「75がチホで10がイルヨンらしいけど、それ以上の意味があるのかは分かりません」マイ・スイート・ハニー Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
75がチホで10がイルヨンらしいけど、それ以上の意味があるのかは分かりません
2024.5.6 字幕 MOVIX京都
2023年の韓国映画
人見知りの製菓研究員とシングルマザーの恋愛を描くコメディ映画
監督はイ・ハン
脚本はイ・ビョンホン
原題は『달짝지근해:7510』で「きらめき:チルとイルヨン」という意味で、英題は『Honey Sweet』で「はちみつのように甘い」という意味
物語の舞台は韓国のソウル
製菓店で新作を研究しているチホ(ユ・ヘジン)は、その能力によって会社のヒット商品を生み出し、表彰されるほどの男だった
だが、極度の人見知りで、決まった時間に起きて、決まった行動を繰り返すというルーティンで生きていて、同僚のドンウ(イ・ビョンヒョク)たちも取り付く暇もないほどだった
ある日、兄のソクホ(チャ・インビョ)の借金を肩代わりするためにローン会社を訪れたチホは、そこで受付のイルヨン(キム・ヒソン)と出会う
駐車料金のサービスのないことに小言を言うチホは、どこからみてもおかしな感じに見えた
だが、イルヨンは何を思ったか、駐車料金をサービスしようと彼を追いかけた
イルヨンはチホに追いつくものの、足を滑らして、彼の目の前で思いっきり地面にダイブしてしまう
パニックになったチホは、彼女を担いで病院に向かうものの、力付きて一緒に倒れ込んでしまい、そして、二人は通行人によって、救急車を呼ばれてしまうのであった
物語は、イルヨンが病院の診療代をチホから借りたことで縁ができ、そのお返しのために食事に誘うところから動き出す
イルヨンには大学生になる娘・チンジュ(チョン・ダウン)がいて、彼女はかなり気難しい年頃だった
家族を捨てた父ユック(チョン・ウソン)を殺すために射撃部に入り、それなりの格闘術もマスターしていた
チンジュは母の「男の見る目のなさ」に辟易していて、今度も「ろくな男ではない」とチホを色眼鏡で見ていくことになった
映画は、中年の恋愛を描いていて、若年層からすれば気持ち悪さが滲み出ていたと思う
恋愛初心者のチホと男運の悪いイルヨンの組み合わせは見ていて楽しいが、巻き込まれる娘はたまったものではないだろう
彼らがどんなに真剣だったとしても、そう見えないところが悲劇で、それでも周囲の目を気にするほどヤワでもない
それらの衆人環視すらも障壁として吸収する特性があって、二人が「この歳で恋愛なんてみっともない」と思わないところが救いなのかもしれません
いずれにせよ、かなりコメディに振り切っていて、登場するキャラ全員が濃いものの、うまく溶け合って混ざっているように思えた
キンパ天国の盗み聞きカップルとか、ロミオ&ジュリエットカップルなども、良い味を出していて、ナルシスト社長&勘違い同僚も無茶苦茶面白かった
そんな濃すぎる脇役に負けていないのが主人公たちで、それでも応援したくならないところが喜劇的でもある
内容は甘すぎるのだが、これを若年層でやってしまうと面白みもないので、この年代だからこそ笑い話にできるのかな、と感じた