「トトロっぽさと、あと何かが混ざってた」化け猫あんずちゃん だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
トトロっぽさと、あと何かが混ざってた
原付に乗って、ガラケー首から提げて、按摩やって、豪快な料理をつくって、ピンクのおならをするあんずちゃん。なにこのかわいい生きもの…37歳、中村あんずって名乗ってる!おもしろーい。
無免許で警察に怒られて、ちゃりんこ派になり、パチンコで有り金失う。
そうそう、あんずちゃんのボディには毛皮のポケットがあるらしい!なにそれーうけるー!
化け猫っぽいのは、貧乏神が見えるところくらい?
いやいや二足歩行で人語を操るんだからじゅうぶん化けてる。
かりんちゃんは借金取りに追われる哲也(たぶん父)により、実家の寺に預けられ、あんずちゃんに出会う。南伊豆らしい。
初対面からあんずちゃんに対しては、いい子の仮面は被らない。ふきげんを隠さない。
かりんちゃんの「今」の子っぽい、いい子のフリとか、いじわるな感じとか、すらんと伸びた手足とか、2020年代の子だなーって思った。11歳かぁ。
まるいウズラ(なわけなかろう)に誘われ、森の穴に入ると、かえるちゃんが住んでいて、その寝姿はまるでトトロ…まるいウズラは小中トトロか!
エリンギみたいな神様とか、スイッチを正座して嗜む地蔵とか、信楽の狸とか、千と千尋の神隠し系でもある。
怖くないけど面白いビジュアルの鬼たちと、顔が國村隼に似てるけど声が國村隼じゃなかった閻魔大王(宇野祥平だった)、盆踊り会場での弱い助っ人たちのバトル…
地獄の入り口のトイレから、ゴキブリ⇒ねずみ⇒鳩から、間はわからんけど最後はカブトムシが、
エリンギみたいな神様に、かりんちゃんのピンチを伝え、みんなでスポーツカーで助けに行く(でも弱い)。
死んだ母を恋しがる11歳のかりんちゃんと、親身にはなってあげないけどみまもるあんずちゃんの
距離感が良かった。お寺のそこそこおっきい大仏、目が開いてたね。地獄にいたカラフル大仏と、何か関係あんのかしら?
つよいメッセージもないけど、のんびり楽しめて、なんかちょっと切なくて、よかった。
洋画が流行らない昨今の日本。メイディセンバーは公開初日の金曜の夜に見たけど、10人以下しか客いなくて、でもあんずちゃんは、火曜の夜で30人くらいいた。しかも若い子が多かった。邦画、ってゆうかアニメ映画を若者は見てるんやな、と思った。そらそうか。
映画といえば洋画と思っているのは、古い人の考えなんやなー。