に殺りに行くのだろうか。
マチューがノリノリ過ぎて吹いた
オリジナル観てなくても大丈夫
Noir
Vシネのオリジナル版は未鑑賞。
舞台を日本からフランスへと移してのセルフリメイクというバンドっぽいやり方だなーというところにも惹かれての鑑賞。
抜けたところはありつつも、全体的にどんよりしたオーラを纏った復讐劇でしっかり楽しめました。
元がVシネというのもあって、サクサク事は進むし、次の展開へパッといってくれるのも良かったです。
監禁部屋がソウシリーズみたいな感じで、そこに手錠と足枷を置いてあるシンプルな部屋にぶち込んでジワジワいたぶる、精神的に責めるというのはが好みでした。
飯は床にぶちまけたものを這いずらせて食べさせて、小便大便はさせてもらえず、娘の事を話す時は一言一句同じセリフが飛んでくるという気が狂ってしまいそうなものがこれでもかと詰め込まれていました。
作戦はしっかり立てるのにズタ袋に入れてからは頑張って引きずって車に積み込むという、急に無策になるところが何度もあって、ギャップなのか笑えてきました。
こういう感じで意図してるのかしてないのか分からないけど笑えるシーンがそこそこ揃っていて、ちょいブラックジョークな作風もハマりました。
死体をちゃんと並べて置いてたり、小便大便をトイレで出来ないことを悟ったら、1日1回の水浴びでしっかり浴びて、飲める時に飲んどけという理由でホースの水を飲んだりと、極限状態のはずなのに笑えました。
これでもかってくらい関係者がいて、芋づる式に全員殺し殺されていくので、個人的には飽きずに次はどんな手で殺されるんだろうと見入ってしまいました。
全体的に無理のあるシチュエーションは多く、猟師がなぜか新島とアルベールには全く銃弾を当てられないし、ジムでの強襲はなぜ誰も気づかない?と笑えましたが違和感は満載で、ここが気になる人はほとんどだと思います。
ラストシーンでの旦那へと向けた柴咲コウさんの光なき黒目が素晴らしくて、この吸い込まれるような瞳を観れただけでこの作品を観て良かったなという満足感がありました。
セリフの淡々とした鋭さも相まって、日本へ復讐へ行くのか、それともフランスに呼び出して…想像が膨らみますが、膨らませるにとどめておいた方が良さそうな気もします。
西島さんの出演が全体通しても復讐劇にはなんら関係ないなーと思って観ていましたが、近寄ってくるシーンや質問するシーンなんかはとても不気味で、そこにあった違和感を復讐劇で発散するもんですから、意外と良い役割を果たしていたなと思いました。
満足度は高く、粗はあれど作品としては結構好きでした。Vシネマの方も観なきゃなーです。
鑑賞日 6/14
鑑賞時間 18:25〜20:30
座席 J-13
柴咲コウの演技が圧巻!
予告を目にしなかったので事前情報を持たず、サスペンスものということで興味をもって鑑賞してきました。率直な感想としては、確かにサスペンスとしてのおもしろさは感じますが、スッキリしないものも残り、ちょっと微妙な印象です。
ストーリーは、フランスで精神科医として働く新島小夜子が、幼い娘を惨殺された父親アルベール・バシュレと偶然知り合い、彼の復讐に手を貸し、疑いのある男を次々と拉致して尋問しながら、しだいに真相に迫っていくというもの。事件の真相解明もさることながら、その過程で小夜子の背景が明らかになっていくという点が見どころとなっています。
全体的に拉致と尋問を繰り返す流れなので、重苦しい絵面が続きます。そこでの小夜子の言動も常に冷めたもので、彼女の真意をつかみかねます。そんなローテンションぶりがずっと続き、なかなかテンポが上がりません。しかし、アルベールが近くにいなときの小夜子の言動、精神科医として診察する姿、自宅での様子から、彼女への不信感が募ります。娘の復讐を果たそうとする男に協力していると見せかけて、実は彼を操っているのではという疑問が湧いてきます。このあたりからしだいに惹きつけられ、おもしろくなってきます。
ただ、ちょっと無理筋が過ぎるというかご都合主義な点が多いのは気になります。まずは3人の男の拉致。白昼堂々と犯行に及んだり、野ウサギを仕留める腕前の男からの銃撃をかわしたり、人の出入りの多そうな場所で派手に格闘したりと、全て成功したのは奇跡としか思えません。また、しだいに真相が明らかになるものの、結局小夜子は初めから全部わかっていたのではないかと思えるほどの落ち着きぶり。だったら、こんな回りくどいことをする必要があったのでしょうか。真相を知っていたのなら、一人ずつ抹殺すればいいし、それなら単独で実行すればよかったのではないかと思えてきます。そんな感じで、真相がわかってもなんだかモヤるのは残念です。せっかくの全編フランスロケなのに、その魅力を伝える描写が少ないのももったいないです。
とはいえ、リベンジが終わってないことを匂わせるラストは悪くないです。きっと日本にいる夫も殺されるのでしょうね。小夜子の診察を受けていた吉村がそうであったように、自身の手で終わらせない限り、苦しみから逃れる術はないのかもしれません。
主演は柴咲コウさんで、笑顔を一切封印し、全編フランス語でヤバい女を演じているのが圧巻です。脇を固めるのは、ダミアン・ボナール、マチュー・アマルリック、西島秀俊さん、青木崇高さんら。
映像美
わかりにくい
あれ?西島秀俊は?
