「江口のりこ➕チェーンソー➕リフォーム➕スイカ」愛に乱暴 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
江口のりこ➕チェーンソー➕リフォーム➕スイカ
タイトルの4つのワードが桃子(江口のりこ)の心理と
複雑にリンクして
パワーアップするのが凄く面白かったです。
《ストーリー〉
不倫して妻なった女が、また不倫した夫と不倫相手に、
心理的に追い詰められ、正気を失ってゆくストーリー
江口のりこの演技に釘付けで、朝イチの回15人の観客が固唾を呑んで
凍りついてく緊張感が、堪らなかったです。
基本、桃子ってルールを守る良き主婦で、良き嫁で、
良き妻なんだと思います。
だけど報われない。
誰にも感謝されない・・・
夫(小泉孝太郎)に、日常の些細なの出来事を話しても、
生返事ばかり。
(またくだらない無駄話し、的な・・・)
実は桃子は夫の浮気に少し前から気付いています。
ワイシャツをクンクン嗅いでいましたし・・・
だから夫が浮気を告白しても、驚きません。
「いつもの通り、早く別れてくれれば文句は言わない」
そう言う腹づもりでした。
ところが、「妊娠してるんだ、彼女・・・」
不倫相手(馬場ふみか)は、
会ってみればおとなしそうに深々と頭を垂れて
消えいらんばかり。
桃子が馬場ふみかのマンションに乗り込む時、庭のスイカを
持参しますが、
このシーン「何故、スイカなのか?」
と、出品されたカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(チェコ〕で、
若いチェコ人の観客に質問されたそうです。
森ガキ侑大監督の答えは、
「無料だから・・・」不倫相手にも手土産を持参する律儀さ、
無料(ただ)は言っても、スイカってめっちゃ重いですが、
桃子は軽々(ww)
(不誠実な元上司にも甘納豆を・・・真面目さが鬱陶しい、多少、
「別れない」と言い張る桃子に、
夫が最後に言ったセリフ。
「君といても楽しくない」
「楽しそうに話してると気持ちが冷めていく・・・」
(これは禁句、NGワード、
どうも真守は桃子の前にも、結婚してたらしいし、
2度あることは3度ある・・・
桃子が床下で聞いてしまう義母と夫の会話・・・
(悲しい過去、妊活しても報われず・・・傷を心にずうーっと、
(抱えて、耐えて、ストレスで壊れてゆく日常が、徐々に、
そんな桃子がもっとショックを受けたのは、
不倫相手(の職業が、なんと知的専門職・・・だった
おまけに若くて綺麗で従順そう(多分、どの女だって、最初はそう)
ムムッ専門職!!
この敗北感・・・(うーん、脚本上手い(森ガキ監督だけど、
【江口のりこ】の持ち味が最大限に生かされた映画でした。
どう見てもチカラ強そうだし、行動力も頭も切れる。
そんな江口のりこが普通の従順な主婦??!!
な、訳が想像通り、無いのです。
予告画面で持ってるものが、まさかまさかの電動ノコギリ。
★でも、誰かの手や脚をチェーンソーで切り刻むのかも?
とザワザワ怖くなる、桃子は事実かなり怖い・・・
ともかく江口のりこさん大車輪の大活躍。
☆上品でうつくしい人妻、
☆お洒落な石鹸教室の講師、
☆心と身体の傷の痛みにじわじわ壊れていく心理、
★はたまたシャワーシーンのバストトップ露わな大サービス、
ほんとうに今や向かうところ敵無し状態の演技派女優。
あどけない笑顔で赤いセーターでアイスキャンデー、
童女のように可愛かった・・・
さては、吹っ切れたかなぁ‼️
コメントありがとうございます。お返事遅くなってすみません。
確かに、SNSアカウントの件はちょっと分かりづらいかもなあと思いながら観てました。
江口のりこがすごかったですね。スイカをダーンと置くシーンは可笑しくて、でもちょっと怖くて絶妙でした。