「マーベル映画の礎たちを忘れない」デッドプール&ウルヴァリン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
マーベル映画の礎たちを忘れない
マーベル・シネマティック・ユニバース第34作。
デッドプール・シリーズ第3作。
"X-MEN" シリーズ通算第14作。
ドルビーシネマで鑑賞(字幕)。
原作コミックは未読。
相変わらずのデップー節がクソ面白い。冒頭から「LOGAN/ローガン」の感動を最高の形で「冒涜」してくれて笑うしかなかった。過激なバイオレンスと下ネタ満載ジョーク、メタなイジりはさらに磨きが掛かって、「これほんとにディズニーでつくってるの?」と笑えた。(笑ってばっか(笑))
ウルヴァリンの復帰には、「LOGAN/ローガン」で涙ながらに見送っただけに複雑な気持ちがあったが、登場した瞬間の変わらぬカッコ良さに軽々吹き飛んだ。デップーのペースに巻き込まれていき、オデッセイでの喧嘩は血みどろながら「喧嘩するほど仲が良い」を地で行っていて微笑ましかった。
デップーとウルヴァリンの共演だけでも充分アツいのに、MCU以前のマーベル映画のキャラクターたちを登場させてくれるだなんて、最高オブ最高のサプライズだった。
ディズニーが買収した20世紀FOXへも溢れんばかりの愛を注いでいるのもなんと嬉しいことか。エンドロールに流れたメイキング映像とFOXロゴに、思わず涙した。
礎たちの総決算。あなたたちを忘れたことはなかった。レガシーと呼ばれる作品群があってこその今だからだ。また会えて嬉しい。やっとマルチバースのありがたみを知れた。
しかしながら、MCUの弊害と言うべきか、サプライズを重要視するばかりにストーリーが薄くなっていると感じた。
全てがサプライズを引き出すために練られているようなもので、出来事にもう少し必然性が欲しかったようにも思う。
例えば「デッドプールだらけ」なんて、絵面的には楽しいがストーリー的には不要だし、寧ろテンポを阻害していた。
前2作と違って一見さんお断り度が高くなり、TVAや神聖時間軸など、初見さんにはかなりハードルが高いだろう。
一応配信ドラマも含めて全て追っている私でも少しややこしくて、着いて行けないなと思っているのだから、尚更だ。
今後のアベンジャーズに、デップーとウルヴァリン(もといX‐MEN)が参戦したら、これほど嬉しいことは無い。
「キャプテン・アメリカ4」でアダマンチウムについて言及されることは発表済みだし、大いに期待して待ちたいと思う。
[余談1]
ウェズリー・スナイプスのブレイドの再登場は、子供の頃から好きなキャラクターなだけにめちゃくちゃ嬉しかったが、マントを纏い刀を使ったアクションが見られなかったのは非常に残念だった。マントはガンビット、刀はデッドプールと被るから変更されたのだろうが、完全な形での再度の登場を願う。
[余談2]
製作を予告しておきながら企画が立ち消えになったチャニング・テイタムのガンビットの登場は、ファンの待ち望んでいたものだろうし、チャニング・テイタム自身も嬉しかったことだろうと想像する。念願の単独作が実現することを祈りたい。
[余談3]
最近のMCUに共通していることとして、ヴィランの魅力不足があるように感じる。本作のヴィランであるカサンドラ・ノヴァにもそれは言えて、全然印象的なキャラではなかった。
長いシリーズだから悪役の飽和状態なのだろう。チャールズの双子の妹らしいが、コミックを読んだことない勢の私にはあまりピンと来なかったと云うのもあるかもしれない。
かせさん
コメントありがとうございます。
確かにそうですね。デップーとウルヴァリンふたりがかりで戦うのであれば、もうちょっと邪悪さを醸し出していても良かったかもしれません。
「だらけ」は不要でしたね。
「X-MEN」位しか見てない私には(エレクトラとブレイドは見てないけど判った)??が多くて。もっとメインストーリーをちゃんとして欲しかったなぁ。
共感ありがとうございます。
大共感、デッドプール大集合はテンポを遅くしてましたし、カサンドラも何故自由自在に操れるのかぴんと来ない(頭に指突っ込みは良かった)。サノス以後絶望的な強ヴィランは出て来ませんね。
個人的にはガンビットはコミックとイメージが違う。メルギブソン≠トムハーディみたいに太り過ぎでした。