「ラスト30分で楽しむ」モアナと伝説の海2 キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト30分で楽しむ
字幕版で観賞。
前作も劇場で観賞したが、ストーリーは正直ほとんど覚えていない。
あのマウイが魅力的だったな…ってくらいだが、映画として楽しんだのは記憶に残っている。
で、そんな私が前作の復習ナシで臨んだのがもしかすると裏目だったかも。
前作の冒険がどういう経緯でどうなったか、登場人物や関係などについても、本作での説明はかなりボヤっとしていて、次々出てくる馴染みの薄い固有名詞も、今回初めてなのか、前作から出てるのかも分からず、かなり手探りで集中して聞いていた。
もちろん、映像美は最高。
海や水はもちろん、光・風・空・宇宙…。髪の毛の表現の幅も広がっている。
そして音楽。
ディズニーアニメのミュージカルものとしては、ノリの良さやアレンジの豊富さは随一だと思う。
アンミカさんみたいなキャラの曲や、マウイのラップ風もカッコ良かった。
そのマウイの活躍は今回もやっぱり良い。
まあ、今回もマウイを楽しむ映画ですよね。
アクションシーンや最後のスペクタクルも迫力があるし、ラストの大団円も「期待どおり」ながら、気持ち良く締めてくれた。
したがって、観賞後の印象はすごく良い。
でも。
もちろん、それで満足して帰ってもいいのかも知れないが、やはり反芻してみると、そのラストの畳み掛けに至る前半の経緯はどうだったかがすごく気になる。
恥を忍んで言うなら、前半3分の2くらいまで「この人達は今何をしているのだろう」と思って観ていた。
「先祖の教えに従って外洋に出て伝説の島を見つけ、他の島の人々との繋がりを結ぶ」というメインのテーマは分かるのだが、お話の展開にあまり脈絡がなく、イベントが起こって、「なに?なに?」と振り回された後にその都度説明があって「あ、そういうことなのね」と理解する、という後付けの流れを繰り返した感じ。
島の人々との別れを惜しんだのに島の仲間をたくさん連れていくし、その割りにそれぞれとの島での関係性もあまり描かれず、実際海の上でも大きな活躍といえるシーンも少なく、なんか「むしろ邪魔じゃね?」って感じてしまった。
ラスボスの扱いは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のサノスの登場みたいにも見えた。
繰り返すが、観た後の爽快感はちゃんとあるし、マウイも相変わらず魅力的。
観たいものを観られたという意味でも、別にあえてケチを付けるタイプの映画ではないので、ぜひ劇場にてご覧頂きたい。