「現代の「君たちはどう生きるか」」ルックバック LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
現代の「君たちはどう生きるか」
『チェーンソーマン』の藤本タツキさんによる140頁の読み切り漫画を原作としたアニメーションです。チェーンソーマンを読んだことはないし、藤本タツキさんのお名前も知らず、原作漫画がある事も全く知りませんでしたが、この絵に惹かれる物を感じ映画館に向かいました。小学校の新聞に連載四コマ漫画の連載を持ち、周りからその実力を認められ、自分でも漫画に自信を持っていた少女・藤野が、同学年で抜群の画力を持ちながら登校拒否になっている京本の存在を知るお話です。
近年は多くの作品で上映時間が伸びて来て、だらしなく長いと感じる作品も増えましたが、僅か58分でこんなに繊細な思いをこんなに大胆に描けるとは!「自分には何ができるの?」「私は一体何者?」と考えてしまう十代の子供達には一層響くものがあるのではないでしょうか。現代の「君たちはどう生きるか」と言っても良いと思います。
藤野が思わず駆け出す場面と、ドアの下を往復する四コマ漫画は2024ベストシーン賞候補に早速ランクインです。今年のアニメはデデデデで決まりと思っていましたが、58分作がそれを軽々と超えて来ました。
また、若手女優さんの中では今や圧倒的な存在感を放つ河合優実さんが、声優としても確かな魅力を放つことを知らしめて下さいました。
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