劇場公開日 2024年6月28日

「エンドロールで席を立てなくなる傑作!」ルックバック やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エンドロールで席を立てなくなる傑作!

2024年6月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

魂が揺さぶられるくらいの傑作です!

最近は劇場版、テレビ版含めて日本のアニメ作品の中には世界に胸を張って自慢したくなる素晴らしいものが多々あります。

秀作、快作、時に傑作・・・目白押しで感覚がおかしくなってますけど、そういうの抜きにしても本作は一段も二段も高みにある大傑作でしょう。

幼い頃から漫画を描くのが上手で周囲から褒められてきた小学4年生の藤野。学級新聞に自身の4コマ漫画の連載枠があり周囲に自慢しつつ鼻高々な状況です。

ある日担任の先生から、同じく漫画好きで自身の作品の掲載を望んでいる京本という不登校の生徒が居り彼女の4コマ作品を同時掲載したいとの要望を受け、気軽にそれを許諾する藤野。

そして自身の4コマと並んで掲載された京本の4コマを見て藤野は衝撃を受けます。背景だけではありますが絵のうまさ、つまり画力の点で間違いなくその比ではないくらい京本は彼女の上をいっていたからです。

そこで挫けないのが藤野の負けん気の強いところで、独学ではありますが漫画の研鑽に努め、まだ見ぬ孤高のライバルに負けじと食い下がります。漫画制作に没頭し学生生活、勉学、小学生らしい交友さえ犠牲にしつつある藤野。

しかしその血の滲む努力も虚しく京本との実力差は埋まらず、6年の途中で漫画を描くこと自体、すっぱり諦める決断をした藤野。

卒業式終了後、担任に先生から結局、その後も不登校だった京本の家に卒業証書を届ける様に依頼されいやいやながらそれを受け・・・京本自宅で本人とばったり出会うことで運命の歯車は音をたてながら大きく動き出します。

まず、原作は精緻な筆致でかつダイナミックな動きで描かれているようなんですが、アニメではその行間を埋めるだけに留まらず、作品を深く理解した上で演出、音楽、脚本で適切で控えめなブーストをかけて映像化していると感じました。見方によってはまあまあ信じられないくらいのサクセスストーリーですが、それらの精緻な積み重ねにより、よりストーリーの信憑性、共感性が増していると思います。

しかし、心地よい幸福な期間の共有の後、物語終盤、状況は急転直下します。詳しくは書きませんが、心情的シンクロ率100パーセントからのこの仕打ちは本当に精神的にきつかったですね。

エンドロールはストーリーと地続きになっていて、いろんな複雑な感情があっちこちから湧き上がり、そしてなにより魂が救われていく感覚が強く胸がいっぱいになって涙がとめどなく流れました。

こんなシンプルな絵面で感情が大きく揺り動かされたのは初めての経験です。

鑑賞しないと一生の損レベルの作品です。

では。

やまちょう
トミーさんのコメント
2024年7月29日

コメントありがとうございます。
とうとうメルカリで中古を注文しました。どう感じるのか? 映画と違うのか、漫画でのカット等も楽しみです。

トミー
トミーさんのコメント
2024年7月29日

共感ありがとうございます。
後半は実際の事件を取り上げてると思われたので、スタンスに気を付けなければと思いました。子どもながらに思い通りにいかない部分、気持ちのすれ違い等丁寧に描かれていたと思いました。漫画家自身のお話はどこか自分の内側をさらけ出してる部分が感じられますね。

トミー
seiyoさんのコメント
2024年7月14日

こんにちは~。
エンドロールで立っている人いませんでした

素晴らしい作品ですよね

seiyo
たけぼうさんのコメント
2024年7月6日

ここで泣いて下さいと言わんばかりのベタな音楽と演出で興醒めでした。
人が死ねば泣けると思っている安い感動でした。

たけぼう
Mさんのコメント
2024年7月1日

短くてぎっしり詰まった映画でした。
二人ともですが、物凄い数のスケッチブックが重なっている場面が好きでした。
勧めていただき、ありがとうございました!

M
Mさんのコメント
2024年7月1日

見てきました!

M