「熱狂より愛を込めて」Ike Boys イケボーイズ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
熱狂より愛を込めて
特にあらすじも読んでなかったし、上映館が少ないせいか予告を一回も観なかったなーと色々考えつつも、日本特撮への愛が詰まった楽しい特撮が観れるならそれでいいや!と寝ぼけながらもルンルンで珍しく劇場の真ん中の座席に着席しました。
幻(大コケ)日本映画を観て特別な力を得た少年2人と留学生の少女が世界を救う…といった壮大な話に見えてとってもミニマムかつコミカルな作品で、こういうものを好んで観る身としては流れてくれて良かったですし、なぜTOHOがOKを出したのかいう疑問も含めて面白かったです。
日本特撮への愛を持った作品となると名作「サイコ・ゴアマン」と比較してしまい、あちらの方がはっちゃけていましたし、怪人もマスコットも可愛げがあったりと、予算的な問題もあるんだとは思いますが、好きの原動力が「サイコ・ゴアマン」のが上だったと思いました。
ポスターにもガッツリ出てる仮面ヒーローが結構活躍してくれるのかな?と思って観ていたら、なぜか小さめ(キャストの方よりも縮んでる気がするのは見せ方なのかアクターの方に合わせてしまったのか)で座席から転げ落ちそうになりましたが、「メタルマン」みたいにパーツが永久的に外れないことを申し訳ないと言われるより、映画を観た結果パーツが徐々に体についていって離れないという理不尽に襲われる主人公ボーイはちょっと可哀想でした笑
対抗する怪人も割とイカつめデザインなのに役者さんの声が気持ち高めのせいかあまりおどろおどろしさを感じない不思議で、ヒロインがインディアンにのめり込んだらなんか教祖になったりと、日本でもこんな作品滅多に作られんぞとぶっ飛んだヲタク要素は変にクセになりました。
特撮シーンは古き良き、伝統的なもので、近年の作品には観られないコテコテなアクションも楽しめましたし、急に足枷外してぶっ飛んでみたり、アニメーションも差し込んでみたりと監督含め製作陣が嬉々として作ってそうで微笑ましかったです。
金子監督がカメオ出演してたり、樋口監督がナレーションをやっていたり、釈由美子さんが重要な役で出ていたりと、日本キャストの誘致に力が入っているのか、キャストが熱意に応えてくれたのか、どっちにしろ熱の感じられるものでよかったです。
もっと弾けてくれても良かったのになぁと思いましたが、監督への日本カルチャーへの愛は存分に伝わってきました。
監督のトークショーに行ってみたいし、また違う作品が上映されるとなったら喜んで観に行くことでしょう。
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 9:10〜10:50
座席 C-14