劇場公開日 2024年12月6日

「商業臭」モアナと伝説の海2 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5商業臭

2024年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悪くはないが、期待値が大きすぎて心のハードルを上げすぎたのか、さほど面白いとは感じなかった。
商業主義が強いフィルムになってしまっていたように思えたのでした。

まず、どの歌もピンと来なくて、前作比較で自分には全然心に刺さらなかった。
(吹替版だったせいもあるかも)

お話としても、前作と比べてしまった。
前作は「外洋に出ることを禁じられた島で食糧が尽きかけ、住民を助けるために"海に愛された少女"モアナが、半神半人のマウイの力を借りながら、女神テ・フィティのいるところまで船で旅して女神の『心(心臓)』を返還し、一帯の海の自然と、島人が外洋へ出る自由を取り戻すまでの冒険」という話だった。
いわば、努力して結果的に救世主になったのだけれども。
しかし今作は「伝説にある悪神の呪いを解いて他の島々にいる人間たちと交流したい」という好奇心と救世主としての使命感による冒険で、似ているのだけれども、「それをしないと家族の誰かが死んでしまう」というような悲壮感や義務感がないのが、動機として弱い。

どうも今回の冒険は、神々の思惑によってモアナが掌で転がされてる感があり、それはつまり「製作陣のご都合で与えられた、チェックポイントごとのミッションをクリアする」攻略本を見ながらのゲームみたいな感じが強く。
また、日本のアニメを意識した「キャラを立てる」=「登場人物の個性や特技を見せる」ことを重視しすぎて、それが事態解決に役立つわけでもなく、単なる寄せ集めの偶然性によりミッションクリアにしか見えなくて、かえってご都合主義感を増す結果になってる気がしちゃった。

とどめがポストクレジットで、続編を強く匂わせて……
ラスボスが最後にちょろっと顔出しして「続きはまた」って、MCUの悪いところが影響してるかもしれませんね。
そして、前作が『スターウォーズ』で喩えるなら、「エピソード4~6」だったのに対し、本作は「エピソード7/フォースの覚醒」っぽいというのが個人的見立て。
この喩えを思いついたのは、魂だけになったジェダイたちを思い出すシーンがあったせいかも。

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コージィ日本犬