「完全な傑作。ただし作品の世界観的に人は選ぶ」映画 ギヴン 海へ せいやさんの映画レビュー(感想・評価)
完全な傑作。ただし作品の世界観的に人は選ぶ
ここまでアニメや映画、漫画のギヴンを履修した人に向けて最大の贈り物。正直70分前後とは思えないくらいボリュームがあって不思議な時間体験をしました。
原作を全て完結編まで履修していてもアニメ化の際の構成面の入れ替えだったり「冬のはなし」「海へ」で立夏がコーラスデビューしたりと新鮮に感じました。
「海へ」に関しては玄純、春樹、秋彦はかなり出番が少なくなっている分、由紀と真冬関連の話に振り切った感じです。
由紀への執着と未来への不安をあえて背負ったまま「音楽」と「上ノ山」と一緒に歩く決断をするまでの話。
漫画の8巻や9巻を読んでない人&りつまふ勢には少し辛いかもしれないですが……そこも含めてギヴンの良さだと思うので見守ってあげて…
映画館で「海へ」「冬のはなし」「結言」を聴くと立体感がすごくて…スマホなどで聴くのとは全然違う…
ギヴンの音楽を聴けばその作中の人物の思いがわかると思っているのですが今回も例に漏れず…いやそれどころか今まで以上に深みを持ったものになっています…
個人的に嬉しかったのは
・アニメ9話のシーンをもう一度出してくれたこと。
・単行本限定の書き下ろしの話まで組み込んでくれたこと。
・笠井ちゃんが終盤に2人を見つめる人として描かれていること。
・ストリングスアレンジがプリキュアオールスターズFなどの音源を手掛けている深澤さんであること。
・「ストレイト」「パレイド」もほんの少しだけど使われていること
・真冬と立夏の卒業旅行がそこそこ長く描かれていること
・自我の強い上ノ山があえて柊を立たせるポジションに立つ良さ
・18歳前後の等身大の迷い(立夏・柊・玄純・板谷くんみたいなケースのキャラが目立っていたので)
書ききれないのでそのうち編集するかもです