「CG技術は凄いが、シナリオがかなりダメダメなので、割り切ってアトラクションを楽しもう」モアナと伝説の海2 Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
CG技術は凄いが、シナリオがかなりダメダメなので、割り切ってアトラクションを楽しもう
2024.12.6 字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年のアメリカのアニメーション映画(100分、G)
前作『モアナと伝説の海』から3年後の舞台にて、人類分断の鍵を追う一行を描いたアクション映画
監督はディップ・デリク・Jr
脚本はジャレッド・ブッシュ
物語の舞台は、モトゥヌイ島沖
他の島に人がいないかを探しに行ったモアナ(アウリィ・クラヴァージョ)は、何も見つけられないままだったが、ある場所にて「別の民族が作った陶器」を見つけることになった
島以外にも誰かがいる可能性が見えてきたものの、それ以上の収穫がないまま戻ることになった
ある日のこと、先祖タウタイ・ヴァサ(ジェラルド・ファイタラ・ラムセイ)のビジョンを見たモアナは、民族が分断されている理由を聞かされる
そして、「空に炎が見えたら、それを追え」と告げられた
その知らせを受けて、族長のトゥイ(テムエラ・モリソン)はモアナにタウタイの称号を授け、伝説の島モトゥフェトゥを探す旅に出るように命じる
そしてモアナは、半神マウイ(ドウェイン・ジョンソン)のファンを公言するモニ(フアラーライ・チョン)、頭脳派で手先が器用なロト(ローズ・マタフィオ)、気難しい農夫のケレ(ダヴィッド・フェイン)を連れて、航海に出ることになった
一方その頃、マウイは別の目的でモトゥフェトゥ島を探していたが、世界を混乱に陥れているナロ(トフィガ・フェプリアイ)の手下マタンギ(アフィマイ・フレイザー)に捕まっていた
映画は、海の向こうにいる別の民族とのコンタクトを取るために、世界にかけられた呪いを解くというもので、ナロの前では海は助けてくれない、という設定になっていた
マウイとモアナは別行動を取っているが、それはマウイがモアナを巻き込みたくないと思っているからで、その感情がどこから来るのかはわからない
基本的にミュージカルが主体になっているが、本作ではあまりキャッチーな歌がなく、誰にでも口ずさめるフレーズがあまりないように思えた
CGと特殊効果を楽しむ映画だが、敵キャラがかなりキモく、毒だの何だのを吐きまくるので思った以上に気持ちの悪さが先立っていた
海のCGがすごいのに、今回は海の出番がないので、本作の良さというものが損なわれている気もした
後半の海底のシーンは胸熱展開ではあるものの、結構わかりにくいシーンになっていて、モアナが半神になったのか、マウイが助けるために能力を少し失ったのかはわからない
今後の展開を踏まえたものだと思うが、マウイが半神から人間になるのも、モアナが人間から半神になるのも微妙なので、この関係性は壊さない方が良かったのではないだろうか
いずれにせよ、前作を観ていなくても何となくわかる内容で、見比べるとアラがあるように思えた
前作では、モアナとマウイの二人に集中していたが、本作はクルーがいる分、無理やり活躍の場とピンチを作り出す必要があったように思う
それゆえに、RPGのように進んでいく感じがして、シーンの独立性が目立っていたように思う
ミュージカルシーンが滑らかなのにシーンがそうではないことで悪目立ちしているので、もう少し綺麗に繋げても良かったのかな、と感じた