劇場公開日 2024年7月19日

「あんずちゃんの尊い御姿が拝めます!」化け猫あんずちゃん やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あんずちゃんの尊い御姿が拝めます!

2024年7月21日
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鑑賞方法:映画館

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父娘の二人家族が、夏休みに父親の実家のお寺に10数年ぶり(娘にとっては初めて)に里帰りをする話・・・なんですけど、父親はまともな定職ついてる感じではなく、とりあえず闇金から逃げて存命の彼の父親にお金の無心するのが主目的の様です。

娘のかりんちゃんは、見た目はお母さん似の美少女の小学5年生。里帰りはイヤイヤなのが手にとる様で終始不機嫌ですが、それは今に始まったことではなさそう。
気に入らないことがあるとことあるごとに舌打ちし、可愛い容姿と捻くれた醜い性格が見事にアンマッチしつつ同居する、これはこれで興味深い個性です。まあ母親を早くなくし、ひとでなしの父親に育てられたらこうなるのも仕方ないかもしれません。

この登場人物並べただけで何が起こるか分からない不穏な雰囲気に紛れ・・・シュールに原付バイクで登場するのが「化け猫あんずちゃん」です!
しかし、唐突に登場する割になぜか初対面のかりんちゃんでさえ彼が化け猫=妖怪であることを認知しギリ存在自体は受け入れている様子。

正直、一瞬、脳がバグりましたが徐々に、この日本によく似た世界(笑)は、妖怪が誰の目からも可視化され一定の市民権?さえ与えられた状況にある、というのがストーリーが展開するにつれ感覚的に把握できました。

お金の無心に失敗したろくでなしの父親がかりんちゃんを残しいろいろ理由をつけて出て行ってしまいます。孫であるかりんちゃんを哀れに思った住職さんは、化け猫あんずちゃんにかりんちゃんの面倒をみてもらう様に頼むのですが、見た目可愛いかりんちゃんを全く特別扱いしません。

あんずちゃんは、かりんちゃんに対しなんだったらそこらのガキンチョと同じ程度のフラットな対応しかしないことが人を選んで色目使いぎみの彼女にとっては気に入らなくて、終始棘の有る態度、発言で反発します。

そんなの意に介さないあんずちゃんですが、「人間として生きていく上ですべきでないこと」を、化け猫の流儀でかなり変なタイミングで歯に衣着せぬ物言いで、ズバッと伝えるところが本当に爽快でした!

思うに、「自分だけの利益のため」に
・人を騙してはいけない。
・人のものを盗んではいけない。
・他人のテリトリーに入ったら現地のルールを守る。
・・・というのがちょっとディフォルメされつつも丁寧に語られていて良かったと思います。

そして「仲間を守るために体を張る時は」
上記の禁則をニャーニャー笑いながら破って奮闘する、あんずちゃんとその仲間たちの姿が矛盾をしつつもとても尊くて、お釈迦様やら観音様の化身かと思いましたよ。

小さな子供からご老人まで受け取るべきことは違うし、もしかしたらその感性が無い方もいらっしゃると思いますが、間違いなく素晴らしい作品と考えますので是非、夏休みに家族揃ってご鑑賞ください。

では。

やまちょう
満塁本塁打さんのコメント
2024年7月21日

イイねコメントありがとうございました。シロウトにも優しいパンフですね!😊

満塁本塁打