「優れた凝縮された詩的な傑作でした‥気になっている方は是非」ルックバック komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
優れた凝縮された詩的な傑作でした‥気になっている方は是非
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
噂に違わず、凝縮された詩的な優れた傑作だったと思われました。
この映画『ルックバック』は、小学生の時から絵が上手くさらにストーリー構成が面白い主人公・藤野(声:河合優実さん)と、藤野よりもさらに絵が図抜けて上手くしかしストーリー構成は背景のみで淡々としているひきこもりだった京本(声:吉田美月喜さん)との、小学生の学級新聞の互いの4コマ漫画で出会った2人の物語だったと思われます。
その凝縮された詩的なストーリーは表現されている美しいアニメーションも含めて、私のような者が言語化するよりも映画館で体感して欲しいいとは思われています。
映画の最後の4コマ漫画への解釈については、
・さかのぼった並行世界があるならば、次こそは藤野が京本を助けるのだという決意
・ただ並行世界とは言え、殺人犯は襲って来たり、そこまで現実は変わらない
・京本が部屋から出て来て京本と出会ったからこそ藤野が漫画家として今存在している
・藤野は京本の才能を足場にして自身の作品を形成していた
・しかし京本も藤野の作品に救われていた
・最後の4コマ漫画は、京本もついに藤野との関係によってストーリー構成がしっかりした4コマ漫画を描いたことを表現していた
・藤野がなぜ漫画を描き続けたのか、それは初めは京本の画力に追いつくため、京本が部屋から出てからは最初の読者である京本の笑顔をみる為だった
・最期の4コマ漫画の、京本を助けた藤野の背中に刺さったつるはしは、そんな京本との喜びと傷を象徴し、その(想像の?)京本の4コマ漫画を仕事場に貼って、藤野が背中の喜びと傷を今後は忘れることなく前を向くラストに
と何重にも重ねられた表現になっていたと私には思われました。
この作品は1時間に満たない作品で、その点で凝縮さにおいて他の映画よりも有利さはあったと思われこの点数になりました。
しかしながら、その中では最高点に到達する、詩的で凝縮された美しくも苦みある普遍性ある作品になっていると、個人的にも僭越ながら思われました。