「堂々と、十分に、面白いと思うけど。」クワイエット・プレイス DAY 1 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
堂々と、十分に、面白いと思うけど。
第一作は「DAY 89」から始まった。もっとも本筋は472日目から473日目にかけて展開するので89日目は導入部分に過ぎないけど。
いずれにせよ本作は「DAY 1」に遡って、地球にとっての災難である侵略者(捕食者というほうがイメージに近いけどね)の登場を描く。一作目、二作目の登場人物はほぼ出ない。サミラもエリックも、そしてネコのフロドも本作のオリジナルメンバーということになる。でも捕食者は一緒で、映画を観てる我々は捕食者の人となり(?)というか行動特性というか、を知っているんだけど、映画に出ている人は知らない、という現象が起こる。まあ「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」とおんなじ構造なのだが、このやり方は真面目に手抜きなしでつくらないと、底が割れている分だけたちまち面白くなくなる。結局、「音を立てたら即死」のワンアイディアだからね。
ただ自分としては、アイディアの使い回しとはいえ本作品も堂々独立していて十分に面白かったと思います。
ところで、本作では裏方にまわったジョン・クラシンスキーなんですが、なぜ、こんなにレビューで叩かれてしまうのですかね。第一作の公開時のレビューを改めて読んでみたところ、脚本というか設定の矛盾点を執拗に叩くレビューがあり、擁護するコメントなんかもあってちょっとした炎上状態。本作はまだ公開直後なのでそこまで否定的なレビューはないけれど。でもちょっと気になるコメントもあるんだよね。思うにジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラント夫婦の意識の高い感じが嫌な人が多いのかな。第一作、第二作は聴覚障害者が登場するし、本作でルピタ・ニョンゴを起用したのもそういう印象を与えるかもしれない。でもルピタ・ニョンゴは好演でした。
自分としては、そういったところは気にならないのだけど、むやみにエンド・ロールが長いのには閉口しました。最後にエンド曲のニーナ・シモン「Feeling Good」がクレジットされるまでのロールの長いこと、長いこと。各方面に気を使ってということなんだろうけど観るひとの身にまずなってくださいよとは思いました。