劇場公開日 2024年4月27日

「監督のプロモーション・ビデオみたいになっているような気がしないでもなかった。そこがちょっと残念」夜明けへの道 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5監督のプロモーション・ビデオみたいになっているような気がしないでもなかった。そこがちょっと残念

2024年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

6月19日、アウン・サン・スー・チー氏の誕生日に鑑賞。
軍に抵抗し、指名手配された映画監督の逃避行の記録ですが、思った以上に力のあるドキュメンタリーでした。

でも、監督のプロモーション・ビデオみたいになっている感じがしないでもなかった。そこがちょっと残念、というか気になりました。
自分自身ではなく、自分の周囲の状況を、たとえば監督が生活を共にすることになった地方の抵抗勢力の現状などをもっと伝えてほしかった。
だけど、そういう詳しい動きが国軍に知れたりするとまずいだろうし、いろいろと事情があるのだろうなぁ。

「夜明け」は、まだまだ遠いかもしれない。
けれど、「明けない夜はない」と信じて、ミャンマーの民主化を応援したいと思います。

追記
ぼくは、昔、ミャンマー(ビルマ)をひと月、旅してまわったことがあります。このときの旅行は、ほかのどの旅よりも充実したものとなりました。
仏教国ということもあるのでしょう、ミャンマーの人たちは、とても穏やかで親切でした。
長年の軍事政権支配の影響により近代化が遅れた国なので、あちこちで不便な思いをしましたが、近代化が遅れたからこその魅力がたくさんありました。そこでは、とても懐かしい空気——ぼくが子どもの頃の日本に漂っていたような大らかな雰囲気を感じることができました。
そのひと月のあいだ、ぼくは心地よい安堵感に包まれて旅をしていました。それまでぼくはいろんな国を訪ね歩きましたが、そのような感慨をおぼえた国はミャンマーのほかにはありませんでした。
帰国してからも、またミャンマーを訪れたいと思いました。そしてできれば移住して暮らしてみたいとさえ思いました。ですから、2021年のクーデターには少なからずショックを受けました。
ぼくはミャンマーの未来を案じています。……ミャンマーの人々が平和に安全に暮らせますように。

peke