「ありがとう。」愛に乱暴 Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう。
夫にも、義母にも、辞めた会社の元上司にもぞんざいに扱われながら、ごみ集積所の散らかりを許さず自発的に掃除してみたり、家族や子どもに気を配って献身的に動いてたり、普通に、冷静に、淡々と日々を過ごす主人公。
トドメを指すような出来事が起こっても、極力冷静に努めるのでした。過去にあった悲しい出来事と向き合うことで今そこにある出来事を帳消しにしようと努力するようにも見えました。
愛に生真面目に向き合う主人公に、もっと「愛に乱暴」に生きても良いんだよ、と感じるところもありました。
そして行き詰まった先で思わぬ言葉、これまで聞きたかった言葉を聴く。そこに、この先のささやかでも希望を見出したのだと信じます。
その言葉の持つパワーを改めて理解しましたし、実際スクリーンから発せられた声にはドーンと胸を突かれた思いがしました。
カメラワークや江口のりこさんの自然な演技でドキュメンタリーかのように観せられたましたが、実際こんな風に過ごす、こんな状況を経験する人は少なくないのかなとも思います。
なので、魔法の言葉を忘れないようにしようと思います。
狂気を持った人間が持つのはやっぱりチェーンソーって、少しクスッとしましたが。
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