劇場公開日 2024年8月30日

「この寂しさは誰にでもあるかもしれない」愛に乱暴 iccoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この寂しさは誰にでもあるかもしれない

2024年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

原作を未読のまま鑑賞。
吉田修一原作の映画化作品、本当に最近多いなと思うけど、今回のお話は特別な誰かではなく、本当にごく普通の常識人に見える桃子に起こった出来事のお話。
一つ歯車が狂うと連鎖してに噛み合わなくなっていくのは誰でも経験があるのではないかと思う。
↓以下感想

意外な人がくれた、当たり前の、でも彼女がずっと渇望していた言葉。スカスカになった彼女の心に、じゅわじゅわ嬉しさと悲しさが沁みていくのが見えて、私も一緒に浸ってしまった。
物語はありふれた日常を淡々と進む中、繋がる関係も場所もあるのに、ずっと独りぼっちの彼女の寂しさがひしひしと伝わってしんどい。

一緒にいても1人を感じるなら、1人の方が幸せなんじゃないかと何度も思ったけど、桃子の気質では奥さんを演じる方が正解だったのだろうか。
色々考えてしまう。

多分、彼女はどこにでもいる誰か。
この寂しさが特異なものではない現代社会が悲しい。

icco