「桃太郎方式」モアナと伝説の海2 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
桃太郎方式
えぇ、どうしちゃったんだよ。
完全にアナ雪2ルートを辿ってしまっている。キャラクターが魅力的な作品だったのにも関わらず、色んな要素が互いに邪魔し合って、主人公含め全てのキャラがどうしようもなく薄っぺらくなってしまっている。
ストーリーも絶望的に面白くないし、モアナとマウイの相変わらずの掛け合い、そして前作以上に高品質かつ大量の音楽でなんとか一定ラインをキープしているけど...まじでギリギリ。ピクサーは例外として、ディズニーは基本続編が大の苦手なんなよ。売れるかもだけど、ネームバリューだけで作っていいという訳では無いぞ...。
開始早々わかる、やばそげな雰囲気。序盤があまりにもつまらなくて、完全に導入失敗。前作と違って、心掴まれるまでに相当の時間を要してしまった。島の様子にもあまり変化が見られず、続編としての面白みが弱い。妹シメアが生まれたくらいで、この3年間何してたの?としか思えない。せっかくならもっとガッツリ時間を経過させたら良かったのに、それほど大スケールのネタは思いつかなかったのかな?
しかも、前作と似たような、しかも下位互換的な伝説がまた語られ始めて、嫌な予感が漂う。結局なぞっただけ。今回からの目新しいものはほとんどなし。おかげで冒頭は睡魔に襲われてしまった。4DXで見たというのにね。
今回の旅で初登場する島の新参者が本当に要らない。船作りの女子、マウイ好きのガッツ系男子、そして農夫のおじさん。いやぁ、見た目やら設定やらと言い、何から何までつまらんですよこれは。雑魚キャラにもほどがある。これといったエピソードもないし、ただモアナとマウイだけじゃストーリーもストーリーだし、これだと前作とマック同じことになってしまう!という考えだけで追加されている。
扱いも酷いし、邪魔ばかりで必要とは思えない。最初はバラバラだったけど、旅を通して絆を深めたね♡みたいなベタなことがやりたかったのか分からないけど、にしてもプリンセス映画らしかぬしょうもなさだった。
ただ、前述通りモアナとマウイの掛け合いは今回も良かったし、前作好きな人にとってはそれだけで見る価値はあると思う。音楽も前作以上に多く、華やかで耳に残るものばかりだから子ども向け感は強くなったものの、ディズニーミュージカルとしての質は格段に上がっていると思う。このくらいやり過ぎな演出の方が案外ちょうどいいのよね。
4DXとの相性も良かったし、やっぱり今回もアニメーションは流石だったから、映画館で見て損は無いかと。ただ、全体的に規模感がかなり縮小されているため、過度な期待は厳禁。目的地も悪役も、どうにかならなかったものかね...。
結構動員多いみたいだし、アメリカでは特大ヒットを記録しているらしいから万人受けはいいのかも。ディズニーの2は売れる法則が確固たるものになりつつある。しかし、本作は「インサイド・ヘッド」とは違ってキャラクター力があるもんだから、ストーリーは正直蔑ろでも許されちゃうんだよね。これで調子乗って、色んな映画の2を作らないといいけど...。2はまだしも3だけはやめた方がいい。今回も中途半端だったけど、やるなら実写でお願いします。アナ雪3ほど期待しない映画は無いですから....。