「誰もが誰かのかけがえのない大切な人」ルックバック のんさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もが誰かのかけがえのない大切な人
事前情報はあまり知らず、話題になっていた映画がアマプラで配信してるな〜と軽い気持ちで鑑賞。
これ、映画館で観てたら大変なことになってただろうな。あのひどい事件が絡むとは予想していなかったので、とても胸が苦しくなった。
序盤のちやほやされた小学3年の藤野が、自分よりすごい人に出会い挫折し、全てを賭けて努力するも、まわりの価値観の変化などもあり、一度は手放すが、自分よりすごいと思っていた人に評価され認められたことが嬉しく、より一層励む、ふたりでただただ一心不乱に取り組む、青春期の真っ直ぐさに心打たれた。
その後、違う選択をする京本を受け入れられず、凶悪事件に巻き込まれてから自分が京本を外に出してしまったせいだと自責するシーンは本当に心が苦しかった。間違いなく犯人だけが悪いのに自分を責めてしまうこと。大切なかけがえのない人が急にいなくなってしまうこと。
京アニの事件は当時もひどい事件だと思ったが、より被害者にクローズアップすると、あまりのやるせなさ絶望苦しさに嗚咽するほどだった。
誰もが誰かのかけがえのない大切な人、という当たり前だけどつい忘れがちになってしまうことに気付かされた。
藤野がまたペンを握り描き出す後ろ姿は、今まで以上の覚悟が伝わってきた。
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