「最期の想いと決断」クワイエット・プレイス DAY 1 なもしさんの映画レビュー(感想・評価)
最期の想いと決断
あらすじ
マンハッタン出身のサミラは末期がんに侵されていた。 最期の時を橋の向こうの郊外にあるホスピスで迎えようとしていた。
最後となるマンハッタン訪問の時、例の音に反応するモンスターの襲来に遭遇する。
パニックに陥る群衆の中、サミラは亡き父と過ごした思い出のピザレストランを目指し、飼い猫と共に動き出しす。
がんの激痛を抑える薬が切れる中、道中で出会った法律を学ぶ学生エリックの助けを借りながら先へと進むサミラ。
はたしてサミラとエリックの運命は。
とても良い脚本・演出と思った。
モンスターは物語の背景でしかなく、あくまでサミラの最期の生き方が主眼の物語。
(これは前作までを踏襲。モンスターにピントを合わせることが少ないのも同じ。)
荒げることの出来ない己の運命を呪う声、弾くことの出来ないピアノ、ラストシーンの決断。
物語背景を遺憾なく発揮した脚本だった。
サミラを演じるルピタ・ニョンゴの物悲しくも目に力のある演技も最高だと思う。
(特にラストシーン。予想はできたけど、実際にやったことにカタルシスを感じ、鳥肌が立った。)
前作までとの繋がりは、背景のモンスターと2にも登場したジャイモン・フンスーぐらい。
(2でジャイモンが弱点を知っている理由が説明できていて、上手いと思った。)
day 1ものなので、1・2を知らなくても楽しめる作りで、シリーズ初見の人にも是非見て欲しい超良作。
もっと言うと、人間の尊厳を問うストーリーとなっていて、1・2の家族の話と比べより重く深い。
ぜひサミラの決断とラストを見届けて欲しい。
あと、猫大活躍映画でもあるので、猫好きの方は是非。