劇場公開日 2024年7月24日

「マルチバースに溺れるマーベル。」デッドプール&ウルヴァリン レントさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マルチバースに溺れるマーベル。

2024年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

多元宇宙だとか、タイムスリップとか、ネタ切れした脚本家がついつい飛びつきたくなるような甘い誘惑。今までの設定を覆して自由にストーリーが作れるからシリーズものを手掛ける者には重宝されたりする。Xメンでもこのデッドプールでもすでにタイムスリップネタは使用済み。今回はマルチバース、しかしこれは諸刃の剣。
マルチバースなんて無限に広がる多元宇宙を描くにはそれに見合う想像力も要求される。すなわち下手すれば作り手の貧困な想像力が露呈しかねない。すでに最近のマーベル作品ではその現象がちらほらみられる。例えば「アントマン」の最新作とか。

本作は「ローガン」で死んだはずのウルヴァリンを生き返らせるためにマルチバースが必要だったわけだけど、そもそもXメンシリーズ自体がスピンオフ作品などを加えるといろいろと辻褄が合わない多元宇宙的なシリーズ。例えばウルヴァリンの兄という設定のセイバートゥースはメインシリーズではそんな設定ではなく、スピンオフでそういう設定になっていたり、デッドプールも同じくスピンオフでウェポンXとしてすでにウルヴァリンと戦っていたり、プロフェッサーも禿げる前の若い時に足が不自由になったはずが、ジーンと出会った時はすでに禿げてるのにまだ歩けてたりと。
だから今回も普通に生きてる前提でウルヴァリン出してもよかっただろうけど、やはりマルチバースは手放せませんか。

いい加減演技派俳優としての地位を確立させたいのに今回オファーを受けてくれたヒュー・ジャックマンには感謝。でもそれ以上にサプライズだったのは脱税で刑務所に入っていたスナイプスが見事ブレイドとして復活、これは単純に嬉しかった。でもなんで剣で戦わないのかな。

お話はマルチバースを管理している組織にデップーが罠にはめられ煉獄みたいなとこに送られる。「ローガン」でウルヴァリンが死んだためにデップーのいる世界が消滅しそうだとか、マルチバースの様々なデットプールが主役のデップーを殺しに来たりとわけがわからない。とりあえずこのシリーズは相変わらず話があってないようなものなので、まともに話を追うことは早々に諦めてただ映像のみを楽しむことに。

いわば過去のヒーローを総出演させたファンムービー的な内容。あと、吹き替えで見たんだけどあのなまってたヒーローの口調が笑えた。これは吹き替えでないと面白くないかも。

レント