愛に乱暴のレビュー・感想・評価
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息苦しさが伝染してくる
江口さん、小泉さん、風吹さん、キャストの皆さんの演技が素晴らしく物語に引き込まれていきました。
日々の夫婦生活、姑との関係、近隣住人との関係、
噛み合わないストレスが少しづつ、少しづつ、
蓄積されていく、ずっといつ爆発してもおかしくない爆弾をかかえてるようななんともいえない緊張と重苦しさが画面全体を覆い、その息苦しさが見ている側にも伝染してくるような映画でした。
各所に散りばめられた伏線が徐々に繋がってくる演出は上手いなぁと思いました。
そして普段から人に「ありがとう」を伝えることの大切さを改めて再認識させられました。この言葉ひとつで、日々の中で実は色々なことが大事に至らず解決されてるコトって山程あるじゃないかとさえ思いました。
雄弁なポーカーフェイスにしてやられた!
徐々に真実が明かされる度に、それまでのシーンを誤解していたことに気づき、心が揺さぶられまくりでした!
ミスリードも巧みで、確かにサスペンスですが、濃厚なヒューマンドラマとしても、女性や家の問題に言及した社会派ドラマとしても奥深い。
登場人物たちの細やかな心理描写が素晴らしい。
本音を出さないように表面上は取り繕っているけど、ちょっとした態度や仕草から心の声が漏れ出ちゃってますから。
そんな心の声たちに、イラ立ち、傷つき、共感しました。
小泉孝太郎さんのダメダメ夫も素晴らしい。笑
夫婦の会話が絶妙!
適度にモテる感じがするし、母親のことは桃子まかせだし、自分本位のお坊ちゃん。
トドメのセリフには開いた口が塞がりませんでしたが、あれは桃子へ対する誠意だったのかも。
言わずともがな。風吹ジュンさま最高です。
微妙に嫌な感じが素晴らしい。笑
電話の声だけでも裏側の心理を感じ取れる。
桃子への感謝が薄いところは“この親にしてこの子あり”と思わせるけど…
なんだかんだ息子が可愛いんだなぁ。
でも真守は絶対肉派よね。
母親と息子の距離感も絶妙。
とにかく江口のりこさんの雄弁なポーカーフェイスに騙されます!
ガラス戸に向かって「おかぁさーん」と呼びかける声のトーンもたまらない。苛立ちを抑えて明るく聞こえるギリギリの声。
自分の中の“正しくはこうあるべき”を貫き、社会的な属性にこだわる、桃子心理が手に取るようにわかる…
と思っていたら、不意に足元を掬われます。
漏れ出ている桃子の心の声をわかった気になっていた自分が恥ずかしい。
じゃあ、あのシーンは“正しくはこうあるべき”だけじゃなかったのか。。。
サティの名曲『お前が欲しい』が切なくて胸を締め付けられました。
驚きのラストには、見た方それぞれの感想があるでしょうが
私は桃子が社会的な肩書きから解放されて、自分の存在意義を見出すことができたと感じました。
きっと桃子はリフォームした家のオーブンでスペアリブを焼くことだろう。
クスッと笑えるシーンも大好き。
会社の元上司が戻って来ない気まんまん。
急かされたのに相手が遅れてくる。とか笑えました。
この寂しさは誰にでもあるかもしれない
原作を未読のまま鑑賞。
吉田修一原作の映画化作品、本当に最近多いなと思うけど、今回のお話は特別な誰かではなく、本当にごく普通の常識人に見える桃子に起こった出来事のお話。
一つ歯車が狂うと連鎖してに噛み合わなくなっていくのは誰でも経験があるのではないかと思う。
↓以下感想
意外な人がくれた、当たり前の、でも彼女がずっと渇望していた言葉。スカスカになった彼女の心に、じゅわじゅわ嬉しさと悲しさが沁みていくのが見えて、私も一緒に浸ってしまった。
物語はありふれた日常を淡々と進む中、繋がる関係も場所もあるのに、ずっと独りぼっちの彼女の寂しさがひしひしと伝わってしんどい。
一緒にいても1人を感じるなら、1人の方が幸せなんじゃないかと何度も思ったけど、桃子の気質では奥さんを演じる方が正解だったのだろうか。
色々考えてしまう。
多分、彼女はどこにでもいる誰か。
この寂しさが特異なものではない現代社会が悲しい。
床下にあるのはまさかの…でした。
リアル
タイトルなし
舞台挨拶ありの完成披露上映会で観ました。
舞台挨拶では 観るだけではわからない裏話なども聞けました。
江口のりこさんが「原作よりも映画の方がシンプルになっている」みたいなことを言われていて、原作も読みたくなりました。
確かに、この映画のストーリーからして、もっと深いところでいろいろあるんだろうな…とも思えてきます。
やはり原作もマストだなと(個人的に)
ヒューマンサスペンスとなっていますが、そのわりには少し軽めの気持ちで観られる作品かもしれません。
映画自体は江口のりこさん演じる桃子が、夫との溝が深まることで追い詰められてだんだん壊れていくお話です。
とは言っても、数々の突拍子のない桃子の行動に(声は出さずとも)かすかにクスっとなってしまう感じがありました。
チェンソーって(笑)
そこが映画を重すぎなくしている印象でした。
桃子は、江口のりこさん以外に誰が演じられよう という感じでしたね。
登場人物が少ない映画でしたが、俳優さん皆さんがとても役にハマっていて良かったです!
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