先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
全132件中、21~40件目を表示
非常にリアルで重い作品
先生の白い嘘——本心と赦しのあいだで
漫画原作の実写化作品『先生の白い嘘』(2024年)は、性差と暴力、そして「本心」と「嘘」の境界を問いかける重厚な物語である。
この作品は、登場人物の過去や社会的背景を掘り下げるよりも、原美鈴と新妻という二人の関係性に焦点を絞ることで、より深い人間の痛みに迫っている。
「本当のこと」と「白い嘘」
物語の発端は、担任教師・原美鈴と高校生・新妻の面談。
新妻が「本当のこと」として語った出来事に対し、原は学校の「ことなかれ主義」に従って否認する。
しかしその否認こそが、新妻にとっての「本当のこと」だった。
誰も信じてくれない、誰も聞こうとしない。
それでも新妻は、原の言葉の裏にある「何か」に気づく。
「男の所為で正しく生きられない」
「男が持つ不条理な力 それを誰かに許されたいだけ」
原の言葉には、鬼気迫るリアルさがあった。
涙を流す原に、新妻が差し出したポケットティッシュ。
それは原にとって、6年前にレイプされた後の血を拭いたティッシュと重なって見えた。
性差を超えた痛みの共有
新妻は、原が自分と同じ痛みを抱えていることに気づく。
そこには男女の違いなどなく、もっと奥深い「傷」がある。
原が新妻に語った「女のアソコが怖いのではなく、男に生まれてきたことが怖い」という言葉は、性の本質的な不条理を突いている。
原は、冒頭でこう語っていた。
「何かを2つに分けたとき、特に男女、その取り分は、いつも私は少ない」
この言葉は、搾取される側として生きてきた彼女の人生を象徴している。
支配者と奴隷のような構造の中で、原は誰にも怒りをぶつけることなく生きてきた。
その鬱屈が、彼女を壊していった。
本心に触れた瞬間、赦しが始まる
新妻の告白とキス。
それは恋であり、理解であり、赦しの始まりだった。
この体験が、新妻を成長させ、原もまた、過去と向き合う覚悟を決める。
原は、早藤に怒りをぶつける。
暴力に晒され、顔に傷を負いながらも、彼女は復帰する。
しかし、新妻とのキス写真がばら撒かれたことで辞職する。
新妻は言う。
「救えなかった悔しさ」と「それでも好き」
原は答える。
「でも無理だった。たとえどんな相手でも、男である限り。ゴメン」
この言葉こそ、原の二つ目の白い嘘。
新妻を守るための体裁上の嘘であり、本心の裏返しだった。
無償の愛と、差し伸べられる手
新妻は、植木屋として原に再び接近する。
最後のシーンに込められたのは、こうした問いかけだろう。
「先生、これでもまだ僕の本心を信じられませんか?」
持って生まれた性の違い、そしてそれぞれの「性(さが)」
理不尽と不条理に打ちのめされても、なお差し伸べられる温かい手。
そこに男女の違いや条件などはなく、花や猫のように、無償の愛がある。
もし原が、成長した新妻の中にその無償の愛を感じられたとき、彼女自身の成長が証明されるのだろう。
嘘とは、本心の裏返し
この作品が「嘘」と名付けられたのは、人が誰しも本心を隠して生きているからだ。
それは自己防衛であり、社会との折り合いでもある。
だが、本心は、決して嘘などつけない。
だからこそ、赦しと理解は、本心に触れた瞬間から始まるのだ。
コミック原作&フェミニズムと知っていたら観なかった。
少しずつみんなが解けてよかったのかも
性をテーマにした作品であることはわかるけど。
男女の性の違い、醜さ、欲望、そういうものをテーマにしてる作品だそうですが、
で、なんなの?というのが見終わった感想です。
序盤は正直、AVを思わせる
エロエロな描写。びっくりしました。ストーリーもね、なんじゃそれ、
という展開でしたね。どうしょうもないクズ男。生徒を傷つけまくる女教師。
そして、クズ男を庇う婚約者。この人は病気だから、私が守ってああげないとって、
ならないでしょ、普通(笑)。女同士の関係も壊れるはず。
登場人物の考え方、行動が、みんなヘン。そんな映画に感じました。
やはりこの作品は相当なので 心技体揃った上で覚悟の上鑑賞が必要かな...
弱いが強い
襲われやすい
報道度外視しても2024年ワースト作品
配信(dmmTV)で視聴。
性描写問題で報道された作品。
報道度外視で作品として観た。
奈緒、風間俊介ら出演俳優はよく頑張っていたが、この作品は結局観客に何を伝えたかったのか全く分からなかった。監督の自己満足に思えた。当然2024年ワースト作品。
不快な作品でした
嫌いと恐いは似ている
意に沿わない愛もない性交の経験を重ねる美鈴が、同じ経験に悩む高校生・新妻との交流を機に自分を取り戻していく物語。以下は、性別における男女の間のグラデーションを便宜上省いた表現で書く。
美鈴が指摘するアンバランスには、男女差だけでなく、同性間に存在するヒエラルキーやそれに由来する不公平感、マウントの不快感も含んでいる。それらの象徴として早藤や美奈子というキャラクターを上手く配していた。
美鈴の内に渦巻く鬱屈の分、主題には様々な副題が絡みついている。本編は117分に収めるには話題が多すぎたのか、原作のインパクトを再現することを優先したのか、セリフに頼りがちで観客が共感するには感情面の描写が足りないと感じた。起承転結は理解できるが、そこに観客を巻き込むには駆け足すぎた。心の物語なので、もっとエピソードの取捨選択や演出の練り込みをして観客が美鈴の再生を体験できる物語にしてほしかった。
また、迫力を出す時の漫画の演出をそのまま落とし込んでいるせいで、前後のシーンから浮く場面もあった。原作がある作品故の制約やこだわりがあったのかも知れないが、原作再現よりも映画としての表現を優先しても良かったのではないだろうか。
こういった題材の作品には「拒まないのはおかしい・理解できない」という感想が散見される。残念ながら人間が動物である以上、理性やモラルだけでは説明・徹底できないことは数多くある。生存や生殖と言う本能に近い部分が関わればなおのことだろう。
美鈴が言うように、人は力や欲の前ではいつでも強く正しくいられるとは限らない。作中のシチュエーションで言えば望まない状況を拒絶できない、あるいは流されてしまう、という心理は、人によっては共感できないかもしれない。利害を計算した末に受け入れる場合もあれば、防御機能の一種として脳が抵抗よりも服従を選ぶこともあり、それもまた0か1ではなくグラデーションがある。
「おかしい」と断言する人には、相手との物理的・社会的な力関係や自身の主張の習慣・被虐歴が違えば、誰でもそこに至り得るということにいつか気付いて欲しいと思う。無論、そんな体験をする人が一人でも少なくあることが一番だが。
人が異性に抱く畏怖、同性間での不協和音、拗れたそれらを他者との共感と理解によってほどく物語を、もっと丁寧に描いてほしかった。また、テーマとアプローチは良い作品なのに、それとは別の点で作品が話題になったのも残念だった。
見どころは役者の奮闘のみ
心身共にハードであろう役所を精一杯誠実に演じ切った奈緒さんと、気持ち悪さが滲み出る最悪の人間に成り切った俊介、さらにあまり期待していなかった猪狩くんもなかなか奮闘していて、役者陣には拍手だが、原作に忠実かどうかはさておき、ただの偏りすぎの人間2人の攻防は誰にも共感できないし、問題提起するでもなく、狂った暴行の描き方も過剰で不快感を煽る。
ここまで激しいシーンをただ描くのに、依頼されたインティマシーコーディネーターをよくまあ断って自分たちでやろうと思ったなと、呆れるレベル。
現実離れしすぎて・・・。
俊介se& ヘタなんだ
全132件中、21~40件目を表示







