「「自分の成功よりも、妻との愛を選ぶ」というプロットを明確にしてほしかった」知らないカノジョ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「自分の成功よりも、妻との愛を選ぶ」というプロットを明確にしてほしかった
オリジナル版の「ラブ・セカンド・サイト」を観た時も思ったのだが、主人公は、元の世界に戻って、何を取り戻したかったのだろうか?
おそらく、成功した作家としての地位や名声と、愛に溢れた妻との結婚生活の両方なのだろうが、仮に、作家としての成功を捨てても、妻との愛を選ぶといった、主人公の選択が描かれたならば、もっと感動的なラブストーリーになったのではないかと思えたのである。
その点、今回のリメイクには期待したのだが、やはり、そうした、成功か愛かの二者択一みたいな展開にはならず、少しがっかりしてしまった。
むしろ、ラストで、主人公が、書き上げた小説を捨てた理由が、オリジナル版では、「自分と一緒にいては、妻が幸せになれないと悟ったから」だったのに対して、今回は、「自分自身のことしか考えていなかったと気付いたから」となっていて、「妻のためを思って身を引く」という行為が分かりにくくなっているように思う。
「妻の幸せを願う」という点では、今回、現在の妻の恋人が「嫌な奴」として描かれているのも、失敗だと思えてならない。
その一方で、オリジナル版では、主人公が、元の世界に戻れたのかどうかがはっきりせず、少しモヤモヤしたのだが、今回は、元の世界に戻れたことが明確に描かれているので、そこは、スッキリすることができた。
ただし、戻った世界で、主人公は作家として、妻は歌手として、共に成功していたというオチには、何だか「出来過ぎ」感が強すぎて、唖然としてしまった。ハッピーエンドにするのは良いのだが、これでは余りにも安易過ぎるのではないだろうか?
それだったら、「別の世界に逃げない」という親友の思いを活かすためにも、「主人公は、妻が歌手として成功している世界に留まり、妻と愛し合うようになって、小説を書いて自分も成功する」という展開にした方が、よほど納得ができるエンディングになったのではないかと思えるのである。
それから、編集者となった主人公が、新人の小説家を成功に導くというエピソードとその顛末は、そっくりそのまま、無くても良かったのではないかと思えてならない。
成功を取り戻したい→今度こそ妻を大事にしたい、という移り変わりがあるべきでしたね。
また、終盤の流れは完全にあの世界に留まるものだと感じてました。
それが「2人とも成功してやったー」エンドだと、和江さんの「何かを失う」すら拾えてない。
整合性や統一感、伏線の回収、流れを汲んだ結末などが一切感じられず残念です。
ありがとうございます。
主人公が、「自分だけが成功している世界に戻りたがっている」ように見えたり、「有名人になった妻と親しくなりたがっている」ように見えたりしたところにも、モヤモヤしてしまいました。
ありがとうございます。
私は、主人公が目覚めたところで、小説の100万部突破記念パーティーの写真が飾ってあったのと、妻の「新曲をどうしようか」という台詞で、2人が成功している世界に戻ったのだと解釈しました。
でも、確かに、それは、妻が歌手として成功している世界で、主人公が小説を書いて成功した後の描写だと捉えることもできますね。
その点では、観客の解釈に委ねられたラストになっているというのは、仰るとおりだと思いました。
そっくりそのまま評価と感想について共感しました。
ただ元の世界に戻った明確な描写はどこだったのでしょうか、オレンジの光がぼやっとなったところですか?私的には元の世界に戻ったのか、二つ目の世界で自身も小説を書いていくのか視聴者の解釈次第的なラストなのかなと思いました。