「「◯◯◯◯は、過去も今後も1人だけだ!」」デッドプール&ウルヴァリン ガッキーさんの映画レビュー(感想・評価)
「◯◯◯◯は、過去も今後も1人だけだ!」
「デッドプール2」のエクステンデッド版をご覧になっているだろうか。
配信などにある通常版ではなく、エクステンデッド版だ。
そちらのミッドクレジットにて、デップーが懐かしのある人と会話をするのだが、
実はエクステンデッド版では、こんな会話が追加されている。
「君の旧友ウェイドがまた仕事に戻れと言ったら、イエスというように」
それから6年の時を経て、そんな混ぜるな危険な二人のタッグが遂に実現を果たし、超メガヒットを記録したのが本作。
いやー、楽しかった。
面白かった…というより、楽しかったという感想が合っている気がします。
開始早々にデップー節が炸裂し、以降は延々とありとあらゆるネタのオンパレードです。
あんな悪趣味で血みどろなオープニングクレジットも珍しいでしょう(笑)
びっくり箱のように次から次へと豪華なサプライズゲストが登場し、
しかも、日本語吹き替えまで粋なキャスティングをしているのには感嘆しました。
「◯◯◯◯は、過去も今後も1人だけだ!」の宣言は、多大なる不満と執念がこもりまくってます(笑)
元々「デッドプール」や「X-MEN」などを製作してきた20世紀フォックスが、ディズニーに買収・吸収された一件も、これでもかというほど自虐ネタにしており、
そういったネタを逐一、デップーが懇切丁寧なまでに説明していますが、
この一連すらも一つのネタとしているのが絶妙です。
デッドプールという規格外のキャラを、しっかりと生かしているのが巧いですね。
デッドプールとウルヴァリン。
性格の正反対ぶりは水と油ですが、不死身同士という妙な共通点を活かした血みどろ漫才は爆笑もの。
様々なマルチバースのウルヴァリンの中でも、“最低”のウルヴァリンが選ばれ、
デップーは、ヒーローのお手本であるアベンジャーズに強い憧れを抱いており、その誇りを描く事で、
破茶滅茶なだけの映画で終わらず、ヒーロー映画としての面目躍如を果たしています。
そして、過去の欠陥品的な扱いを受けている“彼ら”に向けての愛の映画でもあります。
彼らのことをこれほど慮って言及しているのは、映画広しといえど本作だけだろう。