恐怖はあるが、余韻はないかな
不条理サスペンス
オリジナル版は未見で本作を鑑賞。封切日の2回目上映で観客は15人ほど。
8歳の娘を何者かに惨殺されたジャーナリスト「アルベール・バジュレ」(ダミアン・ボナール)は病院に通院し、そこで心療内科医「新島小夜子」(柴咲コウ)に復讐への協力を申し出られる。夫婦で渡仏した小夜子だが、その後夫「宗一郎」(青木崇高)は日本に帰国し、いまはTV電話で連絡を取り合うだけの関係になっている。
小夜子がつかんだ手掛かりから「ミナール財団」が怪しいと睨んだ2人は、財団の会計係を務めていた「ティボー・ラヴァル」(マチュー・アマルリック)を拉致して廃工場に監禁。なぜか小夜子はアルベール以上の冷酷さを見せて、ティボーにトイレを許さず糞尿を垂れ流しにさせ、食事もコンクリートの床にぶちまけて拾い食いさせる。それに感化されたアルベールも、残酷さを露わにしていく。
ティボーの自供から、財団内の秘密サークルが、児童の人身売買や臓器売買、さらに生きた児童から臓器を摘出する様子を撮影したスナッフ・ヴィデオの密売を行なっていた事実が判明。2人はサークルの関係者を芋づる式に拉致・拷問して、首謀者に迫っていく――といったストーリー。
全編フランス・ロケはすばらしかった。柴咲コウの硬質な演技もよかったし、フランス語の台詞を流暢だった。
ただ、ミステリーとして観た場合、粗が目立った。ネタバレばれになるので詳しく書けないが、そもそもアルベールが娘を殺した犯人を追及しようとする動機が不明だ。
サークル関係者を拉致する過程で小夜子はばっちり顔を目撃されてしまうが、フランス警察は何をやってるんだよと思う。
クライマックスでアルベールと小夜子はサークルのアジトに乗り込むが、そこにあらかじめ小夜子が仕掛けておいたらしい小道具があるのも不自然。黒沢清監督がストーリーの厳密さより映像的表現を優先させた結果だろう。
廃工場に電気ガス水道が通っているのもおかしい。それに、どこか郊外にある工場なのかと思ったら、意外と街中にある様子が最後に映し出される。けれども、これでは悲鳴が外に漏れてしまいそうだし、近所の悪ガキに入り込まれて男たちを発見されてしまう恐れもある。ロケ地の選定にはもうちょっと気を配ってほしかった。
本作はだから、ミステリーというより不条理サスペンスと呼んだほうがいいだろう。
合わない
謎は解けたっていうかなんちゅうか本中華
元作品を見ずに鑑賞
ずっとアルベールと小夜子の関係性がただただ疑問だった。
なんで医者と患者の関係性でしかないのに小夜子がここまでリスク負う事があるんだろう?
実際のところ無表情な狂言回しに踊らされてるだけではあったわけですが、この自称ジャーナリストのアルベールは話が進むにつれて己が抱えた闇を晴らす糸口みたいなものが出てくるたびに拒否反応ばかり示す。
こいつは何がしたいんだ?捕まえてきた人の虐待か?無能かよと。
訥々と読んでた娘の死亡記事も結果的にはお前知らないわけでもなかったじゃんとか。
なんだったらキーマンみたいな人たちは薄々わかってたくせに受け入れようとしてなかっただけじゃんみたいな。
ラストにその謎は解けるわけだけですが道中、落とし所というかゴールがなんだかよくわからない話が続く。
なんだったら医者だし、急にいなくなるし、ドンパチしてる中でアジトのモニター放送操作とか館内放送とかやっちゃうしで真の黒幕が小夜子かと思ったぐらい。
終わらない、終わらせる、決断するのは己的な暗喩的な存在?の役名忘れたけど西島秀俊さん必要だったのかな…
死体のオイニーは強烈らしいけど野晒ししたりトランク入れっぱなしだったり大丈夫なのかな…
大きいところのなぜ?はアンサーがあるので、話そのものは見ていられるけど、ところどころ話の詰めが甘いと感じた。
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