「ちょうど1時間くらいは動けなくなる」ルックバック でぐでぐさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょうど1時間くらいは動けなくなる
適当にアマプラで見つけたアニメ映画でしたが、とんでもなく感情揺さぶられました。
褒められたらすぐに調子乗ったことを口走る藤野、分かりやすくてかわいい。
同級生のことを先生とかつけてガチ尊敬してる京本、かわいい。
2人の出身は山形だけど京本は極度の人見知り+訛りが他に比べると強いから引きこもってたのかなーとか思いました。
一緒に漫画を描き始めてから藤野に引っ張られつつ、世界が広がっていた京本。結構序盤からこの2人がいずれ別の道を行くんだろうということは分かってた。けど、最終的にパワーアップして最強の2人になる!みたいなエンディング期待したかった、。
終盤に出てきた4コマの想像の世界で、藤野が飛び蹴りした時「え〜よかった〜」とか声出たのに。
やっぱり現実じゃないんだって引き戻された時の悲しさと、京本を思って泣く藤野の気持ちが刺さります。
本当は知らない男に襲われて怖かったよね、自分の知らないことで責められながら何度も刺されて声も出なかったのかもしれない。4コマ漫画をみて自分がこんなふうに助けに行ってあげられたらいいのにとか。画面上で見てるだけなのに勝手に共感してました。
京本の部屋に入ってみると、漫画の出費が今まで藤野の部屋だったから気づかなかったのか。これまでの2人の関係を大切にし、藤野を応援しながら糧にしている京本の生前の姿が浮かぶ。ここで「悲しんでる場合じゃない、漫画描かないと。」って。
なんとなく今まで自分のために漫画を描いてそうな感じった藤野が京本のためにも、、な流れになるところも青春ものとしての主人の成長が伺える作品でした。
想像の世界と現実に引っ張られながら、最終的に地に足ついた感じです。
晴れやかなハッピーエンドではありませんが1時間ほどで見れるので中弛みもなく楽しめます。映像や登場人物の表情にも引き込まれる作品でした。
面白いので見始めると約1時間くらいはその場を動けなくなりますが、家で見るにはちょうどいい長さです。