「【”Don't Look Back in Anger そして、私は彼女の背中を思い、漫画を描き続ける。"今作は二人の漫画好きの少女の交流と成長を軸にした物語構成、絵の美しさと共に心に響く作品である。】」ルックバック NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”Don't Look Back in Anger そして、私は彼女の背中を思い、漫画を描き続ける。"今作は二人の漫画好きの少女の交流と成長を軸にした物語構成、絵の美しさと共に心に響く作品である。】
■小学生の藤野が、学級新聞に連載している四コマ漫画はクラスメイトからも好評。だが、ある日不登校の同級生京本が描いた自分のタッチとは全く異なる四コマ漫画も併せて掲載され、藤野は自身の漫画とのレベル差を感じる。
だが、京本も藤野の漫画が大好きで、二人は一緒に漫画を描き始めるのである。
◆感想
・藤本タツキ氏の漫画は、申し訳ないが、この映画を観るまでは全く知らなかった。だがフライヤーに記載されている氏の画を見て鑑賞を即決した。
・ストーリー展開も、起承転結がはっきりと描かれており、且つ二人の少女がふとしたきっかけで交流を持ち、好きな漫画を描くことに没頭する姿がとても自然に描かれており、魅入られた。
・藤野と不登校の京本が小学生時の出会いから一緒に漫画を描く様や、自己主張せずに、只管に藤野が描く漫画の背景を担当していた京本が初めて”美大に行きたい。”と言い、藤野と別れ、夫々の道を歩み始めつつも、常にお互いの存在を忘れずにいる姿。
更に、藤野の連載漫画の本がドンドン売れていく様を、第一巻から巻数が増えていく本棚を映す事で表現する巧さには、センスを感じる。
■藤野が売れっ子漫画家になった時に京本に起こった凶事。
ここのシーンは容易に京都アニメーションを襲った悲劇を想起させるが、それを今作では藤野が自身の四コマ漫画で笑いの要素で犯人を撃退する姿で描いている事も、上手いと思う。
藤野は、犯人を憎めどその仕返しを漫画でキッチリと行うのである。
藤本タツキ氏の理不尽極まりない京都アニメーションを襲った犯人への激烈な怒りが垣間見えるシーンでもある。
■”Don't Look Back in Anger”・・ご存じ、Oasisの超名曲である。
意味は様々な解釈があるが、私は素直に【怒りで、過去を悪く思わないで】という意味でレビュータイトルとした。
”藤野は京本を狭い部屋から出し、新たなる広い世界に連れ出したのだ!”と言う思いからである。
<そして、藤野が主のいない京本の部屋を訪れるシーン。
”自分が漫画の世界に引き込まなければ、京本は生きて居たのに・・。“
と悔いながらも、落ちていた四コマ漫画を高層ビルの仕事部屋に持ち帰り、仕事をするデスクの真ん前の大きなガラス窓にペタリと貼り付けて、藤野は再び漫画を描き始めるのである。
今作は二人の漫画好きの少女の交流を軸にした物語構成、絵の美しさと共に心に響く素晴らしき作品である。>
お返事ありがとうございました。
やはりNOBUさんはご存知でしたか。そうですね。18日で5年が経ったのですね。
私は16日に鑑賞したのですが、レビューは18日に挙げると決めていました。私なりに気持ちを飛ばしたかったのが理由です。
"疑わしきは被告の利益に"
無知な私ですら色々考えてしまう所です。
刑法・刑事訴訟について学ばれたNOBUさんならば尚更に葛藤がお有りになるでしょうね。
そんな専門家でさえも心乱されてしまう程の怒り。
被害関係者の方々には、少しでも心安らぐ時間が訪れますようにと願うと同時に、一部の偏った意見によって、タツキ先生はじめ、クリエーターの方々の創作意欲を削ぐ事にならなければ良いなと思います。