「内輪話に振り切った感のある一作」デッドプール&ウルヴァリン yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
内輪話に振り切った感のある一作
もともと『デッドプール』という映画シリーズは、他作品や俳優の来歴について言及したり、画面越しに観客に話しかけてくるなどの、いわゆる「メタ的要素」を多分に含んだ作品だったんだけど、3作目にしてその路線を突き詰めた感が。
要するに『X-MEN』のウルヴァリンはもちろん、いろんな作品のエピソードの引用や言及(ツッコミ)が満載な訳で、内輪の盛り上がり、といえば全くもってその通り、としか言いようのない内容となっています(これはマーベル・シネマティック・ユニバースの作品群全体に言えることだけど)。
じゃあマーベル作品の膨大な過去作を観ていないと話についていけないのか、というと、そんなことはなく、詳細は良く分からなくても映像的に楽しむことはちゃんとできる造りになっています。内容が全部分かるほどのコアなファンは全体のごく一部、ってことは制作側もちゃんと見越しているんでしょうね。
しかしその映像的な楽しみ要素の大部分は、R15+のレーティングも納得の流血・残酷シーンのてんこ盛りなので、それらの描写が苦手、という人はちょっと鑑賞を検討したほうがいいかも(『デッドプール』を選択肢に入れる段階で、描写面の問題は確実にクリアしてると思うけど)。少なくとも、デートムービーとして本作を選ぶのはかなりの地雷!
もともと主演のライアン・レイノルズの俳優としての挫折と復活の軌跡と合わさっていた本作。そこに『デッドプール』シリーズの制作そのものに関するごたごた(とマーベル作品全体の権利問題について)までも話のネタに加わったことを、単純に楽しんでいいのやらどうやら。
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