「泣けるだけじゃない、色々と楽しめる映画です」知らないカノジョ ひぃさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けるだけじゃない、色々と楽しめる映画です
泣ける。泣いた。
確かにそうなんだけど、それだけじゃない私が楽しかったところ。
泣けるポイントはみんな書いてると思うし、概ね同意なのでそれ以外。
冒頭。まず「スクリーン間違えたか?」
この作品、単品で見せて下さいお願いします。
そこからの大学シーン。色がカラフル。この色彩が凄く好き。私の見やすさのポイント。普段邦画よりアニメの方が見るので馴染み深い。
居るよね、こんな大学生(多分)。まだ何者にもなれていない、夢を語り現実を知る前の良い時間だよね。そこからの空想と現実が交錯するシーンも好き。こういうのも漫画とかアニメ好きは見やすいと思う。
そしてイチオシ点描シーン。二人が両想いになって結婚するまで。ここが一番好き!ここまでで良い映画を観たなぁ、元取れたと個人的には思った。主題歌が凄く合ってる。洋楽の青春物って感じで。幸せが詰まっていて、その絶頂の結婚式フォト撮影!抱き上げて幸せ一杯に微笑み合う二人最高の笑顔。
そこからの翳り。
ここまでが凄く好きで、その先はもっと良いのだけどそれは見てもらえれば分かるので省略。
登場人物で言うと、みんなカジさんを好きになると思うし、おばあちゃんが可愛い。こんなおばあちゃんになりたい。
では、私が何を楽しんでいたかと言うとパラレルワールドについて。ツッコミどころもあると思うけど、主題はそこではないので。
まずはB世界のリク。どこに行ったんだろう?と解けない謎は置いておいて、このリクは作家には成れず挫折しながらも、カジさんとの友情にあつく、ミナミのファン。カジさんが比較的早い段階でリクが別人であると分かってくれたのは、A世界のリクは小説家として早くに成功した事で大学生の面影をたくさん残していたのかなぁと思ったり。
監督さんの助言の「大人ののび太くん」感が凄く出てると思う。「助けて、カジえもん」って言うのが初見の感想。カジさん、リクが小説書くことを凄く応援してくれるのは、自分も小説家を夢みた過去があったりするのかしら?と思ったり。
ミナミについて。ミナミは歌手になれる程歌が上手いけど、それを抜きにして一人の女性として考えた時、ABCどの世界線も分かるなぁと共感した次第。A世界の夢に少し臆病で好きな人を支える事で幸せは感じるけどもっとこっちを見て欲しい感じ。B世界の夢に全振り、それにより少し不自由だけど成功はしてる感じ。C世界(ミナミが語った未来)の二人共に成功するし、二人で幸せになろうとする感じ。これが、私は各時代の女性像って感じがした。大まかに昔、今、未来みたいな。C世界にするには二人で頑張らないといけない。相手を思いやる気持ち、夢を諦めない、一緒に幸せに生きていく!男女共にね。リクが気付いて良かったし、そこが映画のクライマックスなんだけど。夢も恋も諦めない「行くよ、女の子!」プリキュア見て育ってきた女の子達頑張れ!!って気持ち(笑)
歌唱シーン。どの場面も好きだけど、ミナミがmiletさんだからこそ嘘がない、そこが好き。ミナミの表情や仕草どの場面もチャーミングで好きなんだけど、歌唱シーンは別格。本当のコンサートで撮影してるのもあって、そういう空気感ってちゃんと伝わるんだなぁ。
リク。リクはリクでしかないんだけど、どうしても状況が重なってしまうとこにあとから気が付いた。あとからなのよ、本当に作品自体が凄く良かったし好みだったから。カラフルな映像も流れる楽曲や爽やかな空気感も凄く心地の良い映画だったから。あのタイミングでの撮影でなかったらこのリクにはなってなかったんじゃないかなぁ。泣き虫なリク。今日の地続きで未来がある訳ではなく、突然変わってしまう。それは、誰にだって起こる事だし、今とは違う未来を思い描く事もあると思う。それでも現実は地続きでしかないから、思わぬ形で状況が変わったらそこで懸命に生きて行くしかない。後悔もしてやり直せないけど、未来は少しでも良い方に向かいたい。リクを通して、人生について考えそれが涙に変わるけど見終わると清々しい気持ちになり前向きになる。
まとまりのない文章ですが、思った事は書けたかな。
書かないで終わる事もできるけど、正直にいこう。
「顔がいい」それはそう。でも、そこにいるのはリクだよ。凄く良かった。分かるでしょ?