ルックバックのレビュー・感想・評価
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日本アニメと青春の懐かしい感動
あまりインプット無しに観ましたが感動しました。1時間で1700円でも大満足。
冒頭は凝ったカメラワークで格好だけの映画ではないかと不安になりましたが、全くそんな事はありませんでした。
途中の畦道を走るシーンなんて溢れ出る感情が画面いっぱいに伝わってきて、生き生きとした動きに日本アニメの真髄を観ました。
引き合いに出すのも失礼かもしれませんが、ジブリが鳴りを潜めてから、日本のアニメは人の心の機微を描けない不自然なアニメが増えたように感じてましたが、ルックバックはそれを払拭してくれました。
得意げな気持ちを堪えても口の端から漏れてしまう子どもの笑みの魅力的なこと、
二人だけの世界で音が鳴り止み、聞こえない笑い声が聞こえること、
澄んだ空気、何気なく美しい日本の景色や時間の移ろい、
若く直向きで不器用で混じり気のない青春とそれを絵で表現するしかない衝動に感動しました。
不幸な事件も参考にしてリアリティを出したのであろう場面もありますが、最後も安易なハッピーエンドにせず、しっかりと現実と向き合ったストーリーには好感を持ちました。
今時の漫画を原作にしながら、日本アニメの良さをしっかりと受け継いだ素晴らしい映画だと思います。
1時間で期待以上の感動を味わえます
まとめサイトで読み切りがオススメされていて当時、面白いなーと思いながら気づいたらアニメーション映画となっていました。
うろ覚えでしたが、良い作品という記憶を辿りに鑑賞しました。素晴らしかったです。
原作が読み切りでそこまで長い作品ではないですが、1時間という短い枠の中でうまくまとまっています。
1点気になったのは特徴的な目、鼻、口の原作デザインから主人公と友人(モブ)が主人公と似ており、うまく描きわけられてないなと感じました。
個人的には、原作を知らない方がシナリオを楽しめるのではないかと思います。
1時間ほどで終わるのでサッと感動を味わうにはもってこいの作品だと思います。
時間があれば隙間時間にでもぜひ!オススメです。
容赦なく、心をエグる、𝐋𝐎𝐎𝐊 𝐁𝐀𝐂𝐊!! !!
主人公の性格が悪い為、死地に追いやった事のみならず、もっと優しく素直に接すれば良かったというルックバックが際立ちます。よって映画体験、読者体験の為に、このようなキャラに設定したのだと思います。鑑賞後は重苦しさをダイレクトに味わう事になる為、死を扱った良くある一般作品と一線を画していると思いますし、また流行っているから観てみようと足を踏み入れると、観客の心に一生の傷跡を残してしまうでしょう。京本の訛りがきついのは、純朴さを表していると思います。卒業証書はプリントと違って重要書類なので、やはり先生が直接手渡しするべきだったと思います。また特別料金で子供でも1700円ですし、1700円はやり過ぎだと感じました。繰り返し観たいという方もいるでしょう。一人でも多くの方が本作を観て、悔いのない人生を歩む手がかりになれば良いと思います。それが創作や映画の役割なのだと改めて感じました。
なんか惹き込まれるストーリー、現実的。
まったく内容知らずに視聴。
主人公の挫折や成功、葛藤とかとかを綺麗に描いている。ストーリーも比較的サクサクと進んで行くので見やすい。大きな感動や笑いとかはなかったけれど、グッと心にくるものがあり、訴えかけてくる印象。
2人の感情がしっかりと伝わってきてとても良い。終わり方も変に語ったりせず、凄くいい。
1時間短いなぁとか思ってたけれど、見てみてこれでいいって思える。通しで見たいとこではあったし、これより長くても短くても嫌になってたかもしれない。
1度見てみて欲しい作品ではあるかな。
創作者必見の一作
文句なし 原作も映画もどちらも良い
短いけど心洗われる良作
「ファイアパンチ」「チェーンソーマン」の藤本タツキ原作。原作未読でしたが、面白かったです。
ストーリーはシンプルで、藤野と京本という二人の女の子が小学生4年生から20歳ぐらいまでの話。学級新聞で4コマ漫画を描いていた藤野は、同じ学級新聞に掲載する引きこもりの京本のことが気になっていた。卒業式の日に二人は出会い、一緒に漫画を描く、って話。
上映時間は50分と短い話ですが、話が動き出すまでが長い。でも、この部分が「上手い絵描きになるとは?」って、本作の主題を描いているんですよね。答えは「ひたすら描く」こと。下手でも、上手い人に嫉妬しても、周りが冷ややかな態度でも、ただただ描き続けこと。
最後のエンディングに向かう部分の工夫が上手です。あのまま、普通に扉を開けて、あの四コマ漫画を見つける、でも話は畳めるのですが、少しファンタジーな転調を入れることで、清々しくエンディングを迎えられます。
エピソードは地味だし、キャラクターも主に2人だけで、テーマは絵を描くこと。こんな材料でも、すごく心が洗われる良作です。
彼女らがそこに存在していた!
特別興行ならば、評価も特別になる
評判がすごくいい。いつも行く映画館で新規上映始まった。入場特典の有無を確認して鑑賞に行きました。
4コママンガのタッチで始まる本作はとても新鮮に感じられた。そして4コママンガの主人公がどの様に絡んでくるのか楽しみであった。
しかし本作主人公藤野が学校新聞に描くマンガだけだった。藤野のマンガは素晴らしかったが、京本の描くマンガの画力に魅了される。しかし京本が引きこもりで見下す。藤野は友人から遊びやスポーツの誘いにも応じない。藤野もある意味引きこもり。
卒業の日初めて京本に会い、以後2人でマンガを描き評価されていく。美大に行きたい京本は新連載を断る。藤野は美大を無意味で、引きこもりの京本にできる訳ないと断言する。京本を単なるアシスタントぐらいにしか思っていない。
京本の大学で事件が起きる。現実世界のレイのジケンを彷彿させる。この事で(業界を応援したくて)評価が高まっていたのなら違うと思う。
藤野は京本が引きこもりのままなら犠牲にならなかったと感じる。自分のせいだ。でも今回は藤野が直接絡んでいた訳ではない。京本が自分の道を進み偶々出会ってしまった悲劇。藤野は関係ない。支配下の人間に対して 自分の選択ミス という発想ではないのか。自分中心の発想の藤野。
ここで更に物語の方向性が変わる。タイムリープ。
間違っていた自分を見つめて直して欲しい。
でも戻った世界は、初めから2人が出会わなかった世界。京本は助かったが…、
藤野は何も変わっていない。
私にはどの点に重点をおいて見たら良いのか分からなかった。
…………
本作は1時間弱の中尺で特別興行の均一料金。大人一般料金では安くなるが、小学生も一緒。特別興行と宣言すれば価格設定は自由。でもそれに見合う納得の作品であれば良いが、ハードルは高くなる。
……………………
怒りで振り返らずにきちんと過去を振り返るということ
「チェンソーマン」と同じ人が書いたとは思えませんでした。
四コマとキャラの性格が気になる
美術ガチめにやってきてるんだけど、あまり響かず。
物語にハッタリとか意外な真実とか欲しかった。
四コマから二人の美術歴を細かく想像してしまい、それが本編のキャラの言動と一致している感じがしなかった
京本が都合よく背景しか描かないキャラだから成立していた漫画のタッグって感じがして、確かに楽しい時間ではあるだろうけど…。京本が藤野の嫉妬をギリギリ回避できたから成立した友情というか。
その上で最終的な結論が「一読者としての京本こそ藤野の創作の原動力」。それを美しいBGMで演出されていたのに混乱😵💫そんな美しいものかよっていうか…もっと生々しさを事実とした演出がみたかった
あと序盤の四コマ的に、藤野は人物描写と漫画の起承転結の上達を意識しており、京本は背景美術とか写実的なうまさに憧れが小学生の頃からあるように見えた。
本当の絵を描く原動力は互いの存在とは別の部分にあるからこそ京本の死後も藤野は普通に描いて当然と思えてしまた。
だって京本の絵見て本当に憧れて戦慄するなら背景美術の本買うよね、真っ先にルーミス先生買うってことは何か初めから凄い明確な目標あるよね藤野…
なんか細かい行動の違和感が無意識に積み重なり全然感情移入できず、突然の京本の死もコンセプトが曖昧っていうか💦
あと単純にどんでん返し的なエンタメ要素が欲しかった。
またifの中で京本が書いた「せなかをみて!」の四コマは、背景ばかり描いてた京本が急にそういうの描いてるのが不思議で。
コンセプトが判断しづらくどこに感動すれば良いのかわからず。自分が美術の道に進んだせいで京本の行動が当然の進路選択に思え、それに反対する藤野に共感できず感動や驚きもなく…
キャラデザはとにかく可愛くて京本の不器用でホワホワした感じが好きだった
人体の練習にスケッチブックはリッチだな!クロッキー帳にしとけ!と藤野にで思った
紡ぎ出される映像・音楽・演技に没頭
これはあれだ、「ソウルメイト」だ。
幼い頃からつづく友情。二人で共有した青春の時間、そして喪失と再生。
だからといってどこかで見たような物語を見させられたことということは全くない。
紡がれた映像・音・演技で二人の熱や思い、季節の移ろい、心の機微が存分に
感じられて没頭できた。60分程度の短編だけど濃密な時間で控えめに言って良かった。
名作だよ
全く前知識なしでの観賞です。
なかなか評判が良いようなので拝見させていただきました。
確かに、何ていうか、そう、すごく良い作品でした。
しかしなんでそう思うんだろう?
言っちゃなんだが
60分足らずでチケ¥1,700-
高いよね?
ストーリーも地味な田舎娘2人組のサクセスと別れのシンプルな内容
でも全然不満なく、というより観て良かったと思える素晴らしい作品でした。
終盤に理不尽な暴力はあったが、あれがなくてそれぞれの思う道をゆくだけで終わってたとしても、とても良い作品だったと思う
最後の理不尽な暴力は京アニ事件を連想するような事件でしたね。
犠牲者へのレクイエムと言うか挽歌とでも言うのか鎮魂作品でもあったんだろうね。
本当に良かったよ
終盤で泣いてしまいましたがな。
予告の印象にとらわれず、見に行って良かった。
まず何より、主人公の藤木の絵が下手。コレ重要。
自分は原作読んでなくて、映画館の予告集で見て「イマイチだな〜」という印象を得て、公開後にその印象に全く反する好評を聞いて見に行った口。その悪印象の原因が、トレーラー冒頭の藤木の四コマが映るシーンと、直後の京本の「先生は漫画の天才です!!」のセリフだった。「この絵で天才?おいおい勘弁してよ」というのが予告見た時点での感想。それが実際の「漫画の天才です!!」のシーンで覆った。
作品冒頭、件の四コマがストーリー化されたアニメーションか流れる。ドライブ中の突然の事故、瀕死のカップル、来世でもう一度出会い、もう一度キスをすることを誓い、最後のキスをして息絶える二人、数年が過ぎ、突然前世の記憶を取り戻す少女、「彼はどこ?」
突然、宇宙の彼方に視点が切り替わる。地球目指して飛来する隕石。それは「彼」の顔を思わせる形で心なしかキスをねだるように、突き出した唇のような突起が……そして隕石は彼女目指して落下していき、画面は真っ白に……
そして場面は学校の教室に切り替わり、学級新聞が配られる。先程までのシーンはその新聞に書かれた四コママンガのストーリーだったことがわかる。クラスのみんなからは好評だが、二つのシーンを比べてみればわかる。作者の頭の中にあるストーリーを、四コマに落としきれていない。ついでに言うなら、みんな口々に藤木を絵が上手いとほめるが客観的に言って(前述の通り)彼女の絵は下手だ。
ここで、藤木が調子乗りでプライドが高くてちょっとイヤな性格なのがわかる。このあと先生に呼び出され、二つある学級新聞の四コママンガの枠の片方を京本に譲ってくれないかと言われて、(会ったことのない)京本を見下しながら承諾する。
そして、(まあかなりの人は予想してしまうだろうが)藤木のプライドは粉砕される。京本の絵は圧倒的に達者で、藤木は心の底から負けたと感じてしまう。なにより、この前まで藤木の絵を絶賛していた連中に「藤木の絵って京本とくらべたらなんかなんか普通じゃん?」とまで言われるのだ。この屈辱と怒りに、もっと絵がうまくなって京本と他の連中を見返してやると誓い、上達への道を模索して物語は動き始める。
この冒頭の部分、挫折と奮起の繰り返しというルックバックの重要なエッセンスであるが、ここで藤木の絵が下手なことが生きてくる。下手であるということは上達の余地があること、ここから絵を描いて描いて描きまくることで絵が上達していく様が具体的に見えてくる。
もう一つ、藤木の絵が下手なのは重要な意味がある。それは、藤木が京本に『マンガ家として』決して負けていないことを表している点だ。漫画家としての藤木は絵で勝負するタイプではなく、アイデア一本に賭けるタイプでもなく、ストーリーテリングが本領の、ちょっとブラックなテイストがウリのタイプだ。その点を正確に読み取っているからこそ、出会いのシーンの「先生は漫画の天才です!!」がするっと出てくる。藤木が京本の絵に絶対に勝てないと嫉妬したように、京本も自分では届かないストーリーテラーの才に強烈に憧れたのだ。実は京本は作中、藤木との合作シーンを除き、全く漫画を描いていない。京本が学級新聞で藤木の四コマの横に載せていたのはマンガではなく、淡々と綴られた風景だ。作中で京本が単独で描いた四コマ「マンガ」は、あの事件の後に藤木の手に届いた一編だけだ。
藤木が結構イヤなヤツなのも、同様に重要な意味がある。京本を部屋から引きずり出したあの四コマだ。
ドアの隙間から京本に届いた四コマは、しかし部屋から出てこようとしない彼女に対して藤木が抱いた怒りと皮肉を込めた、仄かな悪意に満ちた代物だ。そんな、藤木のいらだちの塊を、京本は自分を変えてくれた宝物として大切に持ち続けていた。だからこそ、自分のせいで京本はあの事件に遭ったのかもしれないと思い至ったとき、藤木は後悔に身を焼いたのだ。自分が敵わないと思った相手を勝手に敵視しライバル視し、相手にされないいらだちを即興の四コマに変えて相手にぶつけるような自分、その四コマを文字通り一生の宝物として大切に持ち続けた京本、あのとき藤木の心の中には、「なんで自分はこんな意地悪な四コマを描いてしまったんだろう」という思いで一杯だったはずだ。
だから藤木は思い出の四コマを破いた。ズタズタにされた思い出の欠片は、しかし世界を越えてささやかな奇跡を起こした。藤木のもとに帰ってきたあるはずのない四コマは彼女にもう一度立ち上がる勇気をくれた。帰ってきた四コマが破かれた藤木のそれと違って、感謝の気持を表していたのは、きっと藤木にとって救いだろう。
見終わった時に思ったのが、この話、中川翔子の空色デイズかピッタリハマるなと。誰もがみんな、ささやかな後悔を抱えたまま、憧れに押しつぶされそうになりつつも手を伸ばしながら生きていくんだなあと。
書きたいことはもっといっぱいあるけど、(入場特典コミックと本編の違いとか)とりあえずここまで。第一印象にとらわれず見に行ってよかった。
泣かそう、泣きに行こう映画
原作未読。
チェンソーマンの原作者の作品という事以外は一切の情報を持たないまま、ただ何故平日の昼間でもこんなに人が入っているのかを知りたかった興味から観に行きました。
泣ける映画という事で実は自分も泣く気満々で臨んだが、結果泣く事はなかったが、それなりに面白いとは思った。
音楽、ストーリー共に普通の人であれば琴線に触れてくる構成で作られていることは疑いないが(だって登場人物二人のうち一人が亡くなるんだから)、そもそも藤本たつきさんの描く登場人物自体が皆可哀想な顔立ち(チェンソーマンもそう)であるという事も悲しさや寂しさにドライブをかける効果があるのだと思う。
劇中冒頭の4コマ漫画のシーンは面白い見せ方だと思ったが、最後のもしも自分が部屋から出さなかったらという想像シーンはどういう効果を狙ったものなのかは正直言ってわからなかった。
学校に行ってないのに美大にAO入学できたり、片方のみ東北弁だったりと気になる点はいくつかあったが、本作の大きなテーマや流れを捉えて観た場合にはほんの些細な事になるのだろう。
声をあてた河合優実さんと吉田美月喜さんには違和感が全くなかったので良かったと思う。
上映館を絞り、鑑賞料金を一律1,700円にした意図って発表されているんでしたっけ?
自分にとっては金額相応で元が取れたと思わせる様な作品ではなかったかな。
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