ルックバックのレビュー・感想・評価
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こんなに重かったとは………
タイトルは知っていたので、興味本位でプライムビデオで鑑賞しました。
実際に観て、1時間の中で濃厚な人間ドラマと辛い現実が描かれていることに衝撃を受けました。藤野と京本は、初めこそお互いの顔を知らなかったライバルだったのが、ふとしたことで2人は仲良くなっていきます。そこから一緒に漫画を創作していき、絆が深まっていく過程に惹かれました。
しかし、途中ですれ違うようになっただけでなく、2人にとんでもない悲劇が襲いかかったときはショックでした。まるで、喜びに包まれている中で急に奈落に突き落とされるような感情になりました。また、京本が巻き込まれた事件は、あの某アニメスタジオの件を彷彿とさせました。
漫画家としての道を歩む大変さと、どんな辛いことがあっても乗り越える大切さも必要だと痛感しました。
君の笑顔を見たいから
原作で号泣した人間なので、映画化は不安でいっぱいだったのですが、、、思い切って観に行ってよかった。
声優、音楽、動きともに脳内のイメージと大きく変わらない。いやあ、なかなかないよ、そういうの。
どちらが良かったか?と問われれば、そこはコミックの方になる。ただ先に出会った方がどうしてもインパクトあるので厳密に比較することはできない。逆だったら、この映画の方だった可能性も高い。というか、比較することに意味はない。言いたいのはそれぐらい原作コミックの「間」「行間」「雰囲気」をうまく掬い取っていた映画だということ。
二人の協同作業のシーンが眩しい。
「だいたい漫画ってさあ…私描くのはまったく好きじゃないんだよね。楽しくないしメンドクくさいだけだし、超地味だし。一日中ずーっと描いてても全然完成しないんだよ。読むだけにしといたほうがいいね。描くもんじゃないよ。」
「じゃあ、藤野ちゃんはなんで描いてるの?」
反語的に「前を向こう」と励ます、心の友のような大傑作
Prime Videoでの鑑賞となったが、劇場公開と同じ年に出会えたことに感謝したい。アニメシリーズ「チェンソーマン」は大のお気に入りとはいえ、藤本タツキについてはその原作者としてしか知らなかったが、自身の半生と現実の事件をこんなふうに投影し紡ぎ合わせて力強いフィクションを創作できるのかと驚嘆し、今さらながら敬服。原作未読だが、脚本も担った押山清高監督の仕事も的確だったに違いない。キャラクターたちの画としての魅力、アニメーションのダイナミックな動きの面白さと繊細な変化の情感、そしてストーリーの味わい深さが完璧に凝縮された奇跡のような本編58分。(なおアマプラでの視聴だとエンドロールが始まった途端に「次のエピソード」とか表示が出て放っておくと数秒で自動的に飛ばされてしまうのだけど、あれは本当に余計なお世話! 藤野がひとり向かうデスクの前の窓に映る街の景色がエンドロール数分の間にゆっくりと夜景に変化するまでが作品であり、繊細な描写と余韻を味わう豊かな時間なのに)
鑑賞後、原作漫画についての考察記事やWikipediaの項などを読んで、オアシスの代表曲「Don't Look Back in Anger」や映画「バタフライ・エフェクト」などからの影響やオマージュが指摘されているのを知り、そういえば「バタフライ~」のエンディングにはやはりオアシスの「Stop Crying Your Heart Out」が流れていていい感じだったなとか、関連して思い出したこともいくつかあった。考えてみると「バタフライ~」のラストでの主人公の選択と、この「ルックバック」での終盤に展開する「あり得たかもしれないもう一つの世界線」は近いものがあるが、具体的に書くと両作品のネタバレになるのでここまでにとどめておく。
オアシスの「Don't Look Back in Anger」の題がデヴィッド・ボウイとブライアン・イーノの共作「Look Back in Anger」への返歌的につけられたこともWikipediaで知った。オアシスの2曲と「ルックバック」(look backを直訳するなら、後ろを見ろ、振り返れ)に共通するのは、過去の選択を悔み続けたり、起きてしまった悲劇に怒りや恨みを抱き続けたりしても何も変わらない、きちんと受け止めたうえで、前を向いて将来のため自分にできることをやっていこう、というポジティブなメッセージ。その意味で、「ルックバック」は反語的に「前を向こう」と私たちを励ましてくれる、心の友のような大傑作なのだ。
絵は人の心を動かす
いきなり手描きの背景動画で魅せてくれる。最近は3DCGで背景を動かすことが多いけれど、手で動かす背動をあえてやることが、この作品の映画化には必要だった。手で描くことがこの作品には重要。絵を描く二人の軌跡を手で描くことにこだわることがこの作品には必要だった。それによって、物語には収まらない「絵描き」に対する賛美があふれることになった。
漫画は絵で構成される、アニメも絵で構成される。しかし、絵の上手さとマンガの上手さは異なる。京本は絵が上手い。藤野はマンガが上手い。藤野のマンガの上手さに京本は心を動かされる。京本の絵の上手さに一度心が折れかける藤野は京本との共同作業でマンガへの情熱を取り戻す。絵の上手さとマンガの上手さが共鳴しあって、二人は駆け上っていく。
そういう物語をものすごく上手いアニメーション映像で描くことで、絵の上手さとマンガの上手さにアニメの上手さが重なり共鳴しあう、多層的な作品として完成している。
「絵による映像」であることに徹底的に自覚的な作り方をしており、その快楽が全編にみなぎっている。絵は人の心を動かす。
映画館で見ておきたかった
公開時、気にはなっていたのですが見ないでしまった作品。再上映の機会があれば映画館で見たいと思います。
ほぼ原作コミックどおりでしたが、原作コミックが素晴らしいので、余計な変更を入れず、原作の雰囲気や藤野と京本の関係性など難しい部分をうまく映像化することの方を大事にしているようで、むしろ大変良かったです。
また、コミックを読んだ時にはどうしても読み取れなかった部分が補われているところもあり、そういうことだったのかとわかって良かったという場面もありました。
(もちろん、映画版で描いている内容が正解なのかはわかりませんが、個人的にはこれが正解なのだろうと思っています。)
藤野がマンガを京本にほめられて、非常に喜こびながらの帰り道の描写は、コミックから追加(増強)されていましたが、原作の世界でもきっとあんな風に喜んだのではないかと思われ、良い場面だと思いました。
また、重々しくなってしまいそうな雪国の景色も、暗くならずに美しく描かれているのも、映画作品でこそ実現できた良さだと感じました。降雪地域でしか使われないような小物も描かれ、懐かしい気分にもなりました。
原作コミックと映画版の素晴らしさが組み合わさり、非常に心に残る作品でした。
ルックバック
ユナイテッド・シネマ豊洲で原作:藤本タツキ / 監督:押山清高『ルックバック』鑑賞。あらゆる感情が揺さぶられた。原作者やこの漫画作品をアニメーション化したいと思った人たち等のクリエイターにとって、これはあの事件に対するレクイエムなのだと感じた。入場者特典のネーム本、大切にしよっと。#41
(20240727)
TOHOシネマズ日本橋で原作:藤本タツキ / 監督:押山清高『ルックバック』再鑑賞。「『ルックバック』、もう1回見返したいなあ」と思ってたら、入場者特典第二弾の情報を得たので、物に釣られて行って来た。「どんなことがあっても 自分たちは描き続けるしかないんだ」という意志を改めて感じた。#41
(20240826)
入場者特典のオリジナルブックカバーを入場者特典の原作ネーム本に装着したいという欲求に抗しきれず、TOHOシネマズ錦糸町オリナスで『ルックバック』再々鑑賞してしまった。そして三たびうるうるしてしまった。人はみな軟弱者なのよね。#41
(20240921)
有楽町 丸の内ピカデリーで『ルックバック』Dolby Cinema鑑賞。料金2,700円とは思わなんだ。「58分だから1分46.55円… 13秒で¥10かあ…」
。。。などとセコい事を考えていた自分が恥じ入るほど、ドルビーで聴くラストの曲は心に沁みた。新しい入場者特典の度に、カネを払い続ける私であった。満足。#41
(20241102)
アッ し、し、色紙… 色紙もらったぁ…
舞浜の街は 頭に妙なモノをつけたり被ったりした、普段の精神状態じゃない人がたくさんいて おっかなかったぁ…
大きなスクリーンで観れば良かったなぁ。
ひっかかる、でも
原作未読。高い評価ばかりきいててハードル上げすぎてたのかもしれないですが、高評価は理解できる…と思いつつ、自分には…チグハグ?
なんだろう、食べたものが変なほうへ入っちゃったような、胸苦しさがありました。
リアルさが迫るとか、心情が刺さるとかじゃなくて、なんか作者の作為が見えてしまってる気がして。作者にとって、これは「切実」な作品だったのだろうか…と考えてしまい、いまいち入れませんでした。汚れてるのかなぁ(苦笑)
レビューをみてて本気で感動してる方々がこれだけいる作品で「作者の作為が気になる」と思っちゃったことが自分でもなかなかショックです、なぜなのか。
1つには、主人公が「マンガかいてたけどやめちゃった女の子」で、続けていたほうの子が事件に巻き込まれて…という展開だと、勘違いしてたんですね。だいぶ話違っちゃう。
ちなみに自分はマンガ業界のはしっこに関わっている人間で、この作品の中の、ひたすらに描く、ということの熱さ魔力悲惨さは実感として自分の中にもあります。
だからこそのひっかかりなんでしょうか。
声の人たちはすばらしく、情景描写や音楽もすごくよかったです。ひっかかるが刺さらなかった、ということでしばらく悩みそう。
時間置いてから見たらまた印象変わる…かなぁ。いや変わらないかな。
妙に、考えこんでしまう作品でした。
色々な観点で面白い
元々クリエイターに刺さるコミックとしてバズった作品の映画化で、一般人にどれだけ刺さるか、という点はあったが、単純に映画として楽しめる出来だと思う
概ね原作コミックそのまま。コミックだけ読んで終了でも問題無い。ただ、映画の表現方法という点で藤原タツキ本人がメディアで色々と語っている部分があり、その確認という見どころはある。かなりの部分は既にコミック中での表現と共通しており、そこまでのインパクトは無かった。というか、コミックで見たとき「?」だったのが映画でしっくり来てる感じで、元々映像化を意識して書いたコミックだったのかもしれない。
まぁ、余計な音を入れず画面に集中というのは十分成功しているのだが、元々コミックには音が無いのでコミックの表現を映画に持ち込んで音が無いのは違和感が無い。
そこまで良いか?
本物のアニメーションフィルム
噂の名作を、Amazonでの視聴になってしまったけどようやくみれた。
なんだか見終えてからジワジワと胸に迫ってくる感動やカタルシスがあるなと感じた。
それにしても自分も色んなアニメや映画を観てきたけどこんなにセンスの良いアニメーションフィルムを観たのは初めてかも。
今まで観たどの作品とも違うがとてもクオリティが高くてセンスの塊のような表現手法が描き出す人物たちの感情をとても効果的に描き出していて感銘した。そして運命が引き寄せた二人の主人公、藤野と京本というスピリチュアル的に言うところの所謂"ツインレイ"の短くも輝いていたかけがえのない瞬間を永遠に感じられるほど味わい深く温かく尊い気持ちが心に残った。こんな独特の琴線に触れる作品に出会えた奇跡と藤本タツキさんとこのフィルムの製作スタッフ、キャスト一同にに感謝です。ありがとうございました。
やっぱり映画館で観たほうが良かったと思いましたね。リバイバル上映されたら見に行きます。
題名は謎
映画としては短いけど素敵な話
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