「シリアスな忍たま乱太郎がこんなにドキドキハラハラそしてウルウルさせられるなんて……」劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師 TAKEさんの映画レビュー(感想・評価)
シリアスな忍たま乱太郎がこんなにドキドキハラハラそしてウルウルさせられるなんて……
とても面白かったです。まさか忍たま乱太郎でうるっとさせられるとは思いませんでした。クレヨンしんちゃんやちびまる子ちゃんと同じくらい長寿の国民的アニメ作品であるこの手の作品は、コナンやワンピースのように新規のファンにはわからない内容が散見してついていけないということが発生するのですが、恐らく初見の人でも楽しめるのではないでしょうか。古典的なギャグ、個性豊かで親しみやすいキャラクター、わかりやすい話の流れなどとても見やすい内容だったと感じました。
とはいえ古参のファンがうなる演出も多々あり、特に土井先生の話の深堀は素晴らしい出来だったと感じました。
細かい演出も多く、今回の事件の発端が土井先生の人の好さ(格下の忍者の果し合いをわざわざ受け、手加減しまくって、そこに偶然いた鳥の巣を気にかけたことで谷に落とされ、難なく対処したと思ったら思わぬ不運が重なって起こった。)や、人格が変わった八宝斎の見た目がいつもと若干違っていたり、ザットコンナモンのヘイトコントロール(もとはと言えば自分の隊の部下が発端であったため、その当事者に代役をさせ土井先生の心労を味合わせ は組の生徒にもその姿をまざまざと見せつけ恨まれないようにしたり、わざわざ先生たちに土井先生の暗殺を仄めかすようなことを口に出し、止めに入った利吉とアマチュア2人を戦闘不能に留めて「恨むなら私一人を」と自分に向けたりなどなど。そうです。筆者はザットコンナモン推しです。)、天鬼のネーミングセンス(毒タケ城の忍者は天気と鬼の組み合わせ〈ついでそれによって土井=天鬼と全く違う名前になるというセンス〉)、記憶が戻る時大概頭を抑えるところ天鬼は胃を抑える(土井先生は は組の物覚えの悪さにいつも胃を痛めていた。)、利吉の土井先生に対する呼び方やそれでわかる関係性などなど、ファンならにやりとするシーンがたくさんあって、滅多に活躍シーンが少ない6年生もたくさん見せ場を作ったのはファンにはたまらなかったのではないでしょうか。
あとこの映画はアニメ忍たま乱太郎らしからぬシリアスなシーンも結構多く、土井先生の失踪、流血演出がある6年生との戦闘シーン、土井先生の過去の生々しい描写、それによるキリ丸のキャラ崩壊(バイトを休む、タダで分け与えることに賛同する・・・この発言後すぐ雨が降った)、それによって見える忍たま乱太郎世界の世界観など。これを機に忍たま乱太郎を見直すのもいいかもしれません